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【 サイコ・ゴアマン 】 感想vol.038 @シネマート心斎橋① 21/7/31

20/加/シネスコ/監督:スティーヴン・コスタンキン/脚本:スティーヴン・コスタンキン/撮影:アンディ・アペール

なにやら80年代の香りが漂う、SFスプラッター・アドベンチャー。これは興味をそそられるではないか。どうやら評判も上々の様子。そんなこんなで観賞に至る。

ストーリーについて。兄のルークと、庭で謎のスポーツ「クレイジーボール」(ルールが複雑すぎる!)に興じていた少女ミミ。偶然にも太古の昔に地中に埋められ、封印された銀河の破壊者を掘り当ててしまい、その封印を解いてしまう。本来であれば、その力を遺憾なく発揮して殺戮の限りを尽くすはずであったが、ミミが破壊者を意のままに操れる宝石を手にしていたことにより、自由が利かない。不承不承の内に銀河の破壊者は「サイコゴアマン」と名付けられ、子供のいたずらに付き合わされる日々を送る。一方、サイコゴアマンの覚醒に気付いた宇宙の正義<テンプル騎士団>は再びサイコゴアマンを封じるべく地球へと向かうのであった。果たして地球の存亡はいかに。

基本的にはギャグベースで展開していく物語。小ボケの連続でクスクスが止まらない。最後までサイコゴアマンに、ルークという名前を覚えてもらえないという兄の境遇に思わず吹き出してしまったり。シンプルな構成故に見易さも極上。痛快だ。ただ、単なる勧善懲悪ではなく、正義と悪は立ち位置によって変わるのだという教訓めいたものも含まれていたりして、表面的なおとぼけに終始していない所も興味深い。まあ、それはいいか。

好きな所を挙げるとすれば、独占欲からか、ミミがサイコゴアマンの能力を使って好きな男の子を脳みそのお化けに人体改造してしまう場面だ。その姿がどうにも哀愁があり過ぎる。物語の最後、サイコゴアマンが去って行った後も元に戻る訳でもなく、日常が延々と続いて行く。これにはちょっとゾッとする寒気を感じたものだ。

主演の少女ミミを演じたニタ=ジョゼ・ハンナ。『ゴッド・ブレス・アメリカ』に出演していたタラ・リン・バーを彷彿とさせる。彼女のことを個人的に注目していたのだが、その後の活躍を全然聞かない。お元気にしているのでしょうか?

また、何故か黒沢あすかが日本語で声の出演を果たしていたのだが、これは園子温作品の影響があってのことだろうか?いずれにしても、ちょっと驚いたもんだ。

舐めていたわけではないけれども、マジに面白い作品であった。観てよかったなり。

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