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定期購読マガジンのレポート(1)

僕が15のころ、初めてワシントン州(だと思い込んでる場所)の自宅ガレージ(だと思い込んでる場所)でレモネードスタンド(だと思い込んでる小遣い稼ぎ)をやったとき、僕が工夫したのはレモネードのレシピや値段ではなかったんだ。ガレージ先に出した机に、
 ”レモネード 20セント
収益はBASICというプログラミング言語の教科書購入に使います”
と書いた紙を立てておいた。夏が終わる前に本が買えて、それからレモネードは僕にとって特別な飲み物になった。多くのアメリカ人と同じようにね。

買い手の買いクリエイティブな選択や資金フローになるように売るべきで、具体的な情報提示が交換を健康なものにできるという信念があった。提示を行うだけで買い手は、レモネード・僕・出版社・BASICに対して同時に支出できるようになるんだ。

その次の夏にはBASICの教科書と同じ出版社から出ている雑誌の付録CDロムに、自分のプログラムが収録された。けっきょく真の意味で成功したのは出版社でも僕でもなく、レモネードの買い手だ。一番小さい支払いで一番大きく世の中を動かしたり喜びを生み出してる。


この、積立草稿(つみたてそうこう)、noteの定期購読マガジンを開始して10日経った。購読者の想定や全体の設計について。

僕はこういうのを設計するとき、「購読人数の最大化」は優先順位が低い。

興味を持ってくれている人が、他にどんなサブスクリプションサービスに加入しているか、どれぐらいの収入で自由に使えるお金はどれぐらいあるか。どれぐらいの時間や注意力を僕の文章に使っても生活の圧迫にならないか、疲れないか。そういうことのほうが大切になってくる。

そしてそれは、僕が心やさしい人間だからではない

日本語を読んでいて、使えるお金を持っていて、世代的に感覚が通じる人…と考えると、たとえば15〜60歳の人となり、全員で7000万人程度。その中で自分の制作物を好きになるかもしれない人は、7000万のうちの50万〜300万人(0.7〜4.3%)とかになると思っている。これがなんとなく、自分の制作物が届く理論的最大値だ。テレビで放送される映画の多くは視聴率が2〜8%ぐらいなので、楽観的かもしれないがそれぐらいで考えていてもいいだろう。

そしてここからが現実的な値。

自分のことを知ってもらえるかどうか(1〜10%)、お金を使うかどうか(1〜10%)の2つのステップがある。参考になりそうな値としては、スマートフォンアプリの課金率が1〜10%ぐらいだ。知ってもらえるかどうかというのは資金が物を言ったり難しいので、常に1%で計算しておいたほうが良いかもしれない。

そうやって計算すると、買うところまでたどり着くのは50〜3000人になる。何かを個人制作して売ったことのある人ならリアルに見えるかも。この幅を色んなもので高めて、食っていけるとか食っていけないとかやってるのだ。母数200万人・認知5%・購入5%だとすると、5000。なるほど。

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将来的に本にまとめようと思って取り組んでいる文章を、連載のように公開していきます。複数のテーマで同時に書いていこうと思います。

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