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SMOUTをはじめた理由。そして、地方創生について思うこと。


6月4日にカヤックLivingからリリースしたSMOUTですが、いろいろなメディアにとりあげていただいて、移住したい人にもたくさん登録をしていただいています。

なぜSMOUTをやることになったか、という話をしたいと思います。そして、同日にカヤックから「地方創生に参入」というリリースも出ているので、その地方創生ということについても考えたことをまとめます。

※以下はカヤックのコーポレートサイトに寄稿したものの原文です。

まず前段として。

数年前からよく耳にする『地方創生』という言葉がありますが、私はこの言葉が好きではありません。

それは、私が富山という北陸のいわゆる「地方」出身であることも関係しているかもしれませんが、とても違和感を感じていました。

ここで言う「地方」という言葉は都会あってのものだし、「創生」って言われても、そもそもあるし、みんなそこで生活しているし。私の好きな漫画「ちはやふる」の中でこういう言葉が出てきます。(長崎出身、大学で東京に来た経歴の名人が、東京出身、中学受験をしたタイプのイケメン・準主役の弟子に言うセリフ)『君は東京生まれ 東京育ちで 地方に故郷とかないやつだろう だからいやなんだ都会の人間の発想とか 価値観とか 持てるものの無邪気な「邪悪さ」が君にもちゃんとあることを自覚するといい』「地方創生」という言葉、ここ近年のムーブメントはこれを体現しているように思うのです(地方出身者のひがみでしょうか笑)。

いっぽうで、長らく「広報」を担当してきまして(カヤックでも10年ほど)、その広報PRという側面で見たときに、「地域」「行政」のPRに興味を持っていました。そもそも地域は、場所という手に入れたくても簡単には手に入らないPR上ユニークなファクトをうまれながらにして持っています。そして、企業でいうところの社員は市民、それがビジョンや事業に引き寄せられたわけではない、ただそこに生まれた人という繋がりのみの集団。これはとても社内広報が難しいでしょうから、やりがいがありそうです。

あげれば他にも理由はありますが、なんだか地域の広報に惹かれていました。企業広報でやっていることを地域の広報でやったら?何かがおきそうです。自分たちの強みをよく吟味して、それをしっかりと発信しながら、リレーションをつくって中長期的にコミュニケーションをしていく。積み上げと継続が、ブランドをつくる。そんなPRが地域でも盛んになったらいいなと思っていました。

さて本題です。カヤックLivingがつくったWebサービス「SMOUT」を紹介します。

地域から発信する。地域資本が見える。

SMOUTは地域に行きたい人、地域に関わりを持ちたい人が、自分のスキルや得意なこと、気になる地域を登録しておくと、来て欲しい、手伝って欲しいと地域から声がかかるWebサービスです。話題だったり、移住をはじめとして街を盛り上げることに力を入れている地域が、現在は30ほど参加しています。
地域と人との出会い系サービスと理解していただいて構いません。

より素敵な出会いを手に入れるための、「SMOUT」の特徴は次のとおり。

1)ユーザーは自分の興味やプロフィールを登録しておきます。

2)地域は自分たちの強みを「プロジェクト」(活動だったりイベントだったり、求人だったりします)として言語化し、発信します。
→他の地域と横に並ぶプラットフォームですから、自分たちの強みを見極めて、ここだ!というポイントを発信する必要があります。地域ごとの魅力(カヤックでは地域資本と呼んでいます 参照:鎌倉資本主義リンク)が浮かび上がってくるといいなと。
地域の注目プロジェクト https://smout.jp/plans

3)地域からコミュニケーションを仕掛け、スカウトします。
→いま、移住や地域のメディアやWebサービスは、移住したい人、地域に行きたい人が選ぶものが多いように思います。これからは、地域も自分たちの地域のために、選んで欲しいと考えました。

こんなサービスです。

もうひとつのSMOUTの挑戦は、関係人口の数値化と可視化。

話題になりつつある「関係人口」という言葉、ご存知ですか?総務省から関係人口の創出のために平成30年度には、2.5億円が予算化されることが発表されています。関係人口とは、ざっくり言うと、定住でも観光でもなく、その間にある、興味関心を寄せ、観光ではなく年に数回訪れたり、その地域に投資をしたりする人のこと。関わり方は人それぞれです。
移住というのは、やはりハードルが高いものですから、地域に対しての関わり方はもう少し多様であってもいいと思います。インターネットはとても関心を寄せやすく、ダイレクトに人と繋がりやすいので関係構築も容易な場所。そこで、SMOUTは「関係人口」もひとつテーマにしています。SMOUTネット関係人口というものを定義し、地域毎にスコアを算出しています。

これは、まだまだ現時点でのスコア。今後サービスを運用しながら、より納得感のある数値に寄せていきたいと思っています。

なぜいま「地方創生」なのか。

SMOUTリリースと同時に、決めたことがあります。カヤックとカヤックLivingでシティプロモーションのお手伝いもしていこうと。というのも、カヤックはこれまでたくさんの、ありとあらゆる企業のプロモーション、ブランディングのお手伝いをしてきています。PRは私たちのテリトリーです。SMOUTだけではカバーしきれない部分も、相乗効果も発揮できるだろうし、お手伝いできるのではないかと考えています。

カヤックが公言する得意なことは「バズ」ですが、地域においてはバズることは、きっかけにすぎず、もう一歩踏み込んだ仕掛けが必要です。私自身、10年カヤックに在籍したあと、一度独立して外に出ました。第三者から見たときに、カヤックがもうひとつ力を入れてきたことがあるなと。

それはCX、カスタマーやパブリックとリレーションを構築して世界観に巻き込んで、素敵な体験をしてもらうこと。これまで多くのあらゆるジャンルの人と人とのマッチング事業を展開してきました。そしてゲームでは世界観やキャラになりきったカスタマーサポート、株主に対する取り組み、社員家族への家族報など、取り巻く人たちを巻き込む仕掛けに常にチャレンジしてきました。

地域を盛り上げるためには、行政、地域、住民が三位一体となりながら、多くのものを巻き込みつつ、動いていく事が必要だと思うのです。たとえば、鎌倉でカヤックと花王さん、鎌倉市が住民と共に取り組んだプロジェクト「リサイクリエーション」。鎌倉の市民からリサイクル容器を回収し、その廃材利用で、江の電のミニチュアをつくりあげる、というものでしたが、たくさんの市民が参加し、完成した江の電が注目を集め、またリサイクルの気持ちが高まるというスパイラルが発生していくプロジェクトとなりました。

もちろん、話題になる面白いことを考えてと言われれば、喜んで。
プラスα、地域資本主義でも「地域の資本を行政、企業、住民で一緒に伸ばしていく」ことを推奨していますが、「行政、企業、住民を巻き込んでいくそんなきっかけをつくりたい」、そんなときにも教えてください。もしそうした取り組みに参加できるなら、地方創生やります!地域のお手伝いします!というのもありかな?と思っています。

まだまだスタートしたばかり、
SMOUTをどうぞ、よろしくお願いいたします。

私はここにいます。スカウト待っています(笑)。

https://smout.jp/scoutees/94

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