Nikonの噂

このルーマーは興味深い

2400万画素で、ミニZ9的なスタンス。新型センサーと最新映像エンジンが搭載されて、書き込み速度の向上で完全電子シャッターのAPS-C機って事になるなら、秒間10コマで3秒後に書き込み速度が遅くなっても許す。たとえ現状レンズの選択肢がなくても現行の変動絞りズームレンズ2本で全然問題ない。

そもそも他社製レンズにしたってFUJIのXレンズを再設計すれば対応出来るはずなので、ラインナップはすぐに揃うだろう。純正レンズならスーパーEDレンズ搭載型のナノクリスタルコーティング+アルネオコーティングレンズであるならば、F4〜F6.3くらいの変動絞りレンズでも画質は十分担保できるだろう。

Z9は、機能的にはあくまでプロ向けのカメラであってNikon(ナイコン)ブランドコレクターの物欲を満たすには充分な写真機だけど、商業的実用性としては既にフルサイズカメラ自体が汎用性を欠いている。時勢的に動画機能の強化、IT機能の充実と物理的耐久性を確保するためにはメディアも含めて大型化せざるを得ない。Zレンズの解像限界値がどの程度か不明だけれど5000万画素の壁は従来通りのようだ。そもそもフィルムカメラに慣れている世代とそうでない世代で、カメラ本体のサイズに関する認識は全然違う。ミラーレス世代にとってのNikonとCanonのフラッグシップカメラや、モータードライブ様の縦位置グリップ装着カメラは”ゴツくて、重い”別次元のカメラと言っても多分言い過ぎではない。
以前SONYの事業部長と立ち話をした際に、「ボディを小さくしすぎた」と嘆いていらっしゃったが、現在でもまだ空前と言っていよい写真ブームに対して、SONYミラーレスカメラのサイズ感の貢献度はおそらく計り知れない。

なぜ汎用性を欠くと言い切っているかについて掘り下げると「フルサイズセンサー、14bit、5000万画素」の足枷が、いわゆる中盤カメラの画質の前では無惨な結果になってしまうからだ。

画素数ばかりが注目されるけれど、実は一番の問題は14bitと16bitの差で、中盤カメラが5000万画素センサーだったとしても、16bitで保存されたデータの特にシャドウ部の階調保存性能からの再現性には圧倒的に遥かに遠く及ばない。

また記録容量についてあくまで商業性を念頭に置いて考えるならば、Z9はスポーツや音楽、学校写真をRawを使わずに記録保存するためのカメラであって、 512GBクラスの大容量のCFexpressを使ってRaw記録を前提とするのはナンセンスだと僕には思える。

とは言えロスレス圧縮時の1枚当たりのNEF(NikonのRawファイル形式)データのファイルサイズは30MBを切るのでとても優秀な可逆圧縮を達成してるなって思う。それでも、1日か2日の撮影で512GBや1TBも撮るような事になれば、セレクトはともかく、一時的だったとしても保存方法が大問題になるだろう。

かつて革命的だったNikonD3は実用的ISO感度と言う意味でオリンピックでボブスレーを撮影するために開発されたとさえ言われていたけど、電子シャッターで無ければ撮れないもの、例えば屋内競技や、音の出せないゴルフのジャストミートの瞬間、本番のクラシックコンサート(ミラーレス以前の僕たちが見ていたクラシックコンサート写真の多くはリハーサルのもので本番のリアルな演奏時のものではなかったわけだけど、まぁそれに騙される形になっても文句言う人がどれだけいるかは謎。)、演劇などの舞台、そんな今まで記録するのが難しかったものを記録して、見る事ができるようになった意味はとっても大きいと思う。商業的にさらに追求するとすれば、完全電子シャッターで無ければ撮れない環境は、格子模様のフリッカーが写ってしまう蛍光灯やLED、水銀灯(2020年以降製造禁止になってるので減ってくだろうけど)などの照明下だけど、撮影用フリッカーフリーと触れ込みの業務用照明であっても一般的電子シャッターで撮影すると3EV分程度のシャッタースピードの倍数での高速シャッターでは完全にフリッカーを回避するのが難しい場合もある。


つまり、商業的実用性は、APS-C完全電子シャッターのミラーレスカメラと言う立ち位置で現行フラッグシップモデルの耐久性を担保出来るならば、むしろ逆転的に達成可能だと言い切って良いだろう。この意見を否定できるプロカメラマンはいないはずだなって…。
プロフェッショナルモデルとしてのAPS-C小型軽量ミラーレスカメラと言う存在は、ジェンダーフリーと言う言い換え方も可能で、ミラーレス時代の小型軽量を促進することは、個人的な肉体的制約からの解放も意味するだろう。

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