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行方不明騒ぎ~発達障害の息子の反抗期と自立の芽~

嫁からのLINE
「いろいろあって疲れたから、ご飯食べてきて」


うちの嫁はあまりグチったりしないため、「何があったの?」と聞いてやらないと、嫌なことやトラブルがあったことを教えててくれません(ちなみにガス抜きしないと機嫌が悪いままです…)。

どうやら、うちの息子が放課後デイサービスに行かずに私の母の家に行っていたそうです。
放課後デイサービスでは、連絡がなかったため、行方不明扱いでうちの嫁と学校に連絡がいき、大事になっていました。

それまで小学校低学年の息子は送迎バスを使っていたのですが、ひとりで行けるかトライしていました。
息子は最初の1,2回はちゃんと行っていたものの、放課後デイサービスに行かない選択肢があると考え、私の母親の家に歩いて行ったそうです。距離としては、大人の私でも学校から歩いて40~50分ほどかかります。子供の足ではかなり遠い距離でした。ちなみに歩いて母の家に行ったことはなく、車で行った道を覚えていたようです。

学校からの連絡、放課後デイサービスからの連絡、私の母親からの連絡があり、勤務中の嫁は仕事を切り上げて帰ったそうです。
その対応とストレスで嫁は疲弊していたのでした。

息子に話を聞くと、「あそこはうるさいし、人がたくさんいてもう行きたくない。公園に行こうかと思ったけど、公園に一人でいたら不審者が声をかけてきたりすると危ないから、安全なばあちゃんちに行ったんだ。」




嫁が発達支援施設の先生に相談すると、「反抗期だね」と言われたそうな。

「困ったな…、周りに迷惑かけて申し訳ない。」と思ったのは紛れもない事実ですが、反面、息子が自分の意志を持ち、自分でプランを考え、行動に移したことに成長を感じていました。

未就学時に軽度知的障害の診断を受け、「大人の指示が理解できない」「ルール化された単純作業ならできる」と診断された息子が、ここまでできるようになったかと、困った反面、成長をうれしく感じていました。

とはいえ、本件、自分の反省点もありました。
・以前から息子が、通わせている放課後デイサービスがストレスと訴えていたが、そのまま通わせて他のデイサービスを探さなかったこと。
・放課後デイサービスに行かないことを想定しておらず、関係者に迷惑をかけたこと。

通わせている放課後デイサービスは、発達支援施設に併設されているところで、ベストな場所と考えていましたが、息子の特性と施設の特徴、双方の相性を考慮すると、必ずしもベストではないと思えてきました。

本記事では、放課後デイサービスのメリットと、放課後デイサービスと発達障害の特性との相性について取り上げます。


放課後デイサービスでの遊びとリラックス

① 遊びを通じた発達支援の効果

遊びは子供の発達に欠かせない要素です。

特に発達障害のある子供たちにとって、遊びを通じてさまざまなスキルを学ぶことができます。

たとえば、ブロック遊びでは問題解決能力や空間認識を養ったり、他の子供と一緒に遊ぶことで、社会性やコミュニケーション能力が自然に育まれたり…など。

さらに、遊びを通じて成功体験を積むことが、自信や自己肯定感の向上につながります。

このように、遊びは単なる楽しみだけでなく、子供の全体的な成長をサポートする重要な手段です。

② リラックスできる環境作り

発達障害の子供たちは、日常生活で多くのストレスを感じることがあり、リラックスできる環境を提供することが重要です。

うちの息子は大人数の空間や、がやがやしている空間が非常に苦手です。
通わせていた放課後デイサービスがこういう環境だったため、うちの息子は一時期、放課後デイサービスの送迎バスに乗せられる度、泣きながら通っていました。

その時は、静かな部屋や広いところに移してもらい、特別対応してもらいました。
静かな部屋や自然の音を取り入れた空間は、子供たちの心を落ち着かせる効果があります。リラックスできる環境では、自己表現や感情の安定が促進されるため、学習や他の活動にも良い影響を与えます。


ただ、施設の人員やスペースの問題がネックになり、徐々に特別対応してもらえないことが多くなってきました。それにつれて息子のストレスも蓄積していったようです。

③ ストレス解消のためのアクティビティ

発達障害の子供たちは、日常生活で多くのストレスを感じることがあります。

そのため、ストレス解消のためのアクティビティが必要です。

例えば、絵を描いたり、音楽を聴いたりすることは、子供たちの心を落ち着かせる効果があります。

うちの息子は絵を描くのが好きで、学校でもデイサービスの施設でもたくさん絵を描いて過ごしています。今思えば、息子が絵を描くきっかけは、ストレス回避だったのかなぁ…なんて思ったりします。

ストレス解消のためのアクティビティを取り入れることで、子供たちは日常生活で感じる不安や緊張を軽減し、より健やかに過ごせるようになります。

④ グループ活動の重要性と効果

発達障害の子供たちにとって、グループ活動は非常に有益です。

他の子供たちと一緒に活動することで、協力や共有のスキルを学ぶことができます。

例えば、共同での工作やゲームは、コミュニケーション能力やチームワークを育てる絶好の機会です。

また、グループ活動は社会的なつながりを強化し、孤立感を軽減する効果もあります。

さらに、他の子供たちと一緒に過ごすことで、異なる視点や考え方を理解する力が養われます。

このように、グループ活動は子供たちの全体的な社会スキルの向上に寄与します。

私が息子を無理やり今の放課後デイサービスに通わせていたのも、ここが狙いで、多くの子供たちと過ごすことで、学校や日常生活での社会スキルの向上を図ろうという考えからでした。

結果的には、ストレスとのバランスに配慮しないといけなかったわけですが、無理やりやらせても効果がないこともあるので、本人の特性との相性を考慮しないといけないといけないなと感じた次第です。

⑤ 個別対応の遊びとその方法

個別対応の遊びとその方法についてお話しします。

発達障害の子供たちは、それぞれ異なるニーズや特性を持っています。

そのため、個別対応の遊びが重要です。

例えば、絵を描くのが好きな子供には、絵を描く時間を設けることが効果的です。

また、特定の玩具やゲームを使って、個別の興味や能力に合わせた活動を提供することができます。

さらに、個別対応の遊びでは、子供たちの進歩や成功をしっかりとフィードバックすることが大切です。

これにより、子供たちは自信を持って取り組むことができ、さらなる成長を促進します。

今の放課後デイサービス施設においても、個別対応してもらえている間はよかったのですが、施設の人員状況やスペースなどの環境要因で対応できないケースも出てきます。
昨今どこも人手不足ですので、自分が望む環境を提供できないケースも多々出てくるものと思います。

発達障害の特性と課題への対応

① 発達支援施設の家庭へのサポート

今通わせている発達支援施設は、どちらかというと発達障害を抱える子供の親御さんのケアに重点を置いています。

発達障害を抱える子供の親の中には、シングルマザーも多く、経済面社会面で孤立し、子供にあたってしまう(ひどいケースだと虐待に発展)ケースもあります。
親が悪いというのは簡単ですが、追い込まれて逼迫した状態だと、悪いとわかっていることでも自分をコントロールできなくなってしまう状態に陥ります。

また、症状が重く、暴力的になってしまう子供もおり、専門家の介入が必要になるケースもあります。

孤立している場合、サポートしてくれる人もいないため、自分一人ではどうにもできない状況になってしまうため、第三者の介入が必要になってきます。

親のフォローが手厚い今の支援施設は、そういう過程においては非常に効果的で相性がいいと思うのですが、うちの家庭の場合は家庭内に問題はなく、子供の特性も軽度なため、子供の療育や教育に焦点を当てて対応してくれる施設の方が相性がいいように考えるようになりました。

② 学校との連携と情報共有

発達障害の子供たちは、学校でのサポートも重要です。

例えば、個別教育計画(IEP)を作成し、学校と家庭が一体となって支援を行うことが求められます。

また、定期的な情報共有を行うことで、子供たちの進捗や課題を共有し、適切な対応を行うことができます。

さらに、学校での支援スタッフや教師とのコミュニケーションを密にすることで、子供たちに最適な教育環境を提供することができます。

今回の問題も学校の担任の先生、発達支援施設の先生、放課後デイサービスの先生と状況を共有・対応を協議し、とりあえず他の放課後デイサービスを探してみることにしました。

少人数で、息子がストレスの少ない環境を提供してくれるところを探しています。

あとがき

色々と設備や施設が整っている環境がベストな選択というわけではないのだな、というのが今回の学びです。

息子の特性と、施設の方針や特徴に相性があるというのはあまり意識していなかった点ですし、収集した情報や書籍の中でもなかなか触れられていない点です。

今回の記事も、似たような境遇の方にはぜひとも参考にしていただきたいと思い、記事にしています。

少々話はそれますが、今の時代は発達障害についての理解が進み、該当する子供を発達支援切に通わせる仕組みが整い始めているところまではいいのですが、増える発達障害の子供に対して、支援施設のスペース、人手不足、スキルを持った人材不足が足かせになっています。

また、発達支援施設も人の運営という面では拙い部分も見受けられ、マネジメントがうまく機能していないように感じる面も多々あります。ただでさえ人手が足りないのに退職者が後を絶たないのは、そういった面の問題を抱えているように感じます。

子供の発達支援に係る専門知識を持っている方々も、ことマネジメントに関してもプロフェッショナルというわけではないと思います。
ビジネスの世界においても人材管理は非常に難しく、多くの人を抱える組織運営は難しいので、発達支援組織をうまく機能させるのも非常に難しいことだと思います。

将来的にこの辺の課題解決に貢献できないだろうかと考えつつ、自分の家庭、家計を守ることもおろそかにはできませんし、もやもやした気分になります。

子供のための資金、稼げるビジネスに道筋をつけたいとも考えているので、やることたくさんあります。

今は都知事選が話題ですが、社会問題の解決に取り組もうとしている候補者の方もおり、実用的な政策を提示している方もいました。
目立つ人じゃなくて、そういった世の中の役に立つ人にフォーカスを当てる人が、少しでも増えていったらいいなと思っています。

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