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呼称には思想が宿る。ユーザでもお客様でもなく「フェロー」と呼ぶことにした理由

対面する相手をどう呼ぶか。たとえば取引先を、お客様と呼ぶか、クライアント様と呼ぶか、パートナー様と呼ぶか。その呼び方には、会社として、事業として、サービスとして、相対する人との関係性をどう考えているか?という思想が宿ると常日頃思っている。

Webサービスを運営していると、ユーザー、それがECサービスならお客さまが一般的な呼称だろう。私はサービスを作るときはディレクターであり、サイトの文章を書く役割を担うことが多い。利用規約をつくるたびに、ABOUT(そのサイトの説明ページ)をつくるたびに、メールマガジンを書くたびに、使ってくださる皆さんを何と呼ぶのがよいか?をここ10年以上にわたり、幾度となく悩んできた。そして、ページを改変するたびに、リニューアルするたびに、最初に悩むのも、最後公開直前まで悩むのも、実はいつも決まってここだったようにすら思う(何度も変えるのが申し訳なくて、最終的にはコードの中の文言を自分で書き直すから、と言うのが常w)。

それほどに「呼称」というのは大切だと思っている。それは相対する方との関係性はもちろん、社内でに思想の共有という点においても。

エゴだとしても、ずっと願っていること

これは運営者のエゴかもしれないと思いつつも、10年以上、さまざまなサービスやコミュニティ運営に関わってきて、私がいつも望んでいると気づいた、集ってくれた皆さんとの関係がある。

基本的に、私がそのサービスの立ち上げ期、黎明期に関わっているというのがこの背景としては大きいのだけど、そのサービスを使ってくれている人は、どこの誰かも何かもわからない人がつくった、そしていいか悪いかの評判も世の中にない、そんなサービスに、自身の判断で飛び込んで集ってくれた人たちなのだ。感謝しかない。

だから、そういう皆さんにはサービスに物を申したり、アイデアを寄せる権利があるとも思っている。私たちは新しい価値観や体験を共有したりつくりたくてプロダクトやサービスを立ち上げるわけだから、最初に使ってくださったみなさんは、その価値観を共に広げ、時に立ち返ってつくりなおし、広げたい/つくりたい想いを共有できる仲間のように感じてしまうのだ。エゴかもしれないと思いつつも、共創仲間であり、同志でありたいと願う自分がいる。

今回、いわゆるサブスクリプションをやって思ったこと

いまやっているサービスは、BambooRollという竹でつくったトイレットペーの定期便だ。サブスクリプションモデルで、好きな頻度で玄関に届けている。つまり、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月と、長い関係性が続いていく。

2020年末に創業したばかりの私たちに「定期便」という形で伴走を決めてくれた皆さまには、感謝とともに畏敬(恐れ敬う)みたいな気持ちすら生まれてきて、回を重ねるごとに、わー!わー!ともう本当に言葉にならないような思いになる。

いい意味で、1回のお付き合いより、サブスクリプションの思いはとても重たい。お客さまに寄り添い一緒に成功を目指す(CS本業の皆さん、すみません、意訳しました)「カスタマーサクセス」というワードが台頭したのも、サブスクリプションモデルが流行ったからだろうけど、伴走しているのは私たちではなく、私たちが伴走してもらって応援をもらい続けているのだと感じた。本当にありがたい話だ。そして初期は離れていくお客様からもたくさんの学びをいただいていて、それもありがたい。

で、何かしら、お返しをせねばと。義務を果たさねばという気持ちになったのだった。

そんな気持ちからBambooRollの定期便のお客様を「フェロー」と呼ばせてもらうことにしたのだった。

お客様でもユーザーでもなく「フェロー」

フェローにはいろいろな意味がある。

wikipediaでいちばんに出てくるのは

フェロー(英語: fellow)とは、大学教員、研究所の研究員など研究職に従事する者にあたえられる職名または称号である。企業、大学、研究所、シンクタンクなどにみられる。学会がその分野に著しい貢献があった者に授与する称号でもある。特に、学会等が授与・贈呈するフェローの称号をフェロー称号と通称することがある。

一方で「仲間」という意味がある。同じ仕事や興味、志を同じくする人のことをFellowと呼ぶそうだ。その意味で、この「フェロー」という言葉を使った。

より持続可能なエシカルな暮らしをしたい。できることから始めたい。という同じ志を持っている人たちという意味で。

そして、バンブーロールは、持続可能な暮らしに変わる第一歩で、きっかけの商品だ。次の一歩は?と考えたときにあるのは、他の何かを変えるか、続けてもらうことだ。前者は何もできないけど、後者ならできる。そう思って、フェローを対象にした制度も公開した。

続けるとちょっとお得に。ちょっと繋がる「BambooRollフェロー」

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仕組みはとてつもなくシンプルです。長く続けてくださる人に、ちょっと割引の特典を用意したり、関わったり、フェロー同士が繋がれるような場を用意したり。ただ、この仕組みも「こういうのがあったら続けたくなる!」という意見ももらったり一緒につくってもらいたいと思っている(まだまだできることは数少ないけど、増やしていきたいから)。

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https://bambooroll.jp/blogs/news/bambooroll-fellow

この呼称がベストかはわからない。でも、今いちばんしっくりきているのは事実だ。

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