作曲スランプとはなんなのか

僕はたぶん作曲は早いほうだ。作詞作曲の出来る歌手さんが居ればなお早い。でもスランプは定期的にやってくる。なのにしばらくするとまた書けるようになる。この間には一体なにがあるのだろうかという考察をしてみた。

まず作曲がスラスラ行く時の脳の中を可視化してみた

スランプ


こんな感じ。たくさんのメロデイやリズム、ざっくりとした雰囲気のイメージなどが溢れてる状態。

そしてスランプ状態の脳の中はと言うと、

スランプ2

こんな感じですね。メロもリズムもほとんどなくて、何か他の物に意識を取られている状態。

こんな状態の脳では曲を書こうにも書けない。こんな時は曲を作らない方が良い。10時間ほどやってもイントロもまともにできなかった時でさえあった。非効率的な時間の使い方になってしまう。

この2つの脳は何が違うのかという点を詳しく書いてみる。
作曲がスムーズに行く時は簡単に言うと貯金が溜まった状態。お金が溜まったので使おう!っていう感じ。
「貯金って何?」それは新しい刺激の事。
その月や週に自分が何か新しい事をすると新しい刺激として脳に蓄積されて行く。
「刺激って何?」それは今まで聞いたことのないメロディラインだったり、見たことのない景色、友人との楽しい時間だったり、新しく見た映画やドラマ、旅行先で出会った人との会話、ライブハウス、ナイトクラブで聴いた興味深い音楽、買ったばかりのかっこいい服なんかも。
これらが刺激として自分の中に蓄積されて行く。
そして作曲時にアウトプットされて行く。
そういう状態だ。

かたやスランプ状態の脳は、毎日同じ景色を見て同じような会話をして同じような服を着て同じような物を食べて同じような音楽を聴いてる時もしくは何も聴いてない時だ。

その月、週に何も蓄積されなかった脳は、ショッピング時に銀行にお金が入ってない状態と同じ。

だからこんな状態の時は作曲はしないで思い切って遊ぶのが一番効率が良いと僕は捉えている。
僕の場合は、旅行に行ったり、海を見に行ったり、他人を眺めたり、よくわからない映画を観て見たり、ナイトクラブに行ったり、他の人が好きな音楽を聴いたりして過ごす。できれば自分がチョイスしなそうなものをあえてやってみるというのが良い。生理的に受け付けずできないことも多いけどね。

それでもそこから刺激が生まれる。脳をピクっっとさせて回転させるのだ。
脳の中に回転式の情報回収機があるって想像してほしい。
情報量と回転率
この2つで、アウトプット期なのか、インプット期なのかが決まる。

インプット期にアウトさせようとするとすごく非効率的で時間を大量に奪われる。面白いことにその逆もしかり、アウトプット期にインプットさせすぎると過去の情報が腐って消えてしまうことがある。このことから、「刺激」は生肉みたいなもんで、腐って食べれなくなる事があるのだと、そう捉えるようにしている。

だからスランプ時は、作曲はしないで遊びに行く事を勧めている。

最後にもう1つここに書き記しておこうと思う、それは脳にその刺激がどのように定着するのか、と言う事。

刺激を得てすぐにアウトプットできる事もあるだろうけど僕の場合多くのケースはそうじゃない。例えば知らない音楽を聴いてすぐに曲を書いた場合ほぼパクリ音楽になる。
しかし聴いてから一週間以上たってから作り出すと、その新しい刺激が過去の全ての情報と混ざってオリジナリティが生まれるのだ。しかもどういうわけか回転率もよく、スラスラと作曲が進む。

一週間煮込んだデミグラスソースを出すお店の仕込みをしてる気分。

そんな気分。

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