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珠洲滞在レポートvol.2(2024.04.15-04.19)

私は石川県珠洲市で行われている「奥能登国際芸術祭」に2021年作家として参加し、それがきっかけで珠洲に心を奪われた1人です。数年前から続いた余震、2023年6月の地震、そして今回の2024年1月1日の能登半島地震。これは、3月から珠洲に向かい、滞在した記録を細々と残した私的なレポートです。現地に行くハードルが少しでも低くなったり、現状を知るきっかけになれば嬉しいです。



2024.04.15-04.19
珠洲の正院町に4泊滞在してきました。
これからも現状を共有できればと思います。桜が満開の中での作業でした。避難所になっている学校の校庭などに、どんどん仮設住宅が建てられています。景色が変わっていく部分と、街中の瓦礫がそのままで、先月訪れた時と変わらない景色の両方がありました。

応急処置をしていた「あかるい家」。アートフロントの方たちがブルーシートをかけてくれていた家の入り口でしたが、今回は仮設の木の扉をつけました。家が歪んでいるから、しょうがないのでその歪みに合わせて板をカット。柱も追加し両側は閉じて、中央を観音開きで開け閉めできるようにしました。かんぬきも付けて鍵もかけられるようにして完成です!
なぜこんな手間暇を?
実は、このお家の大家さんの荷物をここで保管できるようにするため。大家さんもそうですが、これから公費解体される家から、大切なものや残すかどうか迷っている品を、一時的にでも保管する場所がみんな無くて困っているそうです。珠洲は昔ながらの大きい家が多いし、物も多い。小さなコンテナでは入りきらなかったり、庭に広げても雨が降るとダメになってしまう。
「本当に必要なものだけを残せばいい」と言えば簡単ですが、家族が代々暮らして来た家にはそう簡単に捨てられないものも多いと思うし、最終的に捨てるとしても、迷ったり考えたりする時間が本当はすごく大切だと思う。

かんぬき長すぎた

以下は今回滞在の状況

①、水がやっと通り始めています!が。。
地震から4ヶ月。やっと正院にも水が通り始めましたが、各所の水道管工事や下水工事に時間がかかり、避難所では水が使える場所もあるようですが、まだまだ復旧までには時間がかかります。トイレなどは前回と同じく珠洲市役所やスズズカ避難所の仮設トイレをお借りしました。依然、タンクの水や地域の井戸水を利用しながらの生活が多いです。一刻も早いインフラの復旧が必要です。

②、ボランティアが必要です!
瓦礫などもまだそのままです。県外ではニュースなどで取り上げられる機会が減っていますが、まさにこれから人手が必要です。金沢駅集合でボランティアバスで移動する形が多かったんですが、現地集合型のボランティア募集も出てきています!住んでいる地域や車のあるなしで、参加しやすさとかも変わると思います。いろいろ見ながら自分が動きやすい形を探してみるのがいいかもです!

石川県災害ボランティアバンクだと、ラインで友達登録するといろんなボランティア情報が流れてきます!自分にあったボランティア情報を探してみるのにおすすめです。
・石川県災害ボランティアバンク⬇︎
https://page.line.me/?accountId=504yqxzc&fbclid=IwZXh0bgNhZW0CMTAAAR0r2cVJvy7BVF2CHmlSOaBk2XydLosRimuS76dm3B5pyNKQHyP6ywVa5lE_aem_AfP6UaIozzSIfl4XNrnSXB8WB6cvOwVG4pAhooUNujI-82ldr0LQ9phwDazp0fFAWrApZIQojiYiATvCURdnjacU

やっぱり滞在場所がネックになってくると思います。ボランティアキャンプサイトでは宿泊テントを予約できるので車でここまでいける!って人やキャンプ経験者はぜひ!
・ボランティアキャンプサイト⬇︎ボラキャン珠洲
https://about.montbell.jp/release/disp.php?id=687

石川県災害ボランティアセンターだと、金沢駅集合でボランティアバスで現地まで移動できるので車ない人とかにおすすめです。自分ができる作業、苦手な作業なども予約時に書き込めます!日帰りもあるし、センターが用意した滞在場所に一泊する募集もあり、自分の状況で選べます。
・石川県災害ボランティアセンター⬇︎
https://prefvc-ishikawa.jimdofree.com

③道路状況
今回は秋田市から直接珠洲市へ1人で車移動。休憩なども含めて12時間かかりました。音楽必須。グーグルマップに通行止め情報なども反映されているので安心です!!石川県に入ってからは、道路が地震でずれて段差がある場所が多いので注意が必要です。特に橋と道路の境目の段差や、飛び出したマンホールには注意。「段差注意」の看板に気付かなくてスピード出したまま通過するとびっくりするしパンクの危険もあります。なんか、段差ある道でも煽ってくる車もちょくちょくいたりするんですが、自分の安全が一番なので無視したり追い抜かしてもらいましょう。焦らないで!!
朝は(金沢→珠洲)、夕方は(珠洲→金沢)方向に道路が混む(特に週末)ので時間には余裕を持って動くのがおすすめ。(私は平日に動いてたし夕方に珠洲着、朝一に珠洲出発だったので渋滞知らずでした)

④気候と持ち物
昼間は本当に暖かくなりました。作業しやすいです。
でも朝晩は思ったよりも寒くなって、寒暖差が激しいので注意です。昼間も暖かいけど、4時ごろから急に風が冷たくなるので上から羽織れるものがあると便利。
初日は車中泊、その後は電気ガス水道が来ていない「あかるい家」の近くでテントをたてて宿泊しました。寝袋は極寒対応とかじゃない普通のやつ。暖房器具なし。朝が特に冷えるので厚着して寝ました。珠洲は急な雨や強風も多いのでテント泊の人はご注意ください。あと、夜が本当に暗い。真っ暗になるので感動するけど、道路が亀裂だらけだから夜のトイレ移動は特に注意。昼間は暖かいので、食中毒などのリスクも増えてきます。持ち込む食料の保存には注意を!
今回の持ち物
(カッパ上下、作業着、寒い時羽織れるもの、着替え、手ぬぐい、赤ちゃんのお尻ふき便利!ウェットティッシュ、水、カセットコンロ、片手鍋、紙コップ、割り箸、ゴミ袋、日持ちする食料、手洗い用の100きんの水タンク、充電式ライト、音楽聴くやつ、モバイルバッテリー、寝袋、折りたたみテント、折りたたみ椅子、洗面具、工具類一式)
これからの季節は虫除け対策も必要になると思います。

草刈りしやなあかん

⑤、珠洲の飲食店
今回、私は飲食店を利用できなかったのですが、ボランティアできてお金や時間に余裕がある人は是非、利用して応援してほしいなって思います。
例えば
「まつうら」(ランチのお肉めちゃ美味しかった!)
「かつら寿司」(予約すると昼夜ともに利用可。朝に漁師さんから買った魚を調理していて本当に美味しい!!電話0768-82-4648)
「鈴々堂」(ランチにパスタとコーヒー頂きました!コーヒー豆も買えます)
「二三味珈琲カフェ」(金土日オープンしているようです!めちゃ素敵カフェです!)
「ろばた焼きあさ井」(震災後真っ先にオープンした勇気あるお店!美味しい!)
「イタリアンカフェこだま」(美味しいピザ窯で焼いたピザが食べられます!)
他にもいろいろ!道で「ラーメン始めました」って看板も見たし気になる、、。
おすすめ知ってる方、教えてくださいー。

⑥、珠洲のお店
スーパーやコンビニ、薬局などオープンしています。忘れ物しても安心。もちろん24時間営業じゃないので夕方にはどこも閉まってしまうのでご注意ください。菓子パンやお弁当などみんなが買うので夕方には品薄です。お店は開いていますがボランティアで入る時は食料はできるだけ自分で持ってくるようにして、状況を見ながら判断するのが良さそう。(スーパー「だいまる」で「かつら寿司」のお寿司ランチ買いたかったけど売り切れてた、、きっと美味しいんだろうな!!)
「ホームセンタームサシ」オープンしています。角材や合板など買いました。貸出トラックないので注意!
「海浜あみだ湯」も入ってきました!実は始めて。被災された方は無料で、県外の支援者は500円で入れます。シャンプーリンスついてるしタオルの貸し出しもあってかなりおすすめ。200円でアイス(あずきバーとパルム)も売ってる最高。被災者/支援者の区分も無くなったので、14:00-21:00いつでも入れます。駐車場あり。水木がお休みなので注意です。
https://twitter.com/amidayu_suzu

⑦、「本町ステーション」がオープン!!
友達で写真家の松田咲香さんたちが中心となって、珠洲市の鵜飼でコミュニティースペースをオープンさせました。この地域は津波の被害が大きく、全壊した建物だらけの状況です。その中で奇跡的に残った商店を掃除して、避難所以外に人と話せる場所、ふらっと立ち寄れる安全な場所として作られたのが「本町ステーション」。音楽イベントやワークショップなどこれから開催される予定です。インスタで状況を追ったり、支援したりして、みんなで応援して行きましょう!!
紹介記事⬇︎
https://www.chunichi.co.jp/article/888203
インスタ⬇︎
https://www.instagram.com/honmachi_station?igsh=MTd6aGs5ZjBla3VlZQ==

⑧、支援の方法はいろいろ
ボランティアは体力仕事ですし、男女二元論で振り分ける場所も多いし、なかなかトイレにも行けないし、時間もお金もかかります。奥能登の状況が気になっているけど、動けないよって人は多いと思います。自分を責めないでくださいね。支援の方法はいろいろあると思います。まずは忘れないこと。本当にこれが大切だと感じています。まだ何も終わっていないから。
被災した店舗のオンライン販売とかもこれから出て来るはず!長い復興の中で少しずつ各自でできることを探せるといいなと思います。

◯ふるさと納税 (返礼品ありません)
https://www.furusato-tax.jp/saigai/detail/1677

◯義援金
https://www.city.suzu.lg.jp/site/bousaisuzu/11594.html

手作りのカバンに入れられた愛情差し入れ

今回の滞在では、前回のようなアートフロント経由でも無く、個人での滞在だったので不安もありましたが、正院地域の方に本当によくしていただきました。手作りの米菓子やおにぎりにサンドイッチなどの差し入れ、避難所での炊き出しに混ぜてもらったり、避難所で余ったお弁当をいただいたり。食を通してたくさんお話もできました。
もらってばかりの滞在。。本当にみなさんに感謝しかない。

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