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『オタクノシゴト』劇中アニメ「サムライ・ドライバーズ」一部設定について(11/27リュカ・エジエノク追加)

どうも、劇団GAIA_crew代表加東です。
このエントリーは先日2020年11月18日から23日まで上野ストアハウスで開催された舞台「オタクノシゴト」の中に登場した架空のアニメーション「サムライ・ドライバーズ」の設定をお伝えするためのエントリーです。自分が脚本と出演もさせていただきました。

舞台を見ていない人にはまじでナンノコッチャ?って感じだと思うんですが、ご心配なく!本日から2週間ディレイ配信で見ることも出来ます。気になる人は是非チェックを!

今作はブレイクダンスのスターであるリアルアキバボーイズ(RAB)主催公演で、主人公としてアニメ「モブサイコ」主人公モブ役などで活躍する伊藤節生くんも出演。めちゃくちゃ踊るしストーリーも(自分が脚本担当して言うなって話ですけど)結構好評なので、是非観ていただきたい!

上がチケットリンクです!

まず、どんな話なのか

「オタクノシゴト」はアニメ制作会社を舞台にした物語です、コロナ渦で制作が止まったオリジナル作品を、ツメツメになった状況で必死に間に合わせ、いいものを作ろうと奮闘するお話です。その劇中で制作されているアニメが「サムライ・ドライバーズ(以下サムドラ)」になります。

サムドラは劇中劇とはいえ、ある程度以上の設定をもって戯曲の執筆に当たりました。なぜかと言うと、今作を観たRABファンの方たちは

絶対に好きになる

という半ば妄信的な確信がありました。まあもともとRABのメンバーが演じてくれていたというのもあるのですが、今回ここの部分も含めて、是非考察や二次創作で盛り上がってくれたらいいなというのが思いの一つでした。

なのである程度以上の設定は考えてあります、二次創作をする部分でこれはあったほうがわかりやすいかなぁと言う部分で、Twitterでお知らせするには長文になりそうなものをここに記載します。なのでここからは舞台観ていない人はかなり置いてけぼりです!気になったらディレイ配信買ってね!

武器を取り込んで力にする、という設定について

元々サムドラのキャラたちにはバトル部分で武器をもたせる?という案もありました、しかしそこはブレイクダンスの世界一も取ったRAB、やはり武器など持たずにダンスで見せようという話になりました。

そうなると「サムライ」というのが(言い方悪いですけど)邪魔になってきます。そこで考えた苦肉の策が「武器を取り込んで力にする」という設定です。以下説明です。

「世界」では戦士(魔法使いなど含む戦う人たち全般とします)たちは武器をエネルギーに変換して取り込みます。これは優れた武器であればあるほど力になりますし、そのために優れた武器を作る鍛冶屋(ブラックスミス)も大事な職業です。

この武器のエネルギー変換に関しては、魂の強さが直結しています。
例えば、普通の人が取り込むと攻撃力が10上がる剣があったとします。でも魂が強い人、優れた武人が取り込むと10が20や30にもなります。

そして取り込める武器の数も個人差があります。一般人が5本くらいしか取り込めないのに、すごい人は20本!とかそういう感じ。

そして、この武器をエネルギーに変換する(逆もできる)専門家は工術士(アーキテクト)というクラスです。この武器変換は技術としては戦士の嗜みみたいなものなのですが、アーキテクトはそれの専門家なのでエネルギー変換の効率が齧っただけの素人とは段違いです。なので例を上げると

パワー100の剣が10本ある。
一般の戦士が自分で変換すると
変換時に100→50に減衰、取り込むと才能の差で50→25、三本しか取り込めないので戦闘力75
剣豪が専門のアーキテクトに変換させると
変換時に100→100減衰なし、取り込むと100→90、10本取り込むから戦闘力900

とか、そういう感じになります。なので偉い戦士とかは専門のアーキテクトをパートナーとして雇っていますし、優秀なアーキテクトは引く手あまたです。

クラスってなんじゃらほい

作品の色付けとして職業「クラス」というものを作りました。こういう設定好きでしょみんな?

クラスはRPGの職業みたいなもんで、そのクラスに認定されると色々とパラメーターが上がります。

この世界はドラクエみたいな「レベル」はなくて、MMOとかみたいに筋力がいくつ、知力がいくつという個別パラメータ―を採用しているイメージです。なのでクラスによって色々上がったり下がったりすると、それと別に固有スキルがある感じです。

例えばロクロウタの冒険者(ワンダラー)は攻撃力よりも体力とHPが増える傾向にあって、スキル「危険察知」や「サバイバル術」とかが使える感じです。クラスについていなくても使えるスキルもたくさんありますが、クラスについているときと段違いなのは前述のアーキテクトと同じ感じです。

あとご質問が多かったのが生術士(クリエイター)ってどんな魔法使いなの、って話ですけど、世界には魔法を使う形態がいくつかあって、クリエイターは魔法陣を描く流派で、術形態としては「そこにあるものを増幅する」力を持っています。

例えば怪我をしたら細胞を増幅して治療しますし(傷は塞がるけどとにかく痛いのは変わりない)、魔法陣を描いたところにある「風」や「火」や「水」を増幅したり、圧縮してその力の向きを変更してぶつけたりすることが出来ます。惣三郎とロクロウタの対決の時に使ったものは風を増幅させて巻き起こして小さな竜巻を起こしています。風を操るのはエジエノクの得意な術の一つだと思っています。パーティーの中では僧侶兼魔法使いですね。

バルキッサスってなんじゃらほい

バルキッサスは古代の秘宝の一つ、生体ゴーレムです。

この世界、簡易ゴーレムみたいのは結構普及していて(高性能なペッパーくんくらいのイメージですかね)。それに雑用をさせたりしています。よく使われるのはアーキテクトの能力だけを与えた汎用簡易ゴーレムです。

これはしゃべることも考えることも出来ませんし、身体も鉄で出来たブリキみたいなものです。バルキッサスはもっともっと高位な生体ゴーレムで、心を持っています。この心は彼の中にある秘宝「アンタレスの心臓」が司っています。(ぶっちゃけバルキッサス本体よりアンタレスの心臓の方が価値があります)

で、封印されていた約200年間、バルキッサスは「比較的よく出来た汎用アーキテクトゴーレム」だったわけです。たまたま掘り出し物としてロクロウタとエジエノクが手に入れて、アーキテクトマシーンとして使っていたんですが、1話~2話の惣三郎との戦いの中で偶然惣三郎がアンタレスの心臓を起動させてしまい(ここの起動のディティールは全く考えていません、みんなで作って!)くず鉄の表皮をぶち破って出てきたのが今のバルキッサスです。

バルキッサスと同じ用に作られた生体ゴーレムは大体が失われていますが、ひょっとしたらまだ眠っているやつがいるかもしれませんね。ちなみに正確や外見はワンオブなので全部違います。特にバルキッサスはプロトタイプなので、秘宝の力を原動力としているため、他の古代の生体ゴーレムよりも段違いの性能を持っています。

ロクロウタの過去

これはTwitterにも書きましたが、こちらの世界にいる時ロクロウタは甲斐国の勤勉勇猛な侍でした。しかし天保の大飢饉前後の打ち壊しに対する取り締まりに回っていた所、妻子が別の場所で起きた暴動に巻き込まれて死んでしまったと言う過去があったのです。

向こうの世界に行った時彼はそれを悔いています。そして悲しみ、出会ったエジエノク(ハインツゲルトの命令で近づいたんですけど)から、そんなに悲しいならその記憶を忘れてしまいなさいと記憶封印の術を受けます。

そして、この世界で「秘宝」と呼ばれるレアアイテムを取り込むと、その圧倒的な力により、魂も存在も世界と一体化します。つまり「身も心も世界のものになる」のです。アジア人が白人とか黒人になってしまうようなものでしょうか。そこまでしてすべてを忘れて生きていこうとロクロウタはしていたのです。惣三郎と戦う時はその過去を思い出してしまい、全て忘れたいと言うことに対して

「あんたの奥さんも息子さんのことも忘れるのか?それで本当にいいのか?背負って前を向くのが武士じゃねえのか?」と惣三郎に言われて、戦うことになります。

惣三郎なんで強いの

惣三郎は厳密にはサムライではないです、サムライに憧れて旅に出た百姓の子供で、浪人です。

じゃあなんで強いのよ、と言われたら、圧倒的な魂の強さです。

彼は強いんです、剣だけでなく、心が強い。だから取り込む武器のエネルギーも何十倍にも増幅してしまうレア中のレア存在です。

この世界に来たばかりなので二つ名もないですが、本編ラストで「世界に抗うソウザブロウ」を名乗ります。クラスも特に持っていないのですが、強いて何かつけるとすれば…「漢」(ストライダー)でしょうか?

みんな大好きリュカちゃん

リュカは悪党(ローグ)です。人を騙すのは当たり前、色香と弁舌で出し抜いて盗んで生きていく悪い子です。元々住んでいたナージ村が石の災厄で全滅してしまって、彼女以外の家族含む村人はみんな石になってしまいます。

この石の災厄というのは、誰かが人為的に起こしたわけではなく、この世界で極々まれに起こる天災です。生術士は「そこにあるものを増幅する」能力を使いこなしますが、この世界ではこれと同じようなことが「なんにでも」起こりうるのです。

例えば僕らのいるこの地球では、草木は十分な栄養があれば成長しますが、無生物である石とかは何もしなければ成長はしません。

世界では無生物と言われるものにも若干の命があります。なので何万年という時間を重ねると石や材木も大きくなったりするのです。(なので建築物などは生命力をコントロールし、大きくなるためのパワーを転換させて発行させて明かりにしたりしています)

これが暴走することがあります。ナージ村は石や宝石の産地なのですが、その石の力が数千年に一度レベルの大暴走を巻き起こし、村を飲み込んで成長してすべてを飲み込んだのです。なのでリュカの両親たちは石像になっているわけではなく、石の津波に飲み込まれた瞬間に石化した感じです。

リュカはたまたま村を離れて近くの森で遊んでいたから難を逃れ、そこから約10年以上独りで生きてきました。生きるために盗賊ギルドに身を起き、ローグのクラスを獲得します。惣三郎たちとは腕が立つところを見初めてセンデまでの同行を申し込みます。見返りとしてリュカは交渉事や罠の解除などを担当しています。彼女は悪党ですが利益があると思ううちは裏切ったりはしません。この世界で女一人旅をする難しさも怖さも知っているからです。

エジエノクの過去

エジエノクは元々巨大都市センデで豊穣と恵みの神、ウリスを信仰している神殿仕えのクリエイターでした。(ウリスはこの世界では超メジャーな神様)

センデを首都とする共和国は議会で採決が取られ政治を行っているのですが、この共和国の最高権力者が五賢人です。五賢人は以下の通り。

絶対無敗のガラリア
五賢人の一人にして共和国最硬の重戦士(ファランクス)。紅い長髪をツインテールにし、圧倒的な厚みの全身鎧を着込んだ130センチくらいの女子。
手に持つ重戦斧を取り込むと周囲最大1キロの敵対するものを全て領域から弾き飛ばす領域を展開する。
幼く見えるが30代、一人称は「ワシ」

憂う渚のコーネリアス
五賢人の頭脳であり、学者(スカラー)。メガネをかけた優男、共和国の立法や統治に尽力する。戦闘員ではないが、実は世界随一の「言霊使い」であり、力を込めた言葉は万物を思うがままに操り、その力は無生物や天候にまで影響する。
しかし力を使うと五感の何かを失う諸刃の剣。

完全なるナリア・シャルス
輝く無定形のうねうねとした光玉。
会話などは思念通話で行うことができるが、その実態は何なのか本人すらも解らない。思考は幼く、人間の7〜8歳程度の知能。だが詠唱も魔法陣もなく現存する全ての魔法を繰り出す「これ」は、大魔導(アークメイジ)と呼ばざるを得ないのだ。

遥か彼方のユー
世界最強の武闘家(グラップラー)。180センチを超える長身の金髪長髪の女、人智を超えた美貌を持つ。無口で何を考えているか解らないが、技を持たず、闘うとなれば本能のまま手足を振るい死を与える。700人を一人で滅殺した記録も。放浪癖があり、何処にいるかは五賢人も掴めない。

高らかに謳うイットウサイ
この世界に最初に転生してきた侍であり、世界最高の剣聖(ソードマスター)。その圧倒的な戦闘力は共和国黎明期の混乱の時代、戦場での鬼神のような働きが伝説のように残っている。既にこの世界に来て一〇〇年を超えているが、秘宝の一つ「時の砂」を取り込み自分の時間を50代で止めている。既に半引退であるが、その体内には数百本の刀をエネルギーとして未だ収めている。

しかし五賢人はその圧倒的な力のため、基本的な政治には口をだすことはありません(代表として憂う渚のコーネリアスだけは議会に参加していますが)。もっと大きなこと、例えば他国からの侵略とか、物凄い魔物がでたとか、天災が巻き起こったときなんかに動きます。五賢人が全会一致で決めたものに関しては特例として議会の承認をすっ飛ばして共和国はその決定を受け入れます。無理やり当てはめるなら天皇家、かつ核ミサイルみたいなものでしょうか。

この議会と正面から対立しているのがハインツゲルトを長とする神官(オラクル)たちです。共和国は長く続いた五賢人という戦力による抑止力のため、他国に牽制を仕掛けたり、国内に圧制を駆け出したりしていました。まあ平和ボケによる政治腐敗みたいなものです。

コーネリアスはこれを考慮して、五賢人会議を開こうとしているのですが、如何せん完全なるナリア・シャルスはテレパシー飛ばしてくるよくわからん光る玉だし、遥か彼方のユーはどこにいるかわからない放浪癖です。集まらないんですよ、超法規的命令も発動したことは一度もないのです。

神殿の神官たちはウリスを信仰しながら、この世界唯一の固定された転生門(普通次元の裂け目は世界のどこかにランダムに生まれる)を守護もしています。腐敗しだした議会を正すにはもう言葉も通用しなくなっており、ハインツゲルトはクーデターを起こすことを決めます。

すなわち、強力な力を持つ転生者を集め、兵団を秘密裏に作り、その力を持って議会を制圧するというものです。確かに沢山の血が流れるかもしれないが、この先共和国が圧制を行い、恐怖政治の帝国化することを防ぐための流血だとハインツゲルトは解きます。

敬虔なウリス信者であるエジエノクはこの実働隊の一人に選ばれます。侍を監視し、センデまで導き、強いものを洗脳して兵隊化する任務です。

勿論心が痛むこともありましたが、それをハインツゲルトへの信望が勝りました。幼い頃から孤児であったエジエノクを神殿で引取り、親として育て、クリエイターの術を教え込んだのもハインツゲルトです。彼はそういう子どもたちを何人も養育しており、エジエノクはその「ハインツゲルトの子供達」の一人だったのです。それもこれもハインツゲルトの数十年に渡る陰謀の一環だったのですが…

この辺の設定は「スター・ウォーズ」のインスパイアが色濃いです。ハインツゲルトはパルパティーン皇帝のようなイメージだし、バルキッサスが安く売られてる掘り出し物で、それが因縁の存在だったというのは、C-3POを彷彿とさせるというか・・・

・・・さしあたりこんなところで、まだ何か出てきたら追記しますね!

脚本担当 盛本シュンタロー役
劇団GAIA_crew 加東岳史

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