合理的な労使関係@ベトナム

先日、ベトナム初の国産自動車がお披露目になった。

その名もビンファスト。

ビングループと呼ばれるベトナム最大のコングロマリット企業の一事業として自動車事業を立ち上げた形になる。驚異的なのが立ち上げ~販売までの期間。なんと18か月。たったの1年半。

「おいおい品質大丈夫かよ。。。」と思われるかもしれません。私も同じことを思いました。これについては、今後、市場が判断していくでしょう。

今回扱いたいトピックとしては、ベトナムっぽい合理的な労使関係をこのビンファーストの事例から見ていきます。

たったの1年半で自動車会社を立ち上げるなんて並大抵のことではありません。ノウハウはゼロから始めたはずです。

ではどうしたかというと「ノウハウを持っている人を連れてくる」というシンプルな結論になります。つまりヘッドハントですね。

これは実際にベトナムにいらっしゃるメーカーさんから聞いた話ですが、その引き抜きの際に、かなりの大金を払ったみたいです。

平社員レベルで20万円。リーダーレベルで50万円、そしてマネージャークラスだとなんと200万円!

*上記は月給。*ベトナムの新卒の平均月給は3万円~4万円です。マネージャークラスでも良くて25万円前後が相場です。

しかし、うまい話には裏があります。会社としては大金を払い、ノウハウを吸収する。その間、かなり働かされます。それを1年ほどで終えると「では、さようなら!」とのこと。

私はこの話を聞いたとき「こんなことだったら、誰も転職しないだろうな」と思ったのですが、それは大きな勘違い。転職者は殺到したみたいです。

よくよく話を聞いてみると、転職者側としては「1年で通常ではありえないお金が貯蓄できる」「(ベトナム人の間では有名な)ビンファーストで働いたという箔がつく」という2点から、皆こぞってビンファーストへ転職したとのことです。その後の転職もさぞしやすいのでしょう。

長期雇用を前提とする日本人的発想では出てこない、きわめて合理的な労使関係だと、感心した次第です。

「今この瞬間を生きる!」傾向が強いベトナム。それぞれメリットデメリットがあると思いますが、そういう社会である以上、外国人である私たちは、一定合わせていく必要があるのだと思います。こう思うと、自社のスタッフがいつ辞めるかわからないので、いつもケアしないといけないですな。。。

今日はこの辺で!

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