ジーンとドライブ 橙色の夕暮れに
年の瀬が近づくと、少し感傷的になるのは私だけだろうか?
あんなに綺麗だった紅葉も赤茶けて、すっかり葉を落とした木々は寒そうで、こちらまで寂しくなる。冷たい風が顔にあたれば尚更で。
だけど、夕日が落ちる少し前、ピンクオレンジのまあるい太陽に照らされて、辺り一面橙色に染まる時、再び木々は紅葉する。その一瞬がとても好きだ。日が落ちていくのに反比例して、何故か清々しい気持ちに包まれる。
そういう時、何気に耳に入ってきた歌が思いのほか深く深く、とても深いところにまで届く時がある。
安室ちゃん(安室奈美恵)は私の世代よりは少し若い。だから、メジャーな歌しか知らない。嫌いじゃないけど、とりわけ大好きでもなかった。好き嫌い以前に耳に入ってきていたから、要はじっくり聞いていなかった。
テレビっ子の私が改めて安室ちゃんの歌に出会ったのは、『Contrail』。ドラマの主題歌だった。
昔のことを思い出したり、当時の自分を重ねたり、心の中の錆びついたところに引っかかった。
と言うわけで、iPodには最後の三枚組のアルバムがしっかりと入っている。
一枚目は懐かしく、二枚目はR&B要素が強くなってきてカッコよくて好き。でもやっぱり、じっくり聞ける三枚目。聴くなら三枚目を聴くことが多かった。
時々するのだが、先日はシャッフルで聴くことにした。
イントロを聴いてもピンとくる歌ではなかったし、よく聞いても正直知らない歌だった。信号待ちで夕日を眺めながら聞いていると、湧き上がるものがあった。『Get myself back』。
「世界はこんなにもきれいなのに…。」
悲しいのか悔しいのか、情けないのか、嬉しいのか…。忘れていたくらい深いところの想いにまで届いた気がした。
いつかジーンと二人で行った小笠原の海の記憶が蘇り、つられていろんなことを漠然とだけど思い出した。
煮ても焼いても食えない奴だったジーン。
あの時、自分がジーンを引きずってでも連れて行くんだ!と思っていたけど、本当は私が行きたかったんじゃないか…?ふとそう思い返して見たり。
人生仕切り直し中の今の自分を愛おしく思えたり。
なんかいろいろしんどかったな。でも、その時々は意外としんどさはないんだよな。後から思い出す方がしんどい。色々…色々よく頑張ったわ。
年をとると本当に涙もろくなるのね。人前では泣かないけれど。
『Get myself back』。
自分を取り戻せって意味でしょう?それは今の私のテーマ。
父が倒れてからずっと、それまでしていたこと、しようとしていたことをぷっつりと辞めていた。器用な人ならうまく生きれたと思う。私は不器用な人間だ。いつしか好きが分からなくなって、10年以上たつと好きがないのが普通になってた。何でもいいと思ってた。そんなわけないのに。
でも、父が亡くなって気持ちが浮遊した。魔法が解かれたみたいに、我に戻った。私の好きはどこへ消えた?知らず知らずに好きや欲を封印してた。そんな風に封印して、パーキンソン病なんてものにかかったのは他でもない、母だと思っていたけれど、私も少なからずそんな類のことをしてしまっていたようだった。人の事を心配している場合ではなかった…。
そのことに気づいて、あっちへこっちへぐるぐるぐるぐる彷徨って、最近やっと、ぼんやりと好きが見えてきた。のそい私は1年かかった。つくづく不器用。
この1年は特に、不本意だけど、横でチョロけるジーンに笑かしてもらってたんだなぁ。数年前まで、『チョロけるジーン』なんて考えられなかった。そう簡単に人は変わらない…とは言うけれど、人は変わるんだなぁ。確かに簡単ではないけど、変わる。ジーンはあの綺麗な世界を見て変わったんだぁ。
私はこれから。これからもっと取り戻すんだぁ。
根拠はないけど、楽しくなる気がするんだぁ。
12月はジーンの誕生日。
人生は、なかなか思い通りにならないけれど、
想像できることなんてたかが知れてるさ。
ふたりのこれからは想像を超えるかもよ…。
ふっ。知らんけど…。
普通の毎日をありがたく楽しくいきましょ。
※知ってる人も知らない人も、聞いてみて(^^♪。
曲を載せるのしてみたかっただけなんだけど…(笑)。
こんな企画があったように思うけど、今更…。
※昨年は母の心をとかしてくれたMr.childrenの曲を紹介しました。
こちらも曲を載せて投稿し直しましたよ。いい歌なんです。
年の瀬にぜひ聞いてみてください。
今年も1年沢山読んでくださってありがとうございました。
飽き性の私が意外と続いております。
いつも皆さんの記事に、とがった心をまあるくして頂いています。
ありがとうございます。
また、来年もよろしくお願いします。
素敵な年越しをお過ごしください。
ちょっと早いけど、noteじまい。
皆さんのnoteはこっそり拝見します(*^^*)。
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