浅間明月記8
【Kチャン】 2023年6月26日
6月22日はKチャンの12歳の誕生日だった。生憎終日雨で大
好きな散歩にも行けず、ガラス窓越しに庭を眺めていて栗鼠を見か
けると一人で興奮していた。大型犬は退屈そうに寝ていた。
Kチャンが我が家に来たのはアト6日で2歳になる時だった。犬
種はトイプードル、カーリーヘアーで色はアイボリーの可愛い女の
子だった。妻は大型犬(女性)の遊び相手を探していて中型犬を考
えていたがやってきたのは小型犬だった。案の定先住の大型犬は全
く興味を示さなかった。スペックに合わないというのが私の意見で
あった。
先方は2日間預かって様子を見てくださいと売り込んできた。妻
は娘・上の孫娘に相談して預かることにした。愛玩犬の要素を全て
兼ね備えた子なので1日でも預かれば離せなくなるのは分かってい
た。生年月日が下の孫娘と同じだったことに妻は運命的なものを感
じたようだ。今まで買い手が付かなかったのは値段が高かったから
と思われる。
Kチャンは好意的な女性陣、優しそうな男性とのんびりしてとろ
いところがある大型犬を見て、我が家を飼い主探しの最後にしたい
との意思を強く持ったのだろう、妻や娘・上の孫娘にこれ以上ない
ような愛想を振りまいていた。スペックの違いを理由に反対したら
上の孫娘から義絶されそうだったので飼うことを了承した。
愛玩犬なので飼い主がいないと情緒不安定になるが、大型犬がそ
ばにいると安心している。大型犬に依存している。
Kチャンは当初食が細かった。ある日食事を残したので食欲の強
い大型犬が食べようとしたら唸り声をあげて威嚇した。これで両者
の力関係が決定した。Kチャンが残しても傍にいるときは大型犬は
手(口)が出せない。私に問題解決を迫るような瞳を見せてくる。
最近は大型犬に刺激されて食が太くなってきた。二人ともアイスク
リームとあんこには目がない。
当初は妻がKチャンを散歩させその後を私が大型犬を連れて歩い
ていたが、私が大型犬だけにおやつを上げていないかと疑り深く見
ていてその現場を見ると慌てて引き返してくるようになった。
軽井沢に来てからはドックランで遊ばせることが増えてきた。当
地は大型犬が多い。ドックランの大型犬と飼い主の女性陣の井戸端
会議から疎外されたKチャンと私は二人で周辺を散歩することが増
えてきた。
大型犬は妻を飼い主、私を友人として付き合ってきた。Kチャン
は妻も私も飼い主として見てきたが、大好きな散歩でリードを持つ
のが私になったため、私に最も愛されていると思い込んだようであ
る。そのお返しなのか私に一番なついている。Kチャンのことを妻
は「パパっ子」娘は「ジジっ子」と呼んでいる。
Kチャンを可愛がっても大型犬はゆったりしているが、大型犬を
可愛がると必ずKチャンが間に入ってくる。私は二人とも大好きだ
があえて差をつければ大型犬の方かなと思っている。
でもこのことは一生Kチャンには内緒にしておく。
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