MTG引退するのでカルドハイムの話をします

■0:前置き
 禁止カードの発行というのは、基本的に、ユーザーに対する裏切り行為の1つです。過去何度もMTGは禁止カードを出しています。《守護フェリダー》のような、見落としによる禁止は、人間である以上起こってしまうものであり、それを咎めることは私にはできません。しかし、近年の、オーコ、ウーロ、オムナスの禁止に関しては激怒を示します。強いカードは購買欲を煽ります。しかし、それでいてやっぱりゲームとして強すぎたので禁止です、というやり方は、ゲーム以上に売上を目論見、その上で一方的に万札を紙切れにするものであり、ユーザーを舐めているとしか思えない。以前激怒した親友渡辺雄也の一件も相まって、先の禁止ラッシュは、私にMTGというゲームとの別れを決心させるに十分な出来事でした。

 ということで、カルドハイムが発売されました。今回はカルドハイムの注目カードと、それをうまく利用するデッキ構築、そして、強いデッキとはなにか、また最後に、Android版MTGAの話をしようと思います。

 ・・・何か?

 うるさいな!これでMTGやめられるなら、世界から喫煙者もマリファナやる人もCivやる人も消え去っているんだよ!

 前置きが長くなりました。はじめていきます。


■1:注目カードの話

・1:スカルドの決戦

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《スカルドの決戦》は、《僻境からの脱出》を思わせる1枚です。・・・なんか一瞬苛立ちましたが続けます。しかし、この2枚はまるで違うカードです。僻境の強さは、追加のセットランドにありました。土地が3枚めくれてもケアでき、そして、増えた土地によってめくれたスペルが唱えられるという、自己完結した1枚だったのです。その点スカルドはどうでしょうか。1マナ軽くなり、めくる枚数が減ったものの、追加のセットランドを許容しないため、マナカーブ通り4ターン目にキャストするのは賢い動きではありません。また、めくれたカードを使わないと損する、という要素は、必然的にめくれたカードを「使わざるをえなくなる」ことを意味します。新環境のデッキの中では、アドバンテージ手段の乏しい今、ヨーリオンを用いたコントロールなどにスカルドの決戦を採用したリストが目立ちますが、これに私は明確に「弱いだろう」と断言します。コントロールは相手の動きに応じて、行うアクションが変化します。それは、アクションを半強制するカードと極めて相性が悪いのです。ヨーリオンにおけるスカルドの決戦は、土地2枚のセットを安定化させるカード、程度の認識であり、それなら真面目な身代わり使えよ、とマジレスを返してしまいたくなります。特に、無理に色を加えて使っている場合。

一方で、スカルドの決戦の強みは、第二章、第三章にあります。クリーチャーの強化です。また、攻めるアグロデッキは、デッキのほとんどが「攻める」カードであるため、何がめくれようが、基本的にそれを使えば「攻める」という目的は達成されます。アド損の可能性が少ないのです。さらには、《群れの番人》による使い回し要素も相まって、ボロス系のアグロデッキでは、「4ドローによる息切れ防止」「+1カウンターによる攻めの継続」として、最高の1枚にあたります。

私が作ったデッキはこんな感じでしたが

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有名プレイヤーの作ったこのナヤアグロは、まさに最高のデッキと言えますね。

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・2:黄金架のドラゴン

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 黄金架のドラゴンは、令和は稲妻のドラゴンであり、パリンクロンです。飛行4/4速攻は事実上の本体4点であり、アグロの中盤~終盤にかけての押しとして最高の要素です。特に、速攻と追加の2マナは、事実上エンバレスの宝剣のマナコストを3マナ補うことが大きなポイントです。その一方、2マナを出す宝物を作る行動は、+1アクションとして、除去やカウンターを構えられるという意味であり、ミッドレンジ・コントロールにおいては攻めと守りを両立させます。アグロからコントロールまで幅広くその存在感を示す黄金架のドラゴンは、スタンダードに関して見れば、明確なトップレアでしょう。


・3:巨怪な略奪者、ヴォリンクレックス

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 そのサイズと、トランプル速攻というトドメ要素に目がいきます。しかし、その真のメリットは、相手の英雄譚を封殺することにあります。特に、エルズペス死に打ち勝つのような、Ⅰ効果で除去を行う英雄譚。英雄譚に乗るのもカウンターであり、このカードは決して英雄譚で除去されないのです。無情な行動で処理されることばかりは致し方ないとして、その効果は実質隠れ除去耐性です。一方、カウンター倍増は無視していいでしょう。ここからPWにつながれば勝ち確じゃないか、と思って使っていますが、概ねそこまでしないでも、出た時点で相手に強いプレッシャーをかけることができ、プレインズウォーカーの追撃はオーバーキル。そして、真にプレインズウォーカーの追撃をかけないといけないような相手には、概ね除去されています。ただ、《グレートヘンジ》との相性は抜群です。


■3:今更語るけど強いデッキってなんなの?

 新環境の開始は、多くのプレイヤーにデッキ構築を挑戦させます。そこで改めて、現代MTGにおける強いデッキの条件を語ろうと思います。条件は以下の3つです。

・アグロデッキであること
・即死であり決めるのが簡単かつ速いコンボがあること
・1枚で強力なカードがたくさん入っていること
・流行のデッキに対して優位に取れること

 順番に語りましょう。

 まず、アグロデッキの強さ。それは、相手の行動の幅を狭め(受けに回らせ)、また、相手が受けきれない場合、そのまま勝つことでアドバンテージを確保できる点にあります。蒼いデッキがいかにドローを重ねてアドバンテージを取ろうが、それが使えないうちにゲームを終えれば、ゲーム終了時の手札の数がそのままアドバンテージロスなのです。特に現代のアグロは、クリーチャースペックのインフレに伴い、君が!泣くまで!殴るのをやめない!を体現します。ヨーリオンでがちゃがちゃ英雄譚出したり、これとこれのコンボですごいことになるぜウェヒヒなどと考えている楽しみを、4ターンで粉砕するのが現代のアグロです。アグロという時点でまず強く、そこにさらにグレートヘンジやスカルドの決戦によって持続力が加わっていれば、それはまず真っ先に意識せざるをえないデッキとなるでしょう。今で言えば、緑単、ボロスアグロ、ナヤアグロです。

 次いで即死コンボですが、まぁ当たり前のことが当たり前に書いてありますね。あいにく、スタンダードでは新しく、それでいて有効的な即死コンボは見当たりません。ヒストリック以下に期待しましょう。え?ティボルト君が2Tにウギン出してくるって?現実に帰ってきてください。

 そして1枚1枚のカードが強いこと。古くはグッドスタッフやジャンクと呼ばれた類のもので、現代のミッドレンジの基本です。カルドハイムは特に中盤以降に強いカードが多いため、ミッドレンジは数多の可能性にあふれています。アグロは既に確定してしまったようですので、この先いかに強いミッドレンジを模索できるかが、メタ初期第2フェーズのデッキビルダーの腕と言えるでしょう。

 ちなみに私が今使ってるのはこんな感じです。

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 最後に、流行りのデッキに強いこと。言うまでもなくコントロールですね。コントロールの成立はメタのファイナルフェイズです。どの除去を選択すべきか、フィニッシャーは何が理想か、除去・打ち消し・ドロー・フィニッシュの割合は。これは環境が定義されなければ作れません。もしもあなたがコントロールフリークなら、今すべきことはアグロを作ることです。敵を知らなければ、コントロールは作れません。


■3:Android版MTGAについて

 今の段階での個人的な感想を述べるならば、「クソ・オブ・クソ」です。

 まず、とにかくクリックミスが出まくること。特に、ライブラリーサーチと、ハンデスの挙動が最悪です。扇形に広がったカードから1枚を指定する挙動は、とにかくクリックミスを誘発させます。そして、サーチとハンデスのミスは基本的に命取り。少なくともタッチペン的なものを買わないことにはやってられません。

 もう1つは、必然的にプレイが遅くなること。これは、自分がAndroid版ならば当然ですが、PC版で遊んでいる際にAndroid版とあたった時のフラストレーションは最悪の極みです。まぁ実際、今Android版でPC版と当たるのかはわかりませんが。当たらない仕様になっていることを説に願います。

 そして最後は・・・結局のところ、民度の低下ですね。まぁこれに関してはあまり語りたくありません。察してください。

 しかし、あくまでまだアーリーアクセス。民度以外の問題は改善する可能性があり、長期的な目でみればそこまで悪い話でもありません。開発者的な視点でいうと、iPhone版のリリースこそが本番に思えます。Android版は、それまでの「つなぎ」であり、言うならばオープンベータ。iPhoneユーザーが、MTGAのためにAndroidに乗り換えることはオススメしません。

が、それでもどうしても今すぐAndroidに乗り換えたい!というのであれば、「galaxyS10」を強く推します。って、docomo店員が言ってた。


■4:終わりに
 いい加減にMTGやめます。(そうできたらいいな)

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