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No.38

誕生日の日に同棲を解消し
仕方なく実家に帰った私は、
彼から来るLINEを全て無視して
帰ってきてからはずっとベッドの中で過ごした。

彼と今後どうするかを考える余裕もなく
ただただボーッと、何も考えないように過ごした。

予定通りに5月から東京研修に行けていたら
こんな悲しい出来事は
起こらなかったんじゃないだろうか。

そう思うとコロナ禍で変わった社会が
少しだけ憎くなった。

仕事場に休み連絡を入れ、そのまま眠りについた。

どれくらい経っただろうか、
ハッと目を覚ますと、東にあった太陽は
西に移動しており、真っ赤な顔を半分隠していた。

久しぶりによく眠れた気がする…。

昨日から一睡もしていなかったせいか
夢一つ見ずに眠っていたのだ。

枕元に置いてあるケータイを開いて
LINEアプリを開ける。

すると彼から、「無視かよ」と来ていたのに
ギョッとした。

何事?!と思いトーク画面を開くと
「反省してる」という文字。

今頃なんなの?と突っ込んだが
「そうだね。今まで寝てた」と優しく返した。

ぐっすり寝たが、怒る体力までは
チャージされていなかったので
「また落ち着いたら」とだけ送って
ケータイ電話をベッドの上に置き、
夜眠るまではケータイを見ることはなかった。


次の日、2人で会ってお互い腹を割って
きちんと話そうということになった。

夕食頃に父の車を借り、難波近くの彼の家まで
迎えに行った。

助手席に乗るや否や、
「まさか会ってくれるなんて思ってなかった」と
言った彼に、私は
「誕生日の日にあんなことがあったから
ご飯くらいご馳走してもらおうと思って」と
可愛らしく、だが皮肉を込めて言った。

彼はごめんとだけ言い、
繁華街にあるしゃぶしゃぶ屋さんへと向かった。

食事中は嫌な話をしないよう
なるべく楽しい話題を選んで話しした。

彼もそれに合わせてくれるように、
臨時休業中に家に引きこもってよくやっていた
ゲームの話や店舗の従業員のことについて
話してくれた。

食事が終わり、車に戻ってから本題へ。

私に対して不満だったこと、
逆に私から彼に対して不満に思っていたことを
全て洗いざらい(私は)話した。

彼はどうやら、
お客さんの事に私がとやかく口を挟むこと、
黙って就職活動をして俺から離れようとしたこと、
などを不満に思っていたらしい。

どうしてそういう事をしたのかを
納得してもらえるように私は全て話した。

お客さんとわかっていても女の影が見えること、
それが原因で傷ついてしまい、逃げたくなった。

と正直に打ち明けた。

彼は一言、「俺はお前に期待している」と言った。

当時の私はかなりのメンヘラだったのか
彼のその一言が嬉しかった。

2時間ほど話し合った結果、
寄りを戻すか戻さないか、
今後も私が彼の売り上げに協力するかは
きちんと考えて決めるということで話がついた。

帰り際、彼が指定した場所まで送り
私は家に帰ったが、
彼とのハプニングはまだまだ続く。


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