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‥こんな話を読んだ①

私は子供の頃から、「怪談」と名のつくものが大好きで怪談本といえば洋の東西を問わず読み漁りました。
学校の図書館・市立図書館・個人経営の古書店・TSUTAYA・ブックオフなどなど、「怪談本」を扱っていればどこへでも行った。

何の本かは覚えていないけど、印象が強かった話を書こうと思います。
細部が違っているかもしれない、結末も違うかもしれないけど、そこはご容赦ください。

原本を知っている方、いましたらコメント頂けますと幸いです。

第一話 ごめんね、ゆるして‥。

とある中学校の話。理科担当のA先生としておく。A先生は翌日の授業の為、放課後一人、理科準備室で実験の用意をしていた。時間は18時を回った頃だろうか。

準備室と繋がっている理科室から、物音がきこえる。誰か生徒が残っているのだろうか?A先生は耳をそば立てる。

‥ねぇ、‥してぇ。 ‥んねぇ、‥るしてぇ。
女子生徒の声らしい。こんな時間になんだろう。
泣いている様な声。もしやイジメではないだろうか。

涙まじりの声が気になったA先生は理科室の扉に手をかける。どうした?何か困った事があったのか?、そう言いながら扉を開けた。

A先生は不意に鉄臭さを感じた。鉄‥というより血の匂いか。理科室の隅に座り込み、泣いている女子生徒がいた。背中を向けている為、顔はわからない。

女子生徒は何かを抱えながら、泣いている。
ごめんねぇ‥ゆるしてぇ。ごめんねぇ‥ゆるしてぇ。ひたすら言葉を繰り返す。
A先生は女子生徒に近づいていく。段々と血の匂いが強くなって行く。よく見ると制服のデザインが現在のものと違う。

A先生は女子生徒に声をかけた。どうした?何処か怪我をしているのか?その声に気付いたのか、女子生徒はこちらを振り向いた。

制服と顔は血に塗れ、腕に大切そうに抱えていたのは、男性らしき生首だった。女子生徒は泣きながら、A先生を見つめ、ごめんねぇ!ゆるしてぇ!ごめんねぇ!ゆるしてぇ!と繰り返す。どんどん声が大きくなる。

ぎゃぁーー!!‥‥A先生は絶叫した。よく見ると女子生徒の足元には首のない成人男性の遺体。生々しく、首の切断面から血が溢れていた。

そのままA先生は気絶した。気づくと、翌日の朝だった。A先生は女子生徒と遺体を探したが、全く見当たらない。血の痕跡すらなかった。

後日分かった事ではあるが、数年前、この中学校の理科担当教諭がある女子生徒と恋仲になり、教諭は既婚者だった為、トラブルとなった。思い詰めた女子生徒は教諭を殺害し、首を切断。そのまま女子生徒も首を抱えて飛び降り自殺を図ったとの事だった。そしてその殺害現場が理科室。

A先生が見たものは、はたして幽霊だったのか?過去に起きた現場の記憶の追体験だったのか。

だいぶ補足してしまったけど、こんな内容だったと思う。
オチが付いているので古い怪談話だと思われます。

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