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詠む【自作歌置き場】

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川田果弧の歌です
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2018年8月の記事一覧

塔 2017年2月号掲載歌/川田果弧

自転車に通学してゆく少女らのスカートの襞交互に尖る
ハンドルの無き蛇口立つ裏庭にかたばみの花咲きて静もる
秋晴れのプールサイドに軽鴨は嘴ふるはせて首をしまへり
おもむろに吹かるる Over the Rainbow 虹の手前に二度つまづきぬ
荻の穂の揺るる彼方にかがよへり今し吹かるるトランペットが
荻原はクリーム色の陽に染みぬとんび平たき螺旋を描く
死のうよと誰彼にいふ酔ひどれの袖口に貝の釦が光る

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塔 2017年1月号掲載歌/川田果弧

声あげて素足に浅瀬をわたりゆく子らの腓にひかりの鱗
積雲の天辺きらり光りをり乗り越したれど顔には出さず
曽祖父は名をニヘイと言ふ うはごとに西瓜欲りつつ逝きにしと聞く
眼鏡にぶつかり来たる青金蚉 日なかの月はうすく削がれて
登戸駅ゆ乗りしタクシーの助手席に多摩川梨の積まれてをりぬ
恋人に梨買ひにきとふ運転手の形よき眉ミラーに映る
ひと枝に咲き残りゐる百日紅あなたの声を憶えてゐます

(若葉集/江戸

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