2022/05/25 映画『おろしや国酔夢譚』
晴れ。
昼頃、あまりに暑いので、今日はざるそばだ、と思って用意していたら夕方になり気温が下がってしまった。
まだ夏ではないな。
映画の『おろしや国酔夢譚』を見る。
映画化されていたのは知っていたけれど、見るのはあとにしようと思っていた。
少し前と思っていたけど、もう30年も前の映画だった。
2時間に収めようというのが無理というもの、これはきっと大幅にはしょられているな、と覚悟はしていたが、あまりにも省略されている。
これでは長い旅路の苦労も、厳しい自然との闘いも、登場人物の感情の機微も、ラックスマンとの絆も十分には表現されていない。
その上、ご都合主義なおまけも。
びっくりなのがキャストで、庄蔵が西田敏行とは!
演技力を買われてのものだろうけど、適材適所ということがあるでしょうよ。
光太夫の緒形拳はなかなかよかったけれど、そのほかもこれでは「光太夫とゆかいな仲間たち」になってしまっている。
エンターテイメントとしてはこれでいいのかもしれないけれど、ぜひぜひ、原作を読んでほしいなと思う次第。
口直しというのではないけれど、『北槎聞略』のデジタルアーカイブを見る。(トップ画像はそこから拝借しました)
光太夫の話を桂川甫周がまとめたものだというが、達筆な文字はとても読めないけど、付属している服装や装身具の絵を見るだけでもすごい。
貴重な経験を何とかして残したい、の一心だったんだろうな。
昨日読み終えた井上靖の小説版の最後あたりに、帰国後にもうけた子が学者になり、光太夫の好学の血が花咲いた、というようなことが書かれているが、本当にその通り、とこれを見て納得した。