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【AIxMUSIC】Ars Electronicaの雑多所感記 6日目

9/5(木)から9/9(月)までオーストリアのリンツにて開催されている、Ars Electronicaに出展のため来ております。現地で見たもの・感じたものを記憶が新しいうちに残しつつ、現地の雰囲気が伝わればいいなと思い、現地のレポート的なものを雑多に、毎日書いていきたいと思います。

※出展内容、具体的な試みについてはこちらをご覧ください。河津は主にInspiratorに関わっています。

ArsElectronicaは毎日違ったテーマがフィーチャーされ、テーマに沿った催しなどがその日限定で行われます。9/7(土)の今日は「AIxMUSIC」というテーマで、AIの自動作曲、自動演奏などに焦点があてられた催しが行われます。今日は「AIxMUSIC」にちなんだ作品の話と、夜に開催されたEvening Concertの話をします。

こちら動画が縦に撮れてしまったので見にくいですが・・・Ars Electronica Centerで展示されている、明和電機さんのオタマトーン自動演奏です。別の場所で発せられた音をトリガーにして一定時間自動で演奏をします。見ていて可愛い・・・明和電機さんは4日目に授賞式でライブされてましたね。あれほんと好きでした(2回目)

こちらも同じくArs Electronica Centerの中に展示されてた自動演奏装置です。紙吹雪や水の入ったグラス、電池など、日常にあるもの(?)を楽器化して演奏されています。

先ほどの明和電機さんの作品からの流れがそうなのですが、Ars Electronica Centerには機械による自動演奏という作品が数多く見受けられます。オーストリアにはウィーンという街があり、言わずと知れた音楽の街です。オーストリアはウィーンを中心として、音楽とともに歴史を歩んできた街で、都市の発展の裏には必ず音楽があったそうです。その変遷はArs Electronica Centerの中にも壁一面にまとめられていました。

今後AIという技術が発展していくであろう時代の流れの中で、音楽の変遷から時代を読み取ろうとする流れが見られます。上記のように演奏が全て機械で自動化されるとしたら、人間は一体何をすれば良いのでしょうか。またそういう考えの先は音楽だけにとどまらず、仕事や別のエンターテイメント(スポーツとか)にも言えることだと思います。

また夜には聖フローリアン修道院という場所で、Evening ConcertというAIxMUSICをテーマにしたコンサートイベントがあったので参加してきました。YAMAHAさんの作品「Dear Glenn」とプロの演奏家さんたちとのコラボレーションコンサートです。

「Dear Glenn」についてはこちらを見たほうが手っ取り早いのですが、グレン・グールドという亡くなられたピアニストの演奏手法をディープラーニングさせ、彼が演奏しているように未知の楽譜も演奏できるようになるシステムです。

この演奏はグレンさんの弾き方による音源を生成しているそうで、もうAIが音楽を生成できるところまで技術の進歩はきています。

今AIといえば、で主流になりつつあるRPAが進むとしても、人間はクリエイティブな仕事をすればいいじゃない、という人間とAIとの住み分け論もありますが、AIがクリエイティブなことをし出した時、そしてそれに人間のスキルが叶わなくなった時、人間は一体何をすれば良いのか考えさせられます。今のところAIの開発には人の手によるデータ整理やチューニングが必要不可欠ですが、ゆくゆくはそういったものも全て自動化された時にはいよいよ人間の出番は無いような気がします。

でも今回のコンサートは、AIと人間の演奏のコラボ、いわば共存の形であるため、「共に行う」という未来もあるのかもしれません。初音ミクのライブだってボーカルは機械ですけどバック演奏は人間みたいなパターンの時もあり、それでかなりの盛り上がりを見せていたりする事例もあるわけですし、もしかしたらそんな未来が一番平和なのかもなあと思ったりしました。

ちなみにArs全然関係ないですが、最近、Detroit Become HumanというPS4で発売されているゲームをやったのですが、結構似たようなテーマで、AI(というかアンドロイド)と人間は共存できるのかを問う作品です。主人公が3人のアンドロイドなのですが、みんな仕草が人間らしかったり、明確な意思を持っているというだけで、まるで人間みたいに感情移入してしまいます。これはあくまでゲームの話ですが、機械が人間に近いレベルでの思考能力を得られた場合、人間はもしかしたらAIを対等のものだと思い始めるのかもしれませんね・・・みたいなことはわかりませんが、ゲーム好きな人はぜひこのゲームやってください。近未来に思いを馳せられます・・・

明日は展示4日目です。まだまだ見て回ってないところがあるので頑張って回らなければ・・・ちなみに自分たちの展示の方はトラブルなく順調です。展示してる3作品とも、Arsの期間中を経て体験に来られた人のログを壁に貼ったり吊るしたりしていますので、そのBefore Afterを最終日に見せられればいいなと思ってます。お楽しみに・・・!

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