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マシュマロご質問より

こんばんは。コピー本職人(?)カナリです。

今回は、私の同人誌に関して、『こういった本を作るようになったきっかけやルーツは?』というご質問をいただきました。ありがとうございます。 

長くなりそうな気がしたので、こちらでお答え出来たらと思います。

思い返してみたのですが、コピー本自体は昔からずっと作っておりまして。
特に1番長くやっていたジャンルは、ジャンルの最盛期もあり、毎月2回はイベントに出て、毎回新刊出すようなサイクルをやってました。(今では考えられない。)
その際は全てコピー本で、夏コミや冬コミでそれらを纏めた総集編をオフ本で出す、みたいなことしてました。

この時はいわゆる【普通のコピー本】でした。表紙が特殊紙っていうくらいのヤツです。
表紙を印刷所に頼んで中身だけコピーみたいな形でしたね。(くりえい社さんがコピー本の表紙だけフェアやっててそれに乗っかってました)この辺で特殊紙やインクの併せは色々経験させてもらいました。

それからジャンル移動し、初めて出す本が誰も出さないような超マイナーCP本だったもので(BLゲームで健全な男女ノーマルCPをやりました)、ここは少部数で思いっきり遊んでみようと思いつきでやった装丁がたぶん始まりだと思います。
あんまりにもマイナーCP過ぎで、こりゃ部数も10部でいいや、コピー本でやろ!みたいなノリでした。

この時はコンビニでカラーコピーした表紙(特殊紙だったかな?)の裏面に友禅紙(和紙)を全面に貼り付けした本でした。
表紙を捲ると鮮やかな和柄がバッと拡がるので、インパクトもあったし、元作品の世界観にも合うのでワクワクしながら和紙の柄を選んだ記憶があります。
イベント当日は、お手にして下さった方が驚いてくれたり、褒めてくださったりと沢山の反応を頂けました。
皆さんの反応がとても嬉しくて、中身だけが表現する場ではないんだ!と気付くきっかけになった瞬間でした。(中身はもちろん1番大事です)

外見で世界観を作りあげる為に何が出来るのか?

どうしたら、読んでくれる人の心により残る作品が出来るのか?

現在に至るまで、本を作る際はひたすらその事を考えて作品を作るように努めています。
世界観を作るためのコンセプト、イメージカラー、テーマ、モチーフ。それらすべてが作品を昇華させるために必要なもの。それらが出来る装丁を考えて作り上げていく。
その作業は本当に大変ですが、同時にとても楽しい時間です。

中と外が合わさって、手にした方の心により留まる作品になればいいと、毎回思いながら思案して作っています。

コピー本である理由は、あれこれとやってみたいものが極端に多すぎるし、部数もそこまで必要ない身としては、コピー本でどこまで出来るのかを突き詰めていくのが面白くて丁度いいかなと思ってます。
1部からつくれるので、お時間さえいただければ必ず要望に応えられる点も強みですし。

過去に出した本は色々あるのですが、結婚する際に全て自分用も破棄してしまい(この時点では同人から足を洗ってましたw)、初期のものは何も残っていないのでお見せできなくて申し訳ありません。

ただ前ジャンルで同人復帰してからは自分の分をちゃんと残すようにしてます。

ここからは、ご参考までに。
前ジャンルの本ですが、やってみた装丁たちです。

表紙タイトルをカッターで抜いてます
遊び紙に蝶のスタンプ押して覗くようにしてます。
虫籠のイメージ。
本文中に差し込みでトレペと巻頭カラーマンガ
これは中央カラーページ。
原稿の枚数の目処が出ると、台割を必ずして
差し込み出来る時はだいたいセンターカラーを入れます。
表紙を長めに作ってくるんと本文を包みこみ、
紅白の紐で本を結んでました。(紐を解きたくない!と言う人が続出したのがこの本でした。)
テーマは【少女の秘密の恋心】
裏面に和紙を貼り付けて作った表紙
フィルム口絵。下の紙と重ねて風合いを。
差し込みで本文前にクラフト紙とトレペ。
作品モチーフの蝶をあしらってます。
クラフトパンチの蝶と透かしの蝶スタンプ。
フィルム裏側はデザインしたタイトル。
紙の方に牡丹の花を印刷してあって、
2枚重ねるとタイトルの蝶がとまるようになってます。
B5縦変形本、全部で52頁
中華枠の型抜きと金の箔押し。
箔押しはスタンピングリーフというもの。熱圧着の箔。
紙に箔押しフィルム被せて上からアイロンかけました。
抜いた窓からは金の蝶が見える。
レーザーカットされた蝶。 
元々は結婚式などで使われるグラスマーカーです。
コピーした本文にプリンターで赤を加えた2色刷り
紙変え。ページ構成を合わせないと出来ないやつ。
巻末。折り込みでカラー漫画を話の〆に構成して入れました。


正直まだやりたいことも、出来てないことも沢山あります。
もちろん今までやってきたことも少しアレンジしながらやっていくので、今後私の本をお手にして頂けた皆様が一緒に楽しんでくれればとても嬉しいです。


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