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日記(20200324)

スズキナオさんが「ことさら出版」というところで書いている「読んでは忘れて」という連載で、僕の漫画を取り上げて書いてくれた。

この文章では「圧について」がたくさん書かれている。圧というのは、圧力で、状況の中に充満する緊迫感、気圧だと言ってもいい。僕も普段から気にしているテーマだし、とても共感した。もし興味があれば、最初のほうだけでも、是非読んで欲しいと思う。

・魔王が人類滅亡させようとしていて、伝説の勇者だけが絶対にそれを止めなくてはならない。
・今度出る音源が6000枚売れなければ解散させられてしまうというアイドルグループ。
・3つのお寿司のうち、1つに強烈なワサビ。

人は極限を表現した演出、強い苦しみとセットになったカタルシスに客寄せ・動員され、これは僕の意見だけど、次第にそれに慣れさせられる。

しかし、リアリティとはなんだろうか。圧から逃げたり、圧に屈したり、圧がない状態を大切にキープしようとする物語は、パワーが弱いだろうか。僕はそう思わないし、とても自分たちの生活の近くにあるとも思える。そういうことをいつも考えていたから、スズキナオさんの文章は、自分にとって頼もしく見えた。

(「香山哲のファウスト1」(2013)より抜粋)

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だけど、圧は人気だし、現実にもとても便利に作られ、使われていて、みんな喜んで浸る。これしなきゃ、ああでなきゃ、いつまでにこうならなきゃ…。

外圧が高ければ高いほど自前の骨や筋肉がなくても形状や姿勢を保つことができるように、入る牢獄や受ける拷問を探すことは、生きる意味や喜びを外注できることを意味する。

わしは昔、まだあまり何も分からない頃、何かの本でそのようなことを読んだ記憶がある。

おわり

第14回 香山哲『ベルリンうわの空』最近ずっと“圧”のことについて考えている。圧力の圧。自分はいつからか、「高校生がいきなり殺し合わなきゃいけなくなってそれぞkotosara.net