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風俗店員物語 〜歌舞伎町奮闘編〜


皆さんお久しぶりです。

色々あり今は東京歌舞伎町で仕事をしています🥺

見かけたら声かけてください✨


さて、自分は何の仕事をしているかというと

キャッチ

と呼ばれる仕事しています。
夜の街で遊びたい人を契約のある店舗を紹介して、紹介料をもらう仕事です。


今回は歌舞伎町で経験した話をnoteにします。

では、どうぞ。


〜やっつけられた漢〜

眠らない街 歌舞伎町 
そう言われたのも昔の話だと同業のキャッチから言われた。

「最近はほんとに人が少ないよ。」

柿山はヤニが染み付いた歯を見せながら笑って見せてそう言った。

今日は2本しか客を引けていない。
あと2.3本は客を引きたい俺は柿山の話をほぼ聞き流して通行人に声をかける。

「お探しありますかー?安くしますよ〜」

50代くらいのおじさんは俺の声に反応し、こちらをチラリと見て素通りしてしまった。
夜の街に興味はあるのだろう。

そして柿山はこういった客を見逃さない。

「社長!いいところあります。ぜひ自分に紹介させてください!絶対満足させますよ!」

手を擦り合わせながら50代のおじさんに声をかける。

「そうかい。歌舞伎町は初めてでね。何もわからないから、案内してもらおうかなぁ。」


柿山の口角は上がりすぎていて目尻と口の端が繋がるんじゃないかと俺は思った。


柿山は普通のキャッチではない。

普通のキャッチは健全な店舗に客を紹介する。

それに対して柿山は

ぼったくり専門店

の専属キャッチなのだ。
恐ろしい人間である。

余談だが、客をぼったくることを「やっつける」という。

当然このおじさんは柿山にやっつけられることになる。

おじさんは初めての歌舞伎町にテンションが上がりまくってペラペラと柿山に今日あったことを話していた。

おじさんの名前は倉田
体型はやや小太りだ。

「実は今日競馬で100万負けちゃったんだよぉ」


倉田は100万負けたにしてはかなり明るい表情だった。

「え!?そうなんですか!?慰めに一杯飲みに行きましょう!」

柿山はいかにも心配している顔をしてそう言った。

倉田は続ける。

「いやぁでも最終レースに中穴を取って30万ほど返ってきたんだよねぇ。まぁ無かった金だと思ってパーっと使うよ。」

これを聞いた柿山の口角はありえないほど上向いていた。

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「いい店に、ご案内しますね♪」

こうして歌舞伎町の闇へと倉田は連れて行かれてしまった。



1時間ほど経ち、倉田が帰ってくる。

「いやぁ、歌舞伎町ってのはお酒が高いんだねぇ。少し飲んだだけで8万もかかっちゃったよ」

倉田はカモである。
背負っているネギの量は農協に荷下ろし出来る量である。

柿山は悪魔のような笑顔で話しかける。

「社長、こんなんで終わるほど歌舞伎町は甘くないですよ。二軒目行きましょう。」

おじさんは身悶えしながら返答する。

「飲みはいいからおっぱいを揉みたいな。」

終わりである。
ぼったくりのホップステップまで来てしまった。
次の段階は倉田が支払いをジャンプするしかない。


俺はやや心配になっていたが他人の引いた客に話しかけると揉め事の原因になるので基本的にはノータッチだ。

柿山はどこなら1番金を毟り取れるかを計算していた。
その姿はまるで期待値を追い続けるパチプロやポーカープロなどと全く同じだった。


「店の予約が取れました。社長、行きましょう!可愛い女の子付けますよ。」

地獄への案内人は満面の笑みで倉田を案内した。


倉田も早くおっぱいを揉みたいといった顔をしている。

すると倉田は思わぬことを口にした。


「俺1人じゃあれだから誰か一緒に行ってくれないかなぁ」


なんと倉田は俺の方を見ながらそう言っている。
ドラフト1位に俺が選ばれてしまった。

柿山が俺の元へ来て言う。

「猫ちゃん、一緒に行ってあげてくれない?バックの2割渡すからさ。」

バックの2割はとても魅力的である。おそらく2万前後にはなるだろう。

ここで俺が断ると客が店に行くことを渋り、せっかく引いた客を逃す可能性もある。そうなれば柿山は激昂したラージャンのように歌舞伎町で暴れ回るに違いない。

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加えて今日、あまり客を引けていない俺はこの頼みを条件付きで承諾した。

「わかりました。ただ会計は全て倉田さんに持ってもらうことを事前に説明してください。それに納得してもらえたなら行きます。」

万が一、会計の際に俺と倉田で割り勘になって仕舞えば本末転倒である。
完全にミイラ取りがミイラになる縮図が出来上がってしまう。
それだけは避けたいので柿山には念を押してお願いした。

「分かったよ。そこはしっかり確認を取っておくね。」

こうして柿山は倉田に俺と一緒に飲みに行く条件を説明しに行った。

5分ほどして倉田に説明を終えた柿山が帰ってくる。

「猫ちゃん、了解もらえたよ。多分会見10〜15万くらいになると思うからよろしくね。煽ってボトルとか開けさせてもいいよ。」

柿山は俺すらも獲物を狙うライオンの目で見ていた。
ここは歌舞伎町。強者だけが生き残る世界なのだ。恐ろしい世界である。

こうして俺と倉田でおっぱいを揉める店に行く。

倉田は店に向かう途中に俺に話す。

「俺さぁ、ほんとーに田舎でずーっと暮らしてきたから何にもわからないんだよね。だから色々教えてね」

俺はもうすでに手遅れであることを教えようとしたが、倉田はネオン街の魅力に取り憑かれているため耳に入らないだろう。

こうして5分ほど歩き店に着いた。

店内に入り、受付を済ませプレイをする。

至って内容は普通である。

俺は普通に遊んでいたが、歌舞伎町にやや慣れた倉田は女の言われるがままに場内指名+ボトルを入れて破産への道を陸上短距離選手のように一直線に進んでいた。


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こうして倉田と俺は2時間ほど店で遊び会計を行う。

念のために俺は倉田に伝える。

「倉田さん、事前に聞いてると思いますがここの会計は倉田さんに持っていただくことになります。よろしくお願いします。」

倉田は今にも射精しそうな顔で俺に言う。

「猫さん、何言ってるの。こんなに楽しませてもらったんだから俺が払うに決まってるでしょ。で、いくら?」

黒服は伝票を出す。

「19万円です」

倉田は微塵も驚いた顔をせずに19万円を支払った。

(倉田さん半端ねぇな)

俺はそう思いながらお礼を言い店を出る。

倉田は満足した顔で俺に話しかける

「猫ちゃん、今日はもう満足だよ。最後にお願いがあるんだけど聞いてくれるかな?」


なんなのだろうと思いながら俺は倉田のお願いを聞いた。

「俺、ハンバーガーってやつを食べてみたいんだよね。美味いんだろ?あれ。」

ハンバーガーを食べたことのない人種に会ったことは初めてだったので俺は非常に困惑したが無理なお願いではないので承諾した。


流石に倉田の願いをマクドナルドで叶えるのは心苦しい。


そこで俺は歌舞伎町にある将軍バーガーを倉田に食わせることにした。

「テイクアウトとイートインどっちにします?」

倉田は答える。

「あー駅まで歩くからテイクアウトがいいなぁ。」

「あ、了解です。なら俺買ってきますよ。何系のバーガー食いたいとかありますか?」

「特にないよ。猫ちゃんのおすすめで大丈夫。」

「了解です。少しだけまっててくださいね。」

そう言って俺は将軍バーガーに小走りで向かった。

2人分のハンバーガーを買い、会計は3000円ちょっとだった。

ハンバーガーを持って倉田のところへ向かう途中、他の客を案内し終わった柿山と遭遇する。

「あれ?猫ちゃん何持ってるの?」

「倉田さんがハンバーガー食いたいって言ったんで買ってきました。」

「あ、マジで?いくらだったの?」

「3000円っすね。」

そう言うと柿山は俺に3000円を手渡し、倉田の分のハンバーガーを持って行ってしまった。



柿山は倉田にハンバーガーを手渡し、値段を言う。

「倉田さんハンバーガー2人で6000円でしたよ。」

そう言って柿山は6000円をニンマリしながら受け取った。

柿山は最後まで倉田の金を毟り取り続けた。
柿山はある意味プロフェッショナルなのだ。


歌舞伎町は怖い街である。
皆さんはお気をつけて。



そして俺は歌舞伎町で働く人間だがこういうキャッチにはならないと心に誓った。

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