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「できる」と「好き」は違う

先日、できるというだけで「好きの勘違い」しているという記事を書きました。

いろいろ反響があったのですが、混乱しないように書いておくと、本質が好きというわけではなかったからといって、それをすることに好きの気持ちが付随する以上、その「好き」を楽しめばいいと思います。

ただ、何の何処が好きなのかということを知ることは、役立つと思います。人間のこと、自分のことを、よりよく分かるということだから。

お料理が好きだと思っていた人が、実は、人に喜んでもらえることが好きであって、実は作るところはあまり楽しんでないことに気づいたとする。

それに気づいたら、「人に喜んでもらえること」が好きだから、他のことでも人に喜んでもらえることを見つけたら、喜びが増えるはず。お料理じゃない他の何か本質が「好き」なことを見つけて、そのことで人に喜んでもらえたら、もっと楽しいし、もっと好きになる。

子どもにも「お料理上手だからお料理好きでしょ」と決めつけて、「お料理好きだからシェフになれば?」と、実はとっても的外れな提案をすることもないのでしょう。

何にせよ、人間を、フィルターかけたり、先入観で見ずに、人間そのままをまっすぐに受け止めて理解することは大事だし、人間同士大切なことですよね。子育てにも、人間関係にも、自分を知る意味でも。


下手だけど好きなこと

「できる」ことは「好き」と勘違いしやすい。反対に、下手だけど好きなこと・・・ってありますか? 「できるから好き」という発想だと、「できないことは好きじゃない」となってしまう人もいるかもしれません。でも、下手だけど好きなことって、結構あると思うのです。

私の場合だと、「下手だけど好き」の代表格は楽器。最近は弾いていないけどチェロ。3年くらい弾きましたが、その後ブランク5年。はっきり言って下手です。でも、チェロという楽器も音も、チェロを弾くことも、好きで好きでたまらない。そしてピアノ。40年のブランクを経て2年くらい前にはじめたところ。確かに弾ける曲は少しずつ難易度が上がってきていますが、ほんと、上手に弾けない。なのに、ピアノの前に座って鍵盤に触れるだけで、たまらなく好きな片想いの憧れの人の前にいるような愛情でいっぱいになるのです。(下手なので、まだまだ片想いの心境。笑)

私は、こんな「下手だけど好きなこと」があることを、とても幸せだと思っています。これはまさしく、それをすることそのものが好きだから。ものすごく純粋な「好き」だから。

ピアノを弾いても、仕事になるわけでもなく、まだまだ人を喜ばせるほどの演奏もできない。夫は私の演奏を喜んでますが、息子たちは逃げていきます。間違えてばかりの演奏を毎日聴かせられている隣人には同情さえ覚えます。苦笑

言うなれば、なんの役にもたっていない。私の心が、「好き」な気持ちで幸せいっぱいになることだけ。でも、役に立たないからこそ、ストレスなく純粋に楽しめる。役に立たないことをするのって、人生に大事な要素だと思うのです。

もう一つ、できないけど好きなことがあります。それは・・・数学。笑

数学教師ですが、数学の成績はそんなによくなかったです。そこそこ。それこそ、「好きと勘違い」していた家庭科には絶対かなわない。

でも、中学の頃からずっと、証明問題の論理を考えることが楽しくて楽しくて。20代で失恋したときにも、高校数学の参考書を2冊最初から最後まで全部解きました。楽しくて没頭して2冊時終わった頃にはすっかり立ち直ってましたね。数学に救われた。笑 

数学好きでもテスト勉強嫌いだったのが問題。テスト勉強って、「好き」な気持ちも萎えさせる。これは大問題。

何はともあれ・・・、数学は、得意じゃないけど好きだったから仕事にしました。好きだったから、仕事にできた。そして、そんなに得意でもない数学を、他の「できる」技能で補って、天職をみつけた。

成績よくなくても、他人と比べて出来が悪くても、「好き」を貫いていけば、それなりに、できるようになっていく。「好き」の気持ちを大切にすれば、ちょっとやそっと難しくても頑張れる。

今は下手くそなピアノも、「好き」の気持ちで練習し続けていけば上手になっていくでしょう。「好きこそ物の上手なれ」だ。

だから、下手なことも大切にしてほしい。
お母さんたちには、子どもが「下手」でも応援してあげてほしい。
「下手」にも「好き」があるんだということ、曇らない目で見て欲しい。

それが何であれ、「好き」と思えることは、幸せ。大好きな我が子に、いい大学行って欲しいとか、お金持ちになって欲しいとか、成功して欲しいとか、出世して欲しいとか、いろいろ思いはあると思うけど、そんな願いの一番根っこのところにあるのは「幸せになって欲しい」。だから「好き」をたくさん見つけてほしい。


ああ、ピアノひこう。幸せだ。
お隣さん、悪いけど我慢してね。笑



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