今更の東京パラリンピック開会式感想備忘録

いや〜学んだわ〜。企画・構成・演出がこんなにも大事だということ。オリンピックでは、この部分が、異常な忖度、偉いさん達からのチャチャ、コアメンバーの炎上で、ズタボロになり、最終的には、各一個人のプロの演者の技量のみに頼るという惨状に見えた。幸か不幸か、パラは、多分事前に注目されていない分、練りに練った、準備万端の大きく軌道修正していない演目を見ることができたような気がする。私はオリパラの開会式は国の文化度が計れるイベントと常常考えているので、このパラの開会式は、日本の文化レベルはだいたいこんなもんですけど何か、とやっと普通の実力を見せれたような気がして安堵。もう沢山の外国の方に見てもらってないかもしれないが。特に感動したところを列記。
・初っ端のはるな愛の爆発力
・君が代斉唱の透き通りすぎる天使の歌声。貫禄のMisiaとはまた別次元の素晴らしさ
・辻井さんのピアノから、美雨さんの歌声、その演奏と楽曲。音楽が終始とても優しい。で、途中ロックバンドでガンガンにノリノリに聞かせるその強弱が見事
・プロジェクションマッピングと小道具を巧みに使い、それに演技やダンスを呼応させ、大型道具を使わなくても、十分にダイナミックさやスケール感を演出。でもデコトラで迫力感マシマシ
・美術&衣装のセンス最高。無駄を一切排除したシンプルで洗練された全体の世界観に、天井桟敷&シルクドソレイユのようなミックスとミラクルの派手派手でワクワクな世界観を入れて刺激
・主人公の女の子の表情異常に豊か。特に、子供特有の不審な上目遣い、半分怒ったような表情は、まるでよく見る絵本の中の生の子供の仕草のようで超魅力的
・プロとアマがいても不自然でなく、演者一人一人を最大限活かし活かされた演出
・デコトラの運転手の恐ろしくオーラに満ちた存在感
・デコトラ、伊藤若冲の絵、ダンサーが持つ和傘、ダンサーの衣装&メイクに日本文化のエッセンスが、新しさの中に散りばめられる。歌舞伎や相撲をまんま出すのと違う正しい伝統文化の使い方
・超シンプルなストーリー&メッセージを、巧みな構成、演出で深く説得力のあるものにする技量
・点灯も複数名ですることの象徴性
・会場にいる選手、テレビを見ている視聴者、いたであろう観客の目線を全て考慮、計算された演出
・開会式3時間のうち、行進2時間、ストーリー&挨拶1時間というテンポの良いベストな時間配分
途中、雨が降り出してきたので、選手の体調と楽器は大丈夫かとハラハラしたが、ギリギリセーフな感じで安堵。
オリンピック開会式閉会式が相当残念だった分、パラリンピック開会式が相当よく見え、少し救われた気分でした。

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