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投げキッス







砲丸投げ
ハンマー投げ
槍投げ
円盤投げ

陸上競技における投擲四種目。
ここに新たな投擲競技が加わる事となった。

キッス投げ、である。

オリンピックは平和の祭典。
それを象徴すべき競技としてIOCに採択された。


キッス投げ。
それは予選と決勝からなる。

通常の投擲競技と同じく、予選通過ラインが設定され、その予選通過ラインを、6回の試技の内で通過出来れば予選突破となる。
全員が予選通過ラインを超えた場合には記録の順に上位12名が決勝に進出する。
予選通過ラインを誰も越えなかった場合にも、やはり記録の順に上位12名が選出される事となる。

ではその予選通過ラインとはなんなのか。
キッスと言う、存在しないものを投げると言う概念競技。
誰が、何をもって飛距離を測定すると言うのか。

物理的に唇と唇、頬と唇が触れ合うなら理解も出来る。
だがキッス投げは違う。
唇は何とも触れ合わない。

いいや、それは違う。
キッス投げは人と、大気とのキスなのだ。
人が自然の営みに感謝して行うキスなのだ。

つまりは投げキッスにおける風速を測定しようと言うのか?
それも異なる。

キッス投げは平和の祭典を象徴する競技。
人と自然の愛の交わりに優劣など存在しない。

自身のキッスが母なる地球に届かなかったと思えば負けであるし、届いたと思えば届いたと思った者全員が勝者なのだ。

ビバ!
ラブ!










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