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No.44 キャンセル料1人20万円

持続化給付金の虚偽の申請をして
100万円を不正受給したと
理解しているのかしていないのか
未だ自分の中ではっきりしないまま、
私はそれをすぐに友達に紹介した。

100万円を手渡した際にK君から、
「お姉さんも誰か紹介してくれたら
紹介料として1人10万円ずつあげるわ」と
言われたからだった。

まるでポイに釣られてまんまと引っかかる
魚のように、お金に釣られて善悪をしっかりと
判断せずにまんまと罠にハマっていたのだ。

当時、高校以来とても仲良くしていた
男の子がいた。

何かの折で、近々ご飯に行こう!と
いうことになり、かやまが不正受給をした3日後に
2人で会い食事をすることになった。

彼は大学に進学した頃から
ネットビジネスにハマり、
度々私に声をかけてくれていた。

今回もあいにくそんな話ばかりだった。
このプロセスでいくと必ず金儲けが出来るだの、
このビジネスをすれば稼げるだの、
食事中にとてもうんざりした話ばかり聞かされた。

だがうんざりしているなりに
私も今回の持続化給付金の件を彼に
自慢げに話した。

彼は思い通り食いつき、やる!と言った。
が、やることに対して条件を出してきた。

持続化給付金の件で協力する代わりに
彼の進めるビジネスをかやまも一緒にすること。
というものだった。

私はその条件をのみ、
彼も私に協力すると約束した。

早速私はK君に、友達がやりたいと言っていると
その旨を伝えた。

K君はすぐに返事をくれ、
5日後に友達と私とK君の3人で会うことになった。

その日取りを決めた頃には友達とさよならをし、
お互い帰路に着いた。


次の日、ネットビジネスが大好きな友達から
「やっぱり給付金の件やめておく」とLINEがきた。

私は、え?と思い一瞬戸惑ったが、
「まあここでぐいぐい押すのも失礼だな」と思い
了解!の一言だけを彼に送り、
真っ先にK君に断りのLINEを入れた。

了解!的な内容がK君から返ってくると思いきや
まさかの内容が返ってきた。それは、

「そしたら紹介のキャンセル料として
紹介者1人につきお姉さんが20万円払ってな!」と
いうことだった。

キャンセル料で20万円…?なんじゃそれ、
何かの商品を買ったわけでもあるまいし
意味が分からん。

と思ったので私はそのメッセージに既読をつけずに
そのまま未読の状態で一日放置した。

そこで初めて気づいたのだ、
K君を含めた奴らはヤバい奴らだったということに。

それから毎日のようにK君から追いLINEがき、
日に日にキャンセル金額が上がっていったが
払う義理はないと思っていたので
そのまま数日間放置し続けた。

S君からも心配に見せかけての
脅しLINEが何件かきていたが
それも全て無視をした。

だが、私のその何日間の無視が後々大きな事件へと
繋がっていくことになるのだった。

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