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今日の1枚 審判(Judgement)

なぜ審判という名前なの?

好きなカード。棺桶らしいものから、天使の吹くラッパの音で目を覚まし、そこから復活を遂げるような、そんな構成に見える。マルセイユ版では、3人の人間(左側に女性)、右側に老人、そして中心の人物が背中を向けて棺桶から復活し、全員で天使のラッパを聞いているという構図。

どうしてこれが「復活」という名前ではなく、審判なのか。そこが気になる。

ウエイト・スミス版
マルセイユ版

最後の審判

天使のする審判といえば、死後に人生の決算をして、その罪の重さ、徳の多さなどを天秤にかけられるといった、西洋風であれば、以下のような絵が想起される。

ハンス・メムリンク「最後の審判」

中央の大天使ミカエルが、復活した人の魂の計量をしている。右側は悪魔が地獄へ連れて行き、左側は天国への門を、ペテロと天使たちが歓迎するという、復活した人々の救済の様子が描かれている。「復活」はこの中央の部分であり、「最後の審判」の日を示唆するストーリー。

「復活」のイメージはこの左側。ここでマルセイユ版に戻ると、中央の人物が復活したときに両側の女性と老人は歓迎し、その天使の判断に対してのラッパの音は「聞くしかない」状況のように見える。

このカードで「目覚め」みたいな象徴が書かれてることが多い。それはラッパが目覚めの意味で捉えているんだけど、そうではなく、審判する場所へいざなう合図と判断したいところ。天使がラッパを単独でもって吹いてしまうモチーフは「黙示録のラッパ吹き」で、あれは災害を起こさせるやつですからね。そのラッパではないと思うけど。

復活を遂げていく

ということで、このカードが出たときの解釈は、これまでの決算を終えて、新しく生まれ変わる。単なる復活ではなく、導かれて、これまでのやってきたことを踏まえて、新しい自分、新しい何かを手に入れていく。それは導かれるように、という感じかな。


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