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6月28日(1995年) 新星輝く

残念ながらチケットが取れずにテレビ観戦。
それでも、録画して何度も見返すほど大好きな試合なので思い入れがある。

この年の大宮サッカー場といえば、「福永泰」抜きには語れない。
55分にマリノスに先制された数分後、
負傷の岡野選手に代わって福永選手がピッチに立つ。
この展開でルーキーに託して大丈夫なのか?という不安を吹き飛ばすように、ここから彼の小気味よいプレーが試合の流れを変えていく。

交代から10分ほどでウーベ・バインの同点ゴールをアシスト。
そして延長前半には相手DFをかわし、
「先輩、どうぞ」と言わんばかりの横パスで広瀬選手のVゴールをアシスト。
新人らしからぬ落ち着きで大仕事をやってのけながら、少年のような笑顔で喜びをあふれさせていた。
オジェック監督もピッチ内に駆け込んで、選手ひとりひとりを抱きしめている。
まるで優勝したかのような光景だった。

直線的な感じのするこの頃のレッズの攻撃に、曲線を描くような不思議なリズム感をもたらす福永選手のプレーは、見ていてとても楽しく、ひときわ輝いていて見えた。
大宮伝説は、まだまだ続く。

*おまけ
この日のテレビ埼玉の中継の解説は、名取篤さん。
ヒーローインタビューに呼ばれた広瀬選手は、
帝京高校の先輩である名取さんが放送席に居るのに気付いて嬉しそうに手を振っていました。
ついさっき自らのVゴールで、大宮サッカー場のボルテージを一気に引き上げた人とは思えない、
散歩の途中で知り合いに出会ったような穏やかな笑顔でした。

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