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🇦🇪ドバイの未来博物館②【2023年5月9日】

地球を俯瞰してみることができる巨大なパネルの部屋を後にし、次なる展示へと向かう。途中、よくあるSF映画のような液晶に目が留まる。空には乗り物が飛び交っていて、高層ビル群がバンバン立っている。まるでマーベルの作品みたい。強いていうなら、ブラックパンサーかガーディアンズのような風景。描く未来は映画の中とそんなに変わらないのだなあ、と思った。 

次の部屋は、たくさんの「種」の展示だった。クラゲやイルカなどの海の生物から、ひまわり、花、木、草などの植物、哺乳類から昆虫まで、さまざまな種族が小さな瓶に入って展示されている様子は圧巻だった。

ここではかなりの時間を過ごした。真っ暗な空間に無数にある瓶が並んでいるだけではなく、さまざまな色のライトアップがされている。赤になったと思ったらだんだんとオレンジ、黄色になり、やがて緑色を経て青、紫へと変化していく。ただ展示されているだけではなく、毎回色が変わるのでついついいろんなパターンの「種」に見入ってしまう。例えば生き物、馬がオレンジ色の時は、植物はピンクに光っている、というように、時間差で色が変化していく。

何周もぐるっとしていると、スタッフが声をかけてきた。音声案内だろうか。どうせ聞いてもわからないので断った。360度カメラで撮影してみたら面白そうだ。歩きながら動画を撮影してみても綺麗に撮れそうだ。試行錯誤し、何枚も何枚も写真を撮った。絶妙な色に変わるタイミングをカメラが捉える。まだ展示の序盤だったが、ここには何時間もいられそうだった。時々、自分はカメラマンに向いているのではないだろうかと錯覚する。なかなか動けずに歩き回った。

海の生物を見ているときに、男の子が真っ先に「クラゲ」コーナーにやってきた。「ちょっとごめん」と目の前の私に断りを入れたあと、一匹のクラゲの瓶を撮影して、その場を去っていった。彼が撮影したクラゲを見ると、確かにキュートな風貌をしていた。クラゲは人気なようで、人間の目線のちょうどよいところに展示されていた。そうそう、この「種」の部屋は、上下一面に瓶が飾られてあって、上の方に飾られている「種」まで全部は見ることができない。あるいみ良かったような。その不思議空間にはとてもひきつけられたから、そこだけで閉館時間になってしまわないように。

十分に「種」の部屋を見学した後、宇宙で育てているような植物が壁に展示されている部屋に移る。なかなかおしゃれな展示方法だと思う。

次なる展示部屋は、一階分下の階に降りていくと現れる。イスラム文化が感じられる扉になっていた。リヤドの入り口のような、マハムのような・・・。その魅力的なアーチ状の扉をくぐると、ベンチがあり、ちょっとした癒し空間となっており、カップルや見学客が座っていた。しばらく進むと、視覚や聴覚、触覚を使って感じる展示が現れた。絨毯に光が集まっており、踏むと光が四散するようになっている。なかなか幻想的だ。ぼうっと見入ってしまう。喜んだのは子供たちだ。薄暗くて幻想的な空間にある、不思議な絨毯の上をかけ回っている。そのたびに光が集まったり、逃げたりする。

その奥に別の展示があった。聴覚に関わるもので、銅鑼を鳴らして反響を感じるものであったり、熱は全く出ていないのだが、コンロの音と同じ音がする金属製の金網に手を当てる展示も。これは不思議なのだが、手を当てていると本当にあったまっている気がするのであった。また、瞑想するにはうってつけの、光が天井に波打っている空間があった。ここではみんな寝そべり、天井を見つめている。静かな音が流れ、リラックスした様子だった。

そのフロアを降りると、キッズスペースになっていた。本や子供向けのミュージアムグッズなどが売っていたり、大人が入れない遊び場へとつながっていた。

そのフロアのさらに下に行くと、現実的な展示が待っていた。AIロボットで、質問するとなんでも答えてくれたり、人の外骨格を支えるスーツ、空飛ぶ車など。トヨタも出資しているようだった。なかなか2071年が近くに見えてきたような展示だった。割と2071年は現実味を帯びていて、SFのようなぶっとんだ展示というわけではなかったが、メーカーがすでに未来への問題に対しての課題解決をし始めていて、興味深かった。

エントランスに戻るには、エレベーターを利用した。降りるとすぐ、目の前に香水を作ってくれるAIや、コーヒーを入れてくれるロボット、お土産屋さんが現れる。お土産にマグネットでも、と未来博物館の外観を模したものを買おうと思ったのだが、少し高かったのでやめた。うろうろしていると、銀色のペンギンがエントランスの上空を飛び回っていた。一体何事だろう。どういう仕組みかはわからないが、風船かな?ラジコンかもしれない。向きを変えて悠々と泳いでいる。こっちに真正面に向かってきて、ドキッとした瞬間もあった。子供も大人も、銀色のペンギンを面白がって動画を撮っていた。

外に出て外観でも写真を撮ろうと思った。そこで、お土産屋の奥から外に出ると一瞬で後悔した。やっぱり暑い。さっと撮影を済ませて、逃げるように駅に向かった。

朝から何も食べていなかったので、最初に目に留まったところで昼食を済ませようと思っていた。白いトンネルをふたたび抜けた後、駅に行く途中に別の建物につながっている通路を見つけた。ご飯が選び放題のモールに帰ることは現実的ではないため、その通路の先に行ってみることにした。すると、スタバとレストランを見かけたので、レストランで食事をとることにした。シュリンプサラダだけで2000円くらいした。肉も魚も入っていないのに、昨日のクスクス弁当より高い!しかし暑さのためあまり食欲がなく、サラダのみ購入を決めた。プラスチック容器に入っていたのでそのまま食べられたのだが、イートインの場合はわざわざ皿に盛りつけてくれるらしい。皿に盛られたシュリンプサラダを食べながら、ぼんやり周りを見渡してみた。この店はサンドイッチの方が安かったかもな。おなかにたまる方が良かったかも。すると、店の一角の壁に「こぼれたミルクは戻らない」と英語で書いてあって、今の自分の境遇を思い、にやりとしてしまった。

これで2000円か~

その建物はオフィスビルみたいだったようで、特にほかに見るべきところはなさそうだった。長い通路を戻り、駅に行くことにした。昼に行きそびれたスークに行くことにしてみよう。

こうして、まだ明るいドバイの旧市街、スークを見学しに行くことになった。

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