見出し画像

2022/12/28 第九のチェロ

水曜日 くもり時々雨

変な形のシュトレンは、でも、案外おいしかった。
ドライ温州みかんがいい仕事をした。
ちょっとナッツとラム酒が足りなかった、来年はもう少し増やそう。

夜、東京交響楽団の第九演奏会がニコ生であり、なんとカメラ40台のどれを観るか選べるという。
これはぜひ観なければ!
ベートーヴェンの第九は、学生の頃の思い出とも重なる、大切な曲だ。
以前、どこかの誰かに、バカにするような発言をされ、とても悲しかった記憶があるが、今はこんな素晴らしい音楽をまともに聴こうとしないヤツは気の毒だと思うことにしている。

さて、東響だった。
最初は、40台と言ってもね、一度には一つしか見られないなら自動で切り替わるのがいいでしょうと思って観始めた。
そのうちやっぱりチェロパートが気になりチェロのトップ前のカメラに切り替えた。
そしたらびっくり、カメラだけでなくマイクもそこにあり、チェロの音を拾っていて、管やヴァイオリンなどは遠く聞こえる。
これはー、チェロのトップのかぶりつき席、リアル演奏会ではまず考えられない。
激しいパッセージでの弓のガシガシいう音や存在感のあるピチカートの粒々までしっかり聞こえる。
ふだんひとつのパートの音にフォーカスして聴くなんてまずできないけど、それで気付いた、全部歌えるでないか!
もちろん弾けはしないし、当時も難しくて弾けなかった部分もある。
それでも覚えているというのは、若さだなー。

そのトップの人…なんか見おぼえが、と思ったら笹沼樹さんだった。
わー、もう、何度めかのびっくり、そして、その弾きっぷり。
第4楽章の2重フーガ以降、走る走る速さにもノリノリで笑顔もこぼれ、オーバー気味なアクションはソリストかというほど。
ビジュアル的にも大いに楽しませてもらった。

我を忘れて最後まで観てから、ほかのカメラも観ればよかったな、と思う。
それにやっぱり、指揮者や奏者は全体を観て聴いて欲しいと思う。
うれしいことに年内アーカイブが残るらしいのでまた観よう。

おかげで薄暗い気分がどこかへ吹っ飛んでしまった。
ありがとう、東響のみなさん、それから、ベートーヴェン。