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No.27 イベントを経てキャバ嬢へ

ホストクラブ初体験を終え1ヶ月が経った頃、
「今日憧れの先輩のバースデーイベントやねん」
とLINEが入った。

「そうなん!おめでとうやね😊」と返事すると、

「少しでもいいから来て欲しい」
と、すぐに返事がきた。

迷い悩んだ。あの時楽しかったけど、お金が…。

そんな心配を見越したかのように
「この前渡した安くなるチケット使ったらいいよ」
とメッセージがきた。

この前と同じくらいのセット料金になるチケットを
帰り際にスッと渡されていたのを思い出した。

この後何も予定ないし、
お金も一万円以内で済むならいいか…。
と思い、先輩のバースデーイベントに向かった。

お店に入ると、
店内は赤を基調として
色鮮やかな装飾が施されていた。

席の中心には赤いバラで綺麗に飾られた
シャンパンタワーがあり、
それを初めて目にした私は感動した。

すごい!こんなのがあるんだ!と。

その日は、初回の時ほど長々とはおらず、
すぐにお店を出た。

お会計も何とか安く済ませてもらい、
そそくさと帰った。


それ以降からか、彼からの営業は止まらなかった。

時間がある時は彼の営業に乗せられて行くが、
セット料金だけ払って細々と帰る程度だった。

それでも一万円近くはする。
大学生バイトでやりくりする身分からすると
毎回高価な飲食代だった。

次第にお店に行く頻度も増え、
お金も底をつきかけた頃、ある人に、
「キャバクラやったら向いてるんじゃない?」
と言われた。

その人はそのお店の『主任』
と呼ばれる役職についており、
そのお店のNo.1のホストだった。

そのお店内で一番かっこいいと言っても
過言ではない顔面をしている。

「キャバクラかあ…、なんか楽しそう。」

キャバクラで働く事を勧められてから
キャバ嬢デビューを果たすまでの時間は
ものすごく早かった。

ミナミ(大阪難波)のクイー○ズコートにある
安キャバ店でキャバ嬢デビューを果たした私は
週3回、そこで働いた。

露出したかわいいデザインのドレスをまとい、
今まで履いたこともない何センチもの
高さがあるヒールを履いて歩き、
まるでモデルになったようで嬉しかった。

お酒も弱い方ではなかったので
お客さんとワイワイ話しながらお酒を飲み、
だんだんと働くうちにキャバクラで働く事に
誇りを感じるようになっていった。

が、同じミナミで働いていると知った彼からの
営業LINEは止まらなかった。

出勤前にお店に来て欲しいだの
出勤後に来て欲しいだので振り回されていたが、
ホストのあの独特の空間が楽しくて
誘いをきっぱり断れなかったのも事実だった。

朝から看護学校に通ったあと、
夜はキャバクラで勤務し、
そこで得たお金をホストに使う。

最悪のサイクルだ。

次第にそのサイクルにも限界がきて、
授業中や単位数にも支障がでてきてしまう。

大学2年生の冬のことだった。

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