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ビジネスマンが押さえておくべきインドに関する誤解 -人口構成とお金-

2016年から2018年までインドの現地採用として働き、帰国してからもインドに関する発信を続けていく中で、この4年間、初めてインドに触れる人から聞かれる質問は、正直変わらない。

「女性1人で行って大丈夫な国なんですか?」

「お腹は壊さないんですか?」

「インドは暑いですか?」

など、いくつか典型的な質問がテンプレで存在している。

その中で今日は、特に初めてインド関連の仕事に関わり始めるビジネスマンに向けて、最低限押さえておいてほしいインドに関するビジネス知識をまとめてみたいと思う。

インドは13億人の市場であるが13億人が貴方の商品を買うわけではない。

これは最も基本的なことかもしれない。よく「インドの人口はあと数年で中国を抜き、世界一になり、そのマーケットサイズは世界最大です!」がインドへの投資を誘致する際の決り文句なのだけど、貴方の会社がもし何かの商品をインドで販売するとなった場合、13億人がまるまる貴方の顧客になると思ったらそれは大きな間違いだと言いたい。

インドの富の分布を示したグラフを見てみたい。ここで資産別に分けた人口構成を見てみると、その大半(92%)は資産10,000ドル未満の人達が構成している。つまり9割のインド人は資産が100万円ないということだ。

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ちなみに、インドの富の中央値は成人1人あたり1,295ドルに過ぎないため、つまり10,000ドルという上限は基準としては非常に高くなっている。

インドの経済構造は、GDP産業分野別比率(2016年)で、サービス業等62%、製造業等23%、農業等15%となっているが、労働人口産業別比率では、農業等が47%、サービス業等31%、製造業等22%となっている。約半分の人は農業に従事しているが、その経済インパクトというのはあまり大きくない=お金になりにくいということだ。

2.5億人いるといわれる中間層の消費拡大が進む一方で、1日約1ドルで暮らす貧困ライン人口は4億人弱にのぼり、貧困が未だ大きな問題となっている。

日系企業がなにか商品を持って進出する際、それを販売したいと考えるインド人の収入はどれくらいで、果たしてその商品にいくら支払う余力があるかはきちんと調べておいたほうがいいかもしれない。日本以上に貧富の差は大きく、人々の職業構成は大きく違う。

インドに滞在する日系企業の多くが、ティア1と言われる人口400万人を超える都市部にオフィスを構えているため、そういった中間層以上の生活は想像できても、インドの人口の大半を占めているティア2以下の街の様子はよくわからないかもしれない。

しかし、市場が大きいことは間違いない。たとえば10%の市場を取れただけでも、そのサイズは1億3000万人だから、軽く日本の人口を超えている。ちょっとこれだけ想像しただけでも、その市場の大きさは計り知れないと思う。

今日は簡単ではあるが「13億人の市場」の内訳をまとめてみた。

今日のポイント:インドの13億人の人口構成は差が大きく、大半のインド人が資産10,000ドル未満。貧富の差は大きい。

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