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募集馬の選別方法①

こんにちは。かわぞーです。
普段は募集時期に各クラブの募集馬評価一覧表で★ばかり並べているので、たまには普通のnoteみたいな記事も書いてみます。参考になるかはわかりませんが興味とお時間のある方はどうぞ。

 今も昔も変わらずに一口馬主の世界に足を踏み入れた出資者たちの大きな目標の1つが重賞で活躍するような素晴らしい馬を見つけて出資することだと思います。
重賞に参加するということはまず出資馬がオープンまで昇格しなければならず、古馬重賞にいたっては現役馬の上位数パーセントしか参加できない険しい道のりです。
1歳馬の募集時期にそんなまだかなり先の未来を見据え、ほんの僅かな情報から2年、3年後の活躍馬を見つけ出すなんて、、、
投資としては不確実過ぎ、ギャンブルにしては時間がかかり過ぎる。パドックで20分後の勝ち馬を当てたい馬券を楽しむ競馬ファンからしたら狂気の沙汰かなとも思います。

たしかに、後のダービー馬に限って近年の生産頭数の約8000頭から1頭見つけるとなればかなり厳しい確率に思えるが、それでもクラブ全体で考えれば実際は各クラブが毎年厳選し、それぞれの思惑を胸にラインナップしてきているので募集の時点で既に1/2000か1/3000くらいまで当たりは引きやすい状況にアップしていると思います。
さらにダービー以外の重賞にまで範囲を広げ、毎年重賞馬が100頭誕生するとすれば1/20か1/30とかなり確率が現実的になってくる。
そこから先はどこのクラブで出資を続けるかだが、どのクラブでもバラつきはあるが良い馬はいるので全くの初心者でなければ相馬眼なんてなくても良い馬を見つけるのはなんとかなるのではないだろうか。
例えば馬体や歩様を見てなんとなくだがこの中では良い馬だなと感じたり、血統や兄弟の活躍を調べて選ぶ人も多い。他にも生産牧場や厩舎で絞り込んだり、最近ではSNSや馬友からの情報、募集人気の度合など様々な観点から良い馬を選べる可能性は高い。
まぁ、その後クラブによっては壮絶な抽選も控えているので気に入った馬に出資出来るのかは別問題ではあるが。

では、重賞馬を探し出すのと同じくらい大切なことはなんだろうか。
それはオープンまで上がれない馬を見つけ出すこと。なんだ大袈裟に!結局OP馬を見つければ良いだけの話じゃないか。
と思ったあなた!?全然違うんですよ!
例えば400口のクラブで1口5万円の馬に出資して2歳から6歳までの約4年間走った場合、、、
馬代50000円×400口=2000万円
維持費1500円×400口×12ヶ月×4年=2880万円
金額的に比較的安めの馬1頭でも約5000万円!
1口に直すと約12万円!
もちろん未勝利馬で4年間走らない馬もいますが、クラブの馬は1勝すると怪我などがない場合は牝馬でも6歳まで走りますので、ここからは1頭を5000万円として話を進めていきます。

では何故OPにこだわるのか。
2勝クラス3勝クラスでも2着3着でコツコツ稼いでくれる馬もなかなか魅力的で良いのではないのか?
たしかに毎月賞金が入ってくるのでなんだか稼いでくれている感じがします。しかし毎月の維持費もあるので実際は良くてトントンくらいなものでしょう。馬を選ぶ段階で確実にOPは狙えると思い出資した。数年後、結果3勝クラスまででした。という内容なら出資はギリギリ成功だったと思う。
しかし最初から勝ち上がりは大丈夫そうとか、地道に2、3勝クラスでこつこつ稼いでくれそうだからと言う理由での数千万円以上の馬への出資は完全に破綻している。
逆に「いやいや!自分の選んだ馬は全頭重賞狙えるよ!」と自信満々に10頭出資のあなた。。。
クラブ募集馬の約半分は未勝利引退ですよ!

では、わかりやすく東サラさんで。
昨年は募集が約40頭。しかし半数の約20頭が2年後に間違いなく未勝利引退予定!このデータには毎年どこのクラブでも大きくは逆らえない揺るぎない掟となっております。
そして残った20頭。この中でOP馬は良くて3頭。3勝Cも3頭前後。2勝Cは6頭、1勝Cは8頭。感覚的にこんな感じだろうか。
ちなみに引退までに稼ぎ出す賞金は、
1勝C→2000万、2勝C→3500万、
3勝C→5000万、OP馬→8000万〜15000万、重賞馬→15000万以上
もちろん成績によって大きく変わりますが分布、獲得賞金の雰囲気はこんな感じではないでしょうか。
もうお分かりかと思いますが、頑張って3勝Cの馬をいくら集めても下のクラスの馬たちの維持費や未勝利馬たちの大きなマイナスをカバーしきれないんです。
私の個人的なイメージでは全出資馬のうち1/4がOP馬であれば一口馬主ライフをトントンくらいで楽しめ、1/3まで確率が上がれば利益路線でしょうか。

重要なことは
OP以上を狙えそうな馬に出資する。
OPになれそうにない馬には出資しない。
OPになれるか微妙な馬や、判定が難しい馬には手を出さない。

各クラブの在籍馬成績やクラス分布を把握した上で、低クラス馬たちを確実に見抜いて出資しない事がOP馬へ出資することと同じくらいの価値があると考えれば、自ずとクラブ内での適正な出資頭数と出資内容が決まってくるかと思います。

馬券で例えるなら、せっかく勝ち馬が分かっているのに馬券の買い方が雑で毎回ガミってしまうという現象。
投資で例えるなら、せっかく最安値で買えているのに売り時がよく分からず早々に手放してしまうもったいない状況。
つまり、走る馬はみんな募集時になんとなくわかっているのだが、その馬が抽選でなかなか取れなかったり、複数頭への出資でリスクを分散させるため色々な馬を検討していると、この馬もなんか良いなぁ!となってくる。あと1、2頭増やすか!という感じでクラブの思惑にあっさり陥ってしまいます。クラブ側は走らないであろう馬がどの子か募集前から当然わかってます!仕事ですから。でも募集馬全頭満口を目指して売らなきゃいけないんです!仕事ですから。

①募集時のセールストークに騙された!
②厩舎が愛馬を手厚く面倒見てくれなかった!
③良い騎手がもっと上手く乗ってくれてたら!

などなど3歳の夏が終わる頃には色々な声が聞こえてきますが、時を戻して実は今その瞬間!その出資申し込みのクリックをした時点でこの先の運命は全て決まってるんです。
、、、なにか怪しい占いみたいな内容に見えてきましたが。伝えたい事は、

①一口馬主という世間での扱いが微妙かつ絶妙な金融商品が故、たとえ結果過剰なセールストークだったとしてもクラブは夢を売っていたにすぎないと。

②クラブは絶対にランダムで配属厩舎は選ばないが、今後の付き合いもあるので毎年同じ厩舎にだけ良い馬を預けたりもしない。

③調教師もランダムで騎手を選ぶ事は絶対にないが、所属や贔屓騎手との関係もあるのでバランスを取らなければならない。

競馬ファンのなかでも特に一口馬主の方々は愛馬と夢を追いかける純粋な方が多いので、この辺の大人の事情からも目を逸らさず、出資を決定する前に一呼吸置いてあらためてクラブや厩舎のデータを調べ、裏の裏まで深読みしてみるとまた新たな一面が見えてくるかもしれません。

『 オープン馬へ出資する事とそれ以外の馬へ出資しない事は収支を考える上では表裏一体 』
私は常に念頭に置いて出資検討しております。

さて、ここまではまだ馬を見る前の段階。
勝率や回収率を少しだけ上げるためだけの話。
では、どうやって馬を選別するのか??
それはまた次回以降のお話。。。

☆私のnoteでは一口馬主という趣味のため生活費を削りながら投資に近い感覚で出資されている方や、一口馬主としての成績等を重視されている方へ宛てた内容が濃くなっております。
資金が潤沢にある方や、毎週愛馬の出走を楽しみにされている心優しい出資者様には不要な部分も多々含んでおりますので気持ちよくスルーしていただけるとありがたいです。
皆様、色々な理由で一口馬主を趣味にされているかと思います。決して誰かを否定するための内容ではなく、私個人の考えを書き綴っているものですのでご了承願います。

※タイトル写真のダイヤモンドハンズはタイガーマスクGさんからお借りしております。かなり深い考察がされている競馬の知識が詰まったGさんのnoteも是非ご覧下さい♪


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