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"SOUMO"という面白いブランドを知ってもらいたい。【服ブログ#6】

岡山発祥の国内ブランド「SOUMO」。
デザイナーへのインタビューを中心に、ブランドの魅力ここでしか知れない情報を皆様にシェアいたします。

本当にブランドのコンセプトやスタイルがおもしろいので、ぜひ、皆様に知って頂きたいブランドの一つです。

ブランド 「SOUMO」との出会い

SOUMOというブランド、聞いたことがありますか?
もしかすると、かなりの服好きでないと聞いたことがないブランドかも知れません。

わたしがブランドを知ったキッカケ

私がSOUMOを知ったのは約2年前。実際に手に取って見てみたいとは思いつつも、取り扱うお店が少ないため、なかなか見る機会がありませんでした。

そんな中、良くお伺いする Graphpaper sendai から、「コラボアイテムの発売と並行して、過去アイテムの即売会を行います」とご連絡を頂きまして。折角の機会だからと、先日行ってきました。

Graphpaper SENDAI

SOUMO for Graphpaper EXHIBITION

SOUMOはもともとGraphpaperとの縁があったそうで、過去にも何度かコラボレーションをしています。


ただ、少なくとも今まではコラボアイテムのみの販売だったそうで、
「インラインのアイテムを販売するのは、初めての試み。」とおっしゃっていました。
(インラインの即売会は、Graphpaper 仙台店限定)

SOUMO for Graphpaper   Hooded Jacket
¥101,200

また、二日間限定で SOUMO デザイナーの山本雄太 氏も在店され、インラインのアイテムは、山本氏が持っているアイテムを「アーカイブ」として持ち込んで販売するという形式の即売イベントでした。

SOUMO for Graphpaper
EXHIBITION


SOUMO〈ソウモ〉 の発祥 と デザイナー経歴

ソウモの生まれ

SOUMO〈ソウモ〉 は、2015年よりスタートしたブランドです。
岡山県発祥の国内ブランドで、デザイナーは山本雄太 氏。岡山県にアトリエを構えています。

ブランドコンセプト

ブランドコンセプトは、言葉にすれば表現しずらい哲学的なものだそうで、
公式ホームページには、下記のように記載されています。

自由を勘違いして「ものがたりとこだわり」で溢れすぎたこの国
​その(自由)から解放されたところにクリエイティブは存在する。
IMAGE | soumo

もう少し分かりやすく表現するならば、
2020年に Graphpaper AOYAMA で開催されたエキシビジョンのタイトルが分かりやすいかも知れません。

【(自由)→ 自由 】

解釈すれば、

諸説あるものの、はじめは英語の "Liberty" や "Freedom" と言う言葉を "自由"と翻訳したと言われています。だからか、私たちにとっての自由はアメリカから輸入してきたようなもので、これは物凄く"凝り固まった意味の自由"(本来の意味とは異なる勘違いされた自由)に感じる。
自由の国から来た自由の概念、これは本当の自由なのか。

と言ったところ。


簡潔にまとめるならば、
()のついた自由は、勘違いされた自由。
()の外れた自由は、本当の自由。
その本当の自由を目指すのがSOUMO。


と言えば、端的ですが分かりやすいかもしれません。
ちなみに、()は、凝り固まりを表現しています。

なかなか分かりずらく、言葉での説明が難しいものの、
ここは是非とも皆さんに知っていただきたい。
そのため、ちょっと手こずりながらも二通りの表現で解説させていただきました。

(私はこの話題に、もの凄く興味が注がれました。
実際にお話を聞いていても混乱してくるような内容でしたが、とっても面白かったです。
山本氏自身も哲学的な話題が好きだそうで、私も哲学が好きだからか、凄く面白味を感じるところ、共感できるところがありました。)

哲学的な難しい話題を提示するコンセプトにするあたりも、ソウモが人を惹きつける魅力なのかもしれませんね。

デザイナー 経歴

デザイナーの山本氏は高校卒業後、海外へ渡ったそう。
海外で古着のバイヤーを経験した後、日本へ帰国。そのタイミングで服作りを始めたといいます。

服作りに関しては、服飾の専門学校に行っていないので、特に縫製に関する知識は深くないということ。ですが、コンセプトに沿ってひたすらに手を動かして縫っているというお話を聞きました。

「SOUMO」のモノづくり

シーズンの概念はつくらない

ソウモ と他のブランドの大きな違いとしては、
洋服をリリースをするタイミング。

一般的なブランドは、年に二つのシーズン(春夏(ss)と秋冬(aw))を設けますが、“基本的に”ソウモはシーズンの概念がありません。

その主な理由は、
「納得がいくまで試行錯誤を続けて、納得したものを欲しい人に届けたいから」


そもそも、多くのブランドがシーズンを設けている主な理由は、
ブランドがほぼ一斉コレクションを発表し、展示会を開くことで買ってもらう機会をつくること。
つまりは、ビジネスを成り立たせる。

また、展示会を開くということは、展示会までに洋服を完成させ、展示会の準備も完成させなければならない。ということ。
最近、個人的に感じたことですが、一部のデザイナーのSNSアカウントでは、シーズンの発表や展示会に間に合わせるために、(洋服を作る・準備する)時間に追われている様子も見受けられます。

服をつくりたきときに作って、つくれないときには作らない。
時間に追われてしまえば、なかなか納得のいく物をつくるのは難しい。

"納得のいったものを作る"
これを実現するために、"シーズンの概念を作らない" というのが、ソウモのスタンスだと言います。

そこで一つ疑問が生まれてくるのですが、
どうやって、シーズンの概念がないのに取り扱ってもらうのか。ということ。
「シーズンが存在しないので展示会はいつもしていなく、服ができれば取引先にアイテムを突然送って、オーダーしてもらう。」
というのが、ソウモのやり方だそう。

一般的なブランドのスタンスには参加せず、独自のスタンスを貫くものの、取り扱い店は増える一方で、またコラボ企画も実現しています。

はじめに、みなさんはこのブランドを知っていますか?と問いましたが、このブランドは私的に知らない人も多いのではないかと思います。
私自身も知ったのは、ブランドがスタートして5年後のことで、それもたまたまインスタのオススメに流れてきたことがキッカケ。

なかなかメディアを検索しても、ブランドのスタンスなどは出てこなく、また想像もつかないような内容のブランドです。
ブランドを知る人、アイテムを持つ人は少ないものの、即完するアイテムも多いのがこのブランド。
このようなことから、いかにソウモが熱い支持を受けているのか、根強いファンがいるのかと言うことが物凄く感じられます。

区切りという意味でのセクション

ただ、はじめに太字で記したように、シーズンを設けないのは「基本的に」と言うお話だそう。
つまり、ブランドをはじめた頃はシーズンが存在しなかったが、現在は厳密に言えばシーズンが存在するということ。
"厳密に"なのでシーズンが存在すると言っても、そこまでシーズンを大々的に設けているわけではありません。そのため、"基本的に"というワードで表現をさせて頂きました。簡単に言えば、「洋服を製作するための期日を設ける」というような、一つの区切りのようなものだそうです。

また、「いくら試行錯誤をして、納得のいくものを作る」と言っても、正解や終わりがないのが、デザイン。
その時は納得しても、後々また新しいアイデアは浮かんできます。
そうなれば、「キリがなくなってしまう」、「販売しても、いつの物なのか分からなくなってしまう」
と言った問題が出てきます。だから、区切りは必要。

ということで、シーズン概念の代わりとして、01 などと言ったセクションを使って表記上での区切りをつけていると言います。

もともと 10/10 のタイミングでアイテム製作を終了する予定もあったのだとか。ただ、訳があって 10/10 は通り越し、現在の 14/14 まで続いているそう。

理由はシークレットなものの、いつか製作に行き詰まったタイミングで、「今までの伏線を回収していく」と山本氏はおっしゃっていました。
最終的にブランドがどうなるのかは分かりませんが、その伏線は伏線で気になりますね。この謎がある感じもソウモらしい、ブランドの魅力なのかもしれません。

ソウモのプロダクトを紹介

ここからは、個人的に魅力されたアイテムを少しご紹介します。

Padding Waist Coat

このアイテムは、凄く面白いと個人的に感じました。
これこそ、自由を表現するようなアイテム。

一度構築したものを解体する最中を可視化したもので、そこにクラフト要素を加味したプロダクトだそうです。
設計途中の模索をディテールとして仕上げた製品で、一般的なダウンベストとは全く異なります。
一つ一つのディテールを見ていくと分かりやすいのですが、まず大きく違うのは、ダブル仕様という点。そして、ベルトが付いているという点です。
また、左右のバランスはアンバランスで、ポケットの付き方も若干違うように感じます。

最終的にリリースしたのは、この丈だったものの
製作途中では、引きずるくらいの超ロング丈にしてみたこともあったのだとか。プロダクトのバッグボーンも面白いものですね。

ダークブラウンという名称なものの、バーガンディのような独特な色味であるのも特徴のひとつ。
また、デザインだけでなく生地にも拘っているそうで、生地はスイスの老舗メーカー「STOTZ」のファブリックだそう。超極細コットン糸を使用し、整理加工もされた美しい生地。高密度による撥水、防水機能も備えています。

実際に着てみても、凄く暖かいアイテムでした。
はじめは、見るプロダクトとして興味を注がれましたが、着てみても素晴らしいプロダクトだと気付きました。

「着方もご自由に。」というスタイルで
Tシャツに羽織っても、コートの中に着ても良いよ。という感じ。

これは、買えなかったものの
どっかで機会があったら欲しいなと思ったプロダクトです。


BIG TUCK CHINO

これは、私が即決で買ったアイテム。
めっちゃ良いです。

様々なブランドのチノパンを今まで履いて探してきたのですが、なかなかここまでシックリくるアイテムはなかった。素材もシルエットも完全な私好みです。

このチノパンの素材は、カジュアルすぎない。
英軍のウエポンという光沢感のある上品な生地で、またこの太い独特なシルエットも美しいです。

一見、超ワイドなチノパンだろうと思うアイテムですが、そのイメージとは異なり、腰回りもスッキリしててワイドでありつつも割とコンパクトなシルエットです。
(腰の特徴的なタックも魅力的。)
また、ワイドなのに、スタイルも良く見えます。

パンツの裾は、大幅に折り返せるようにもなっていて
丈感は好きな方に自由に着て欲しい。そんな意味なのかなと思います。

終わりに。

ここまで約4500文字。皆さんに知っていただきたいことを書いてきました。

私自身もなかなかデザイナー 本人とお話しできる機会はありませんでしたので、大変貴重な体験をさせて頂けたなと思っております。

ぜひ、この記事をきっかけに多くの方が、
この素敵なブランド "SOUMO" を知っていただけたらなと思います。


それでは、また次の記事でお会いしましょう。

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画像は、Graphpaper Tokyo 及び、Anything goes 、SOUMO公式ページより引用させて頂きました。
▶︎ Graphpaper Tokyo
▶︎ Anything goes(Graphpaper SENDAI)
▶︎ SOUMO

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                 岡山県岡山市北区野田3丁目1-29  2F
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URL          : https://www.soumo.co/

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URL          : anythinggoes.jp



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