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No.47 自首

解放され、トボトボと彼と2人で難波の街を歩き、
最近アプリで借りた家へ2人で帰った。

急いで今日中に40万円を用意しなくちゃ…!
2人の所持金を足しても40万円には程遠い。

彼が、お客さん全員から借りて回る。と言ったが
それも迷惑な話だと思ったのでその提案は断った。

誰か頼れる大人がいればな…。

そんな時、彼がお世話になっている
ホスト店の上司の顔が浮かんだ。

その人に連絡をしてこの状況を丁寧に
話してほしい、そして解決策がないか
相談してほしいとお願いした。

彼も、その人なら!と勢いよく首を縦に振り
急いで連絡を取ってくれた。


夕方頃、その人から連絡が返ってき、
とりあえず彼とその人とで
店舗で話し合おうという事になったらしく、彼は
連絡があるまで家で待機するよう私に指示し
出て行った。

彼が出て行って2時間が経った頃、彼から
警察に行って状況をちゃんと説明しよう。と
連絡があった。

私は、わかった。と言って
タクシーで彼が指定した警察署へ向かった。

警察署に着くと、上司の方も来てくれていて
ちゃんと警察の人に話して解決してもらおうと
慰めてくれた。

彼と私は警察の方にここ数日間の出来事を
洗いざらい全て話した。

もちろん、
持続化給付金を不正受給した件についても
きちんと話をし、自首した。

警察の方はこの出来事を事件として処理してくれ
当分はミナミを出歩かず、お仕事に出る際も
難波辺りを通らないルートで通勤するようにと
アドバイスをくれた。

一通りの聴取を取り終わって警察署を出ると
辺りはもう真っ暗だった。

タクシーで私と彼は2人で同じ家に帰り
無事に解決してくれることを願ってその日は
いつもよりも何時間も早く眠りについた。

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