【英語脳チャンネル-6】"L"の発音の『側音』ってな~に?
前回の続きで『L』の発音についてやります。
『Dark L』を主張している人たちは、『Dark L』の反対に位置する本来のLの発音を『Light L』と呼んでいるようです。
そして『Dark L』のことを「暗いL」、『Light L』のことを「明るいL」と訳していることが多いようです。この呼び方については少し不満があります。
1.「あいまいなL」と「明白なL」
『Dark L』のDarkとは「薄暗くて良く見えない」が転じて「ぼやけた」とか「あいまいな」という意味で使われています。Darkを「暗い」と訳して、「暗いL」というのでは直訳過ぎます。同様に『Light L』のLightとは「明るくてよく見える」が転じて「明白な」と言う意味で使われています。
ですから『Dark L』は「ぼやけたL」、『Light L』は「明白なL」と訳した方が良いのではないでしょうか。
2. 日本人は『R』より『L』の方が苦手
さて本題に戻りますが、日本人はそもそも本来の『L』(Light Lのことです)の発音が下手だ、と言います。
英語の『R』が日本語の「ラリルレロ」と違うことから、「自分はRの発音が苦手だ」と思っている日本人が多いようです。
しかしネイティブに言わせると「日本人は『R』より『L』の方が苦手だ」と感じている人が多いようです。
3. 『L』だけが唯一『側音』
呼気が「舌」と「上の奥歯」の間を通り抜ける時の音を『側音』と呼びます。
本来の『L』(Light Lのこと)は、この『側音』で発音される唯一の音なのだそうです。
『側音』を出すためには、「舌」を強く「上の前歯のつけ根」に押し付ける必要があります。
日本人はその押し付ける力が弱いために、上の前歯から犬歯にかけてを呼気がすり抜けます。
それでは本来の『L』の発音にならないのだそうです。
その辺をYouTubeで詳しく説明しているのが、ケリー伊藤さんの下記ビデオです。
ケリー伊藤さんは僕と同ジェネレーションですが、日本の英会話界の草分け的存在で、これまでに何十冊もの本を執筆されています。
たしかに『側音』というのは日本語に無い発音だけに、大切な発音法だと思います。
この『側音』をしっかり練習せずに、『Dark L』と称して、崩したLの発音の仕方ばかり日本人に練習させるのは、本末転倒ではないかと思います。