ごほうびの映画

 好きな映画の話をします。

 好きな映画というと、選べないですよね。そうなんです、選べない。年間通して映画を何百本も観ますっていうほどではないので映画好きを語るには少し恥ずかしいのだけど、映画のことだけを綴っていきます。映画を観るたびに好きな男性のタイプが変わるとわたしはいつも主張します。それもほんのちょっとだけ踏まえて作品を記していこう。切り口が下世話だな。以下、敬称は全て略して書きます。

 最近で言えば「コンフィデンスマンJP 〜プリンセス編〜」を観た。これに出てくる長澤まさみがものすごく好きだ。男性の話をするって言った矢先に好きな女を紹介してごめんなさい。長澤まさみに匿われたい。長澤まさみに操られたい。長澤まさみに騙されたい。もうそんな下心ばかりで物語を見ていた。前作の〜ロマンス編〜から、長澤まさみ演じるダー子がまとう「絶対にものにできない女」だけど「離れることもできない女」像に憧れた。こうなりたい、と思うのよりも「この人にどうにかされたい」という気持ちが溢れて止まらない。ちなみにコンフィデンスマンの中で一番好きな男性は、小日向文世です。

 本題。今一番好きな俳優は?と聞かれて答えるのは無論、松田龍平だ。

 最近、長澤まさみ熱が上がったことで、現段階でいちばんのごほうび映画となったのは2人が主演を務める「散歩する侵略者」にほかならない。これは長澤まさみのプリティーなまともさと、松田龍平のポテンシャルであるサイコパス性の高い不可解さが見事に絡んだわたしにとっては垂涎必須の映画である。映画「寄生獣」が好きな人は、もしかしたら好きかもしれない。「概念」を奪う宇宙人という設定は、当たり前を破壊されることがどんなに怖いものか、肌感覚で新しい恐怖を教えてくれた。ホラー映画は苦手なんだけどこういう怖さは大好物。ってことをこれを見るまでわたしは知らなかった。最後の最後で松田龍平が正統的に可愛いからずるい。そういう意味も含めてほんとに長澤まさみになりてぇ。

 松田龍平が演じる役は総じてヤバいから、本当に彼が好きだ。松田龍平を追っていれば大体それは好きな映画なのだ。ありがとうの気持ち。一番まともな役を演じていると思われるのが「探偵はBarにいる」の高田役かな。これは大泉洋演じる探偵が高田を振り回すので、珍しく受け身の役柄でとても応援したくなってしまう。1も2も3も、高田が拳を握るシーンでは腕に力が入ってしまう。松田龍平、がんばって、あぁ、殴られてもあなたは、最高。

 さらに少し暴力性を増して自由奔放になった松田龍平を観れるのが「まほろ駅前多田便利軒」。これは、瑛太とW主演をやったもの。ドラマも良かった。松田龍平がいっつも瑛太を振り回して毎度瑛太も嫌気が差すんだけど、いざというときにあまりやって欲しくない方法で瑛太のことを助けちゃう。助けてくれたのは嬉しいけど、素直に「ありがとう」とは言いにくいから照れ笑いで終わる感じがたまらねえ。あと本当に行天(ぎょうてん;松田龍平演じる役)無茶しすぎ。気をつけてよね!!!さらに頭イカれてるヤバい役柄となると「羊の木」、これに青春の青さを加えるなら「青い春」。

 そうして真逆の役柄で刺さったのが「舟を編む」。これは萌えの一択。馬締君と書いてマジメと読む馬締くんが、真面目に、融通もきかず、仕事と恋を頑張るおはなし。宮崎あおいとオダギリジョーの献身ぷりにも涙が出てしまう。同じ路線で行くと「ジヌよさらば」。セクハラに手を染めてしまう松田龍平が見ものです。ちょいワルの二階堂ふみがかわいいです。脇役ながら作品にものすごく影を落とす「鴨とアヒルとコインロッカー」、「夜空は最高密度の青色だ」。ごちそうさまです。

 まだ見れてない作品もあるので見たいな。「NANA」とか。

 あぁ、阿部サダヲ、中井貴一、瑛太、大泉洋、堺雅人、小日向文世の作品も開放したい。。けどここは必要のない我慢をして、トム・ハーディをご紹介する。

 邦画は結構そうやって俳優の好みで見るのを選んでるんですけど、洋画はあまり人物を覚えられなくて、ダニエル・ラドクリフとかしか分からないので、あらすじとかオススメされたやつで見ることが多い。そんな中まずわたしの前頭葉から脳味噌突っ切った銃弾がトム・ハーディ。めちゃでくちゃのイケオジです。

 2年前くらいかな?主演を飾った「ヴェノム」良かったですね。あの時ほどトムが話す英語のニュアンスが知りたかったことはない。高級レストランで生きたエビを食すシーン。イカれてた。正気を戻すと少し弱気なおじさんになるというその演技のギャップ、この人のこと本当に好き、と確信した。

 トム・ハーディを知ったのは渡辺謙も出演したハリウッド映画「インセプション」。主演はレオナルド・ディカプリオ。SFでアクションで、話の進み方がパズルみたいな複雑さがあったからなかなかハイカロリーな映画だった。友達と見てたんだけど、話についていくことに疲れた友達がわたしを置いて帰ってしまったので、初めての1人映画となった思い出の映画です。その中で詐欺師を演じるトム・ハーディが、「やる気ないのに知らんところで実力認められて勝手に参加させられて頑張って動いたけどなんか一番怪我する」みたいな圧倒的振り回され役なんですよ。置いてかれた自分と勝手に重ね合わせて仲間意識みたいなのも感じてました。活躍の仕方もクールで良かった。うん、良かった。正直いうとド直球に顔がタイプ。

 あかん、夜が明けてしまう。映画に関わる人たち、人生を彩ってくれてありがとう。一番好きな映画は今後もきっと決められない。前略プロフィールには「チャーリーとチョコレート工場」と書いてました。ウィリー・ウォンカ、夢で会おうね。

 さよおなり。

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