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ピースメイカー (2022)
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OPだけで完璧にこのドラマのノリを理解できる。最高。
ジェームズ・ガンの音楽ヲタクっぷりと使い方の巧みさには感心させられる。
今回の選曲テーマ/ハードロックは、マスキュリンな白人たちによって発展したカルチャーと言えるが、白人/男性至上主義の過去を再定義している現代においてはなんとなく居心地の悪い立場にある。
ジェームズ・ガンはそんなハードロックを「差別的な筋肉質の白人男性(ピースメイカー)のテーマ」にすることで批評的視点を持たせつつ、音楽の使い方としてはリスペクトを示したカッコ良さ(と適度なダサさ)を全面に押し出すことに注力している。
(80年代の楽曲だけでなく比較的最近の楽曲も多く採用しているという点も、彼の「ガチ」感が伝わってくる)
頭のネジを外して遊びまくった後には、きっちりと締め直すのを忘れないのが彼の凄いところ。
生産性皆無のやりとりが散りばめられ、容赦ないバイオレンスが繰り広げられ、1000%気持ち悪いクリーチャーが登場して…と悪趣味にやりたい放題な一方で、ストーリーはしっかり構築されていて感動的なシーンまで用意されている。
顔や体が成長しても、親の前では誰しも一人の子ども。
このドラマを見終わったあとには、きっとピースメイカーに対してズッ友な感情を持つだろう。
勿論、それでもクソ野郎なことには変わりないけれど…
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