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創業360年の老舗麦芽飴店「島川あめ店」の島川とも子さん。


お婿さんに来てくれた飴職人の旦那さまは現在76歳。
次の代の職人さんはおらず、
現在はご夫婦とスタッフ3人で切り盛りされています。
薬都富山でかつて丸薬づくりに欠かせなかった飴ですが、薬事法改正により需要がなくなり今では工夫しながら大人も子どもも楽しめる飴菓子作りに取り組んでおられます。
一番搾りの贅沢な麦芽水飴「あまみ」のラベルは蛭谷(びるだん)和紙職人の川原隆邦さんの手によるもの。越中蛭谷和紙では唯一の職人さんだそうです。

豆菓子に使われている小麦粉は、今後は魚津で天日干しの自然栽培米に取り組んでおられるひえばた園の稗苗良太さんの米粉に変え、これからの富山を担う若手を応援したいとおっしゃっていました。素敵な人柄におしゃべりが終わらず長居してしまったんですが、かつてはたくさんあった飴屋の中でも唯一長きにわたって続けてこられたのはこの前向きな明るさと、富山の人と人をつなぎたいという真摯な眼差しの成せる業だなあと。

富山最後の飴職人さん、途絶えた紙作りを再興させ職人になった人、里山の棚田で有機米づくりにチャレンジする人など土地に耳をすましながらのものづくりに心が響きます。

戦時中に富山の空襲で失われた、かつての飴炊き釜。
復興時はこのかまどを、土を盛るところからみんなで再生されたそうです。そのかまどは現在も工場で現役。

多くのもの、
ではなく丁寧なものづくりを考えたい。






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