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No.45 知らない男の呼び出し

K君とS君から連絡が来なくなった数日後に
わたしは福原で泡姫デビューをしていた。

初めての出勤日の帰りに彼から突然、
終わってから会えない?というLINEが入った。

夜遅くの帰宅時はドライバーさんが車で
家の近くまで送ってくれることに
なっていたのだが、彼が提示してきた
待ち合わせ場所に変更してもらい、向かった。

待ち合わせ場所に着き、着いたよ〜!と
連絡を入れたがすぐには返事は返ってこず、
それに何十分待っても来る気配はなかった。

痺れを切らした私は、
「まだ?何してるん?」と怒り口調で
メッセージを入れた。

すると彼から、
「やっぱりここに来てほしい」と
場所変更をされた。

何十分も待たせた上に、
ごめんも言わずに場所変更をする彼に
腹が立った私は、
「もう着いたのにもっと早く言ってよ」と
つらつらと文句いっぱいのLINEを送りつつも
急いでその場所に向かった。

が、その場所に着いても彼の姿は見えない。

余計に腹が立ち、帰ろうと思ったが
逆に何かあったのかとも心配になり
仕方なくその場で待つことにした。

何分かして彼がやってきた。
後ろにもう1人知らない男を引き連れて。

その男に初めましてとあいさつされたので
私も軽く会釈した。

「今から一緒に来て欲しい」と
突然知らない男に言われキョトンとした。

どういうこと…?それにこの人誰?

いろんな考えが頭の中でぐるぐると回った末、
ある一つの予測に行き着いた。

あ、もしかするとお客さん関係で
何かトラブルがあったのかも。
彼氏持ちの女の子に色恋をしかけ、
それを知った彼氏が怒りにきたのか…?

私の予想は大まかあっていた。

知らない男の口から、
「彼氏さんが俺の女に手出したんですよ、
それで彼女さんも含めて4人で話をしようと思って」
と予想していたようなセリフが出てきた。

やっぱりな。と思った私はすかさず、
「彼女さんに手を出してしまったことは
ごめんなさい。
彼氏さんにも彼女さんにも申し訳ないです。

ですが話し合いは私が参加する必要はありますか?
彼の判断でしてしまったことですし、
私も後は彼の判断などに任せるので
3人で話し合って解決してくれたら結構です。」
と言った。

その言葉に今度は彼が
「どうしてもきて欲しい。
ゆうかも一緒に聞いて欲しいねん。お願い。」
と申し訳なさそうに口を挟んだ。

私は彼のそのお願いに
「わかりました」と仕方なさそうに返事し
知らない男の後についていった。

歩きながら彼は小声でしきりに
「ごめんな、ごめんな」と言ったが、
その度に「わかったから」と私は呆れ顔をし
返事をしていた。

彼の謝りように、これは異常だと感じた。
絶対もっと何か大きな事がある。と勘繰りながらも
男に着いていくと、
あるマンションの小部屋に案内された。

部屋に案内され中に入ったときはゾッとした。
パッと入ると中にK君とS君の姿が見えたからだ。

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