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【記事和訳】先天性ミオパチーの遺伝子治療

元記事↓
Boys with a rare muscle disease are breathing on their own, thanks to gene therapy


-------以下和訳
遺伝子治療のおかげで、希少筋疾患の男の子は自発呼吸しています

新しい遺伝子治療は、生まれつき極度の筋肉の衰弱を起こすことが多い希少筋疾患であるミオチュブラーミオパチー(MTM)の9人の男の子に驚くべき結果をもたらしました。
男の子全員がより良い神経筋機能を獲得し、ほとんどは一人で座る事が出来るようになり、そして今4人は呼吸器なしで呼吸しています。
彼らの改善の様子がおさめられたビデオが5/1にアメリカ遺伝子細胞療法学会(ASGCT)の年次総会で示され、聴衆は拍手を送りました。この希少難病に対する彼らの成果は、遺伝性筋疾患に遺伝子治療を使用することにおける成功の初期の兆候です。

筋肉機能に関する限り、少年たちは「何もないところから希望がうまれた」と、カリフォルニア大学ロサンゼルス校の神経内科医、ペリー・シー主任研究員は言う。「時が経てばこれらの価値がわかる」

この新しい研究の患者は、酵素であるミオチュブラリンをもつMTM1と呼ばれる遺伝子の欠陥によって引き起こされるX連鎖MTMを持っています。 骨格筋は、発達し機能するために酵素を必要とします。この病気を患っている少年たちは筋肉が弛緩し、自発呼吸をしたり動けたりするのはごく少数で、ほとんどの場合は人工呼吸器と経菅栄養が必要です。患者の半数は18ヵ月で死亡し、10歳まで生きる人はほとんどいません。

カリフォルニア州サンフランシスコにある遺伝子治療会社、Audentes Therapeuticsが支援するこの治験では、8ヵ月から6歳までの9人の男の子に、アデノ随伴ウイルスと呼ばれる無害なウイルスの何兆もの粒子を静脈内(IV)注入しました。ウイルスは、MTM1遺伝子の良質なコピーを男の子の筋肉細胞に運搬するように設計されています。この遺伝子は自由に浮遊するDNAの一部であり、その後、細胞のタンパク質生成機構がミオチュブラリンを生成するきっかけとなる可能性があります。3人の患者は心臓炎症の副作用が発生しましたが、すべて治療可能でした。

生検では、最初の6人の男の子が治療を受けてから48週間後、これまで実質的にミオチュブラリンを含んでいなかった彼らの足の筋肉細胞に平均85%の筋肉細胞を作っていた、シー主任研究員は報告しました。少年たちの異常に小さな筋肉繊維は大きくなりました。4人は今や助けを借りずに座ることができ、3人は助けを借りて歩いています。まだ経管栄養で栄養補給をしていますが、何人かは食べ物を食べ始めました。また、初めて声を出せた子もいます。とシー主任研究員は言います。

一組の治験前治験後のビデオでは、1歳の男の子が治験台の上で横になっています。治療の48週間後、彼は立ち上がって助けを借りて立ち上がることができました。別のビデオでは、ふらふらで立ち上がるために助けを必要としていた子供が一人で座っておもちゃに手を伸ばしました。高用量で治療された3人の子供は、6ヵ月後に同様の運動機能の増加を示し、それに加えて筋肉細胞の変化が速く、健康な子供が作るミオチュブラリンの最大で倍になっている、とシー主任研究員は報告しています。

カリフォルニア州パロアルトにあるスタンフォード大学の遺伝子治療研究者であり、ASGCTのマイケルカロス学長は、シンポジウムの議長を務めました。そして理論的には、これらの成果続く可能性があります。筋肉細胞は通常分裂しないので、注入されたミオチュブラリンは今後何年間も男の子の筋肉を動かし続けることができます。 同じ治療をして走れるようになった、より緩やかな症状のMTMの犬は、何年も走る力を維持している、とシー主任研究員は指摘しています。

Audentes遺伝子治療会社が米国食品医薬品局(FDA)にから承認を求める前に、治療はより多くの子供でテストされるでしょう。一方、15人の子供の症状改善に劇的に繋がった脊髄性筋萎縮症のためのもう一つのIV遺伝子治療は、間もなく遺伝性疾患のための2つ目のFDA承認遺伝子治療になると予想されます。(一つ目は、2017年末の遺伝性失明症に対する遺伝子治療でした。)

昨年、マサチューセッツ州ケンブリッジにあるバイオテクノロジー会社Sarepta Therapeuticsの実験的IV遺伝子治療も、デュシェンヌ型筋ジストロフィーを患って生まれた4人の男の子の筋力向上を助けました。そして同様の治療の60日後、肢帯型筋ジストロフィーと呼ばれる疾患を持つ患者は、筋肉タンパク質の不足分を大量に作っている、とSareptaは最近報告しました。Louise Rodino-Klapacは、昨年オレゴン州立大学とコロンバスにあるNationwide Children's Hospitalの研究室でキャリアを過ごした後、昨年Sareptaに入社して遺伝子治療部門を率いていました。

これら及び他の成功は、この分野への関心の爆発的な増加を後押ししました。ASGCTの会議の参加者は例年の2000人から4800人に増加。新しい参加者の多くはバイオテクノロジー企業の出身です。Calosによると、これは合図です。初期の障害を克服した後、遺伝子治療は現在「医学の一分野として成熟しています」と語っています。


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