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はまチャレ応援!ヒストリックのデッキを作ろう!

 ヒストリックは未開の大地です。

 未だプロの手が加わっていない世界は、デッキビルダーにとっての腕の見せ所でしょう。ヒストリックアンソロジーのカードの存在は、スタンダードの経験値も、パイオニアの経験値も無意味にします。独自でデッキを作らねばならないのです。

 そんなヒストリックの大会が、今週末に開催されます。毎度お世話になっている「はまチャレ」です。この記事は、そんなはまチャレに向けて、みなさんのデッキ構築のモチベーションを喚起する目的で執筆しています。無料分で公開している部分は、現在のヒストリックで考えられる様々なアーキタイプの概要と、メタゲームの予想のみであり、デッキリストは一切公開しておりません。デッキは作ってもらいたいのです。それができない、めんどうくさい、記事を書く猿に餌を投げたい、そんな方は記事を購入いただけますと、記事の中で紹介したすべてのデッキのサンプルリストがあります。が、今回は猿の餌用分よりも、みなさんにデッキを作ってもらいたい、という目的の方が大きいため、値段は500円と少し高くしてみます。記事を読んでいただければデッキは作ることができるはずなので、意欲あるみなさんは是非はまチャレで独創的なデッキリストを見せてください。


■ヒストリックアンソロジー以前

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 デッキは3つありました。グルールと、グルールメタコントロールと、死者の原野です。ヒストリックにおいてグルールの暴力を圧倒的なものにしていた存在は、炎樹族の使者の存在と、2マナ3マナの除去の弱さです。1ターン目に生皮収集家、2ターン目に炎樹族の使者+ザル=ターのゴブリンのムーヴはこの時点で場に8点のクロックを作り上げます。これを後手で返せる2マナのカードは環境にヴァントレスのガーゴイル1枚しか存在せず、それでさえドムリの待ち伏せがあれば最悪の形で突破されます。3ターン目を迎えてしまえばここにグルールの呪文砕きが追加され、並んだ2体の4/4は轟音のクラリオンを跳ね除け、事実上のゲームセットとなります。どうにかこの猛ラッシュを凌ぎ(もとい相手の手札が重かった)として、その次に待つのは探索する獣とエンバレスの宝剣であり、受けようがないのです。

 これをありったけの2マナ除去で迎え撃つとして、それは死者の原野にとっての餌食になります。しかし、原野の速度ではグルールに勝つことができない。これがヒストリックの簡単なメタゲームです。この3つの中で何を使うかと問われれば、もちろんグルールでしょう。「圧倒的に強く早いデッキ」「強さへの対策を詰め込んだデッキ」「強く遅いデッキ」と並べば明白でしょう。事実、先日のはまチャレはグルールの勝利に終わりました。

 しかし、このメタゲームはヒストリックアンソロジー3によって崩れます。その話をしていきましょう。


■グルールを止めた不遇のホラー

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 このカードが当時のスタンダードで活躍した記憶はありません。おそらくカウブレードと同じ時代に居たのがすべてだったのでしょう。しかし、このカードが圧倒的なスペックを有していることは見ての通りであり、特に、クリーチャー戦と火力によって場をこじ開けようとするデッキには悪夢でしかない存在です。グルールはこのカードに対する対策が「押し切る」しかありません。逆に言えば、それをさせないような構築を行えば、グルールの牙城は崩れるのです。

 抹消者を使用するデッキとして考えられるものは2つです。黒緑か、黒赤(ないし黒赤青)です。この色が選択される理由は、緑と赤にある「格闘」です。特に、赤の格闘である「血の希求」は、サイクリングがついているため腐ることがありません。緑の各種格闘は腐る可能性を持ちますが、こちらには「楽園のドルイド」からの3ターン目着地が魅力です。また、どちらを取るにしても魅力的に映る相棒がガイガンこと「深海の破滅ジャイルーダ」です。この場合、ジャイルーダに特化するわけではなく、1枚だけ相棒としての採用です。3マナ5マナを諦めることができれば、6マナが揃った時の行動が保証され、ファイレクシアの抹消者の追加が出れば十全。そして、稀に相手の「絶え間ない飢餓ウラモグ」を奪うことがあるのは、隠されたメリットです。

 無論、抹消者だけでグルールを止めることはできません。前提としての除去や壁はもちろん必要です。ここで確実に採用したいのは、「石とぐろの海蛇」です。X=3以上の海蛇を1枚で除去するカードはグルールには存在しません。さらには、大小のテフェリーで戻されない効果もあり、後半に引いても強いという最高の1枚です。除去としては、格好の餌食・無情な行動の二択となるでしょう。腐らないことをメリットとするか、幅の広さをメリットとするかですね。赤黒であれば、「豪奢//誤認」もオススメです。誤認は、青系のコントロールのアズカンタの探索や、死者の原野に対する抵抗になります。

 ジャイルーダを採用しない場合、「アスフォデルの灰色商人」や「龍神、ニコル・ボーラス」を絡ませた構築も面白いでしょう。どちらも抹消者が場を睨んでいる間に、着実に勝利への道を作ってくれます。緑黒の場合、最強格の万能除去である「大渦の脈動」が使えるという利点もあります。

 ともあれ、もしもクリーチャーデッキを握ることを選ぶなら、ファイレクシアの抹消者への意識は必須であると言えます。このカードはヒストリックアンソロジー3の目玉の1つであるため、確実に週末の大会でよく見ることになるでしょう。


■圧倒的に強化された死者の原野

 これもまた当時不遇・・・もとい、ファンデッキにしか投入されなかった1枚が強化に起因しています。

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 世が世ならThawing Glaciersだったカードです。後半になっても毎ターンセットランドがしたい死者の原野にとっては最高の相棒です。毎ターン2体のゾンビを沸かせ、インクのシミに見える勝利効果は決してバカにできません。むしろ、よくこの効果で勝ちます。このカードがスタンダードにあった頃にはなかった「迂回路」の存在が、この特殊勝利を圧倒的に近づけているのです。

 さらに、このカードの強さに隠し貢献しているのが、「樹上の草原獣」と「空を放浪するもの、ヨーリオン」です。樹上の草原獣はブン回りの必須パーツでしたが、後半に引いた時の残念さ故に2枚程度の採用に抑えられていましたが、迷路の終わりによってだぶついた土地をキャストするという役目が生まれたため、4枚投入が正当化されたのです。一方のヨーリオンは、ギルド門10枚という制限を、デッキ枚数を増やすことによって密度的な意味で軽くしてくれています。

 そして、マナランプに終わりを告げるあのカードももちろん採用されます。

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 死者の原野にとってに10マナは夢幻ではなく、出れば相手の原野や、コントロールのプレイズウォーカーを食い殺します。うっかり見えないところからファイレクシアの抹消者に格闘されるのだけは注意してください。

 ちなみに、ミラーリの目覚めも試したのですが、ただのオーバーキルでした。ともあれ、ヒストリックアンソロジー3によって圧倒的に強化された死者の原野は、週末の台風の目であり、最もオススメできるデッキです。


■原野と戦えるコントロールはやはりルーカ

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 ジェスカイルーカに対する有効的な対策はマナランプだったのですが、死者の原野はマナランプでありながら、そのデッキの根本である死者の原野という工作員の格好のターゲットが存在します。さらにはファイレクシアの抹消者も工作員にとってはよだれの出る1枚。さらには大テフェリーの存在は、ルーカをスタンダードよりもワンランク上の存在にしてくれています。ヒストリック感こそありませんが、メタ的には大正解であり、もしもあなたが日頃スタンダードでルーカを握っているのならば、週末もルーカが勝利をもたらしてくれるでしょう。


■その他の有象無象

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 ヒストリックアンソロジー2までで押されていたライフゲインパッケージを組み込んだソウルシスターズは、グルールの影に隠れたクリーチャーデッキでした。超巨大な「アジャニの群れ仲間」で殴り倒すデッキでしたが、グルールの天敵であるファイレクシアの抹消者はこのデッキにとっても天敵です。グルールにはない除去を持ちますが、超巨大なアジャニの群れ仲間にいきなり格闘で噛み付いてくる抹消者は一瞬で戦線を崩壊させます。そして言うまでもなく、グルールよりもコントロール耐性が低く、いいからまだブン回りを信じてグルールを使えという感じですね。

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 テフェリーを有する青白系コントロールの制圧力は圧倒的です。世が世なら最強格だったことでしょう。しかし、死者の原野がすべてを台無しにしています。ルーカに魂を売ってください。

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 ヒストリックにしかない万能除去である大渦の脈動と、イコリアで追加された3色ランドによって高められた安定性は、ミゼットを無視できないデッキにしました。しかし、未だ駆逐されきらないであろうグルールとソウルシスターズの速度と戦えるだけの対応力を内包した安定性はなく、コントロールとしては最強格のテフェリーを有した青白系と原野を前には霞んでしまいます。

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 サイクリングランドの存在は、ルールスサイクリングをさらなる高みに導いています。有象無象に区分された中では最も「アリ」なデッキであり、もしも今スタンダードでサイクリングを握っているならオススメできるデッキであると言えるでしょう。ちなみに、「脱出の儀式」と「炎樹族の使者」と「地盤改変」でほぼデッキを全部サイクリングできるそうですが、どうなんでしょうね。無視した方がいい情報な気もします。

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 都合8枚のエンチャントレスがいれば、デッキとして十分正当化されるでしょう。だがこいつ(メタゲーム)が許すかな!?


■え?俺は・・・?

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 すまない。君はBO1出禁なんだ。

 もとい、このカードの存在が、BO1のヒストリックとBO3のヒストリックを別物にしており、それはとても不健全に感じます。言うまでもなく、BO3のネクサスは最強格のデッキです。はまチャレはBO1だからいいものを、今後のプロシーンでのヒストリックが、初日BO1・2日目BO3とかだったら発狂しながらWoCに中指を立ててください。応援します。

 もとい、BO1ということは、注目すべきはこの2枚。

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 BO1でサイドボード使わないのはディスアドですよ。しかし、ルーカとフェイの相性の悪さは頭を抱えます。どうしましょうね・・・


■さぁデッキを作ろう!

 というわけで本記事はここまでです。ここまでにしたいです。が、どうせ売れるんだろうなぁとか、ちょっと残念めに言いつつ、以下の課金領域にここまでで解説したデッキのサンプルを置いておきます。個人的には買わないで欲しいですね・・・デッキ作るのがやっぱり楽しいんですよ。ちなみに、ほんとに適当に書かれた課金領域なので、雑にアリーナのインポートリストが並んでるだけです。あしからず。

★★★★18時頃追記★★★★

■ヒストリックとかいうクソゲー

 即落ち4コマか!!

 昼に「みんなー!ヒストリックのデッキつくろー!」(わーい)とかやっておいたんですが、やればやるほどクソ環境が極まってるとわかったので追記的な感じで雑感です。


■やっぱりグルール止まらないわ

 先手で生皮収集家、炎樹族、ゴブリン、呪文砕きってやられると普通に止まりません。特に炎樹族が2枚あったり、3ターン目にエンバレスの宝剣ってされたらどうしようもないです。どれだけ対策してどれだけ意識しても、結局ドブンを止められるデッキじゃない。本気で意識しまくった緑黒タイプの抹消者デッキが増えてくれないともう話にならないです。しかもここにほとんどプレイングが介入しない(強いて言うなら炎樹族を2枚以上重ね引くように神社に通った回数)ので、つまらんofつまらんです。せめて紅蓮地獄をください。それがないともうどうしようもない。


■ていうかやりたいことやったもん勝ちなんだね

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 そんなこんなで回してたら、3ターン目にウラモグが着地するデッキが完成してしまう。えぇ・・・? まぁそれでもグルールがブン回ったら負けるので、ほんとにこれはスタンダードの1個下の環境なんでしょうか。もうめんどくさくなったので、はまチャレは神社行ってからこれ使おうと思います。一応リストは乗せないよって言ったので、リストは課金領域に乗せておきます。みんなで運ゲーしてから、月末のBO1スタンダードに備えましょう・・・

★★★★24日12時追記★★★★

■神社には行ったぞ!エントリーだ!

ということであと1時間半後。クソゲークソゲー言いながらもいろいろ研究開拓してしまいたくなるのがMTGの中毒性。マナブーストとルーカからの方が3Tウラモグが安定するなと気付いて赤緑ルーカを作ったり、出現根本で「全知」「リリアナ」「祝祭」って持ってくると、全知が貼れるか即座にリリアナ奥義になるなと気付いたり、いろいろおもしろいこと考えてみたりしたのですが、結局ファイレクシアの抹消者に託すことに決めました。課金領域の最後にリスト載せておきます。自信作です。エスパーorグリクシスコントロール以外の全部に有利ついてると思います。

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