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11月23日(2004年) ラストゴール

駒場に史上最大の紙吹雪が舞った3日後、
レッズはアウェイで柏レイソルと対戦。
前節からメンバーを大幅に入れ替えて試合に臨んだ。

当時のレッズで一番好きな選手が室井選手だった私は、彼の久し振りの先発出場を嬉しく思いながらも、何とか結果を残して、レギュラー争いにくい込んで欲しいと願っていた。
そう思っていたのは私だけでは無かったのか、
試合前、選手たちがピッチに散らばる際、エメルソン選手が室井選手のところにやって来て、何やら言葉を交わしたあと自分のポジションへと戻っていった。
いくら柏サッカー場のピッチが近いとはいえ、話す内容が聞こえた訳では無いが、
雰囲気からして「やってやろうぜ」と激励しているようだった。
エメルソン選手はインタビューなどで、「ムロイは…」と名前を出すことが度々あったから、気の置けない間柄なのかな、とは思っていたけれど、やはりそのように見えた。

前半4分。
室井選手かCKに右足で合わせて先制。
後半早々に退場者が出て、相手が一人少なくなると、
らしいゴールを連発したエメルソン選手がハットトリック。
結果4―0の快勝。
優勝を決めた直後で気が抜けてやしないかと心配していたけれど、先発を7人入れ替えただけあって、気持ちの入った見ていて楽しい試合だった。

翌年、室井選手は神戸に移籍。
2007年をもって引退。
このゴールが現役最後のゴールとなった。
大好きな選手のラストゴールを現地で見られたのは、今となっては良い思い出だけれど、
本当のことを言えば、もっと一緒に闘いたかった。

ここに参戦したのは、この試合のみ。
なので私にとっての日立台は、
市衛の最後のゴールと、
色々あったけど何だか憎めない、エメの笑顔の記憶で占められている。



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