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親子のこと

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親のこと、子供のこと、その関係についての考察や自分の思い出話、などなど家族に関することなら何でも ※映画の感想については含めません
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#発達

キミの発達を見守るしかない私は、どんな言葉をかけてやれば良いのだろう

 急に札幌に行くことになって、この一週間バタバタしてしまった。  3月上旬、息子が帰省すると、ちょっと前から精神状態があまり良くないのだと打ち明けてくれた。自らカウンセリングにも通っていると言う。  内容を聞いて、私がどうにかしてあげられるのかわからず、夫も私も息子の気が向く時に話し相手になる。  2週間ほどでだいぶ気分も落ち着いてきたようだったけど、札幌に戻りたくないと言い始めた。真意がはかりかねて引き続き息子の気分の変化など待った。  細かなことは、何年後かに笑い話と

子供の優しさを感じた日~発達障害グレイゾーンについても考える~

 20歳を超えた息子が、最近自分の好きなことで成果を上げている。すごい! と、その集中力に驚くと共に、それ以外の多くのことは面倒くさがっては無難にこなせない息子に「息子らしいね」と夫と笑ってしまう。  うまくやり過ごしたりこなしたり、できない部分があっても、そこまで本人が不自由しておらず、周りを傷つけたり困らせたりしていないのならかまわないんだよ。  こんな風に思えるまでになるなんて、幼少期の息子で悪戦苦闘していた私に教えてあげたい。  幼稚園や保育園での行事と言えば、多

育っていたと気づく息子の感性~絵本「よるくま」で~

「ちゅきま、白いねえ」  息子の視線の先には、白い月が空に浮かんでいた。 「おつきさま」を、その頃「ちゅきま」と言うようになっていた。  その後「黒、ないねえ。水色ねえ」って言う。  黒? 何言ってるんだろうと、息子と並んで空を見上げた。 *  今はよく喋り、気持ちを表現してくれる息子の、十五年ちょっと前。  言葉遊びや仕掛け絵本から、少しだけ文字が増えて、ストーリー性のある絵本に移行しようとしていた。  二歳くらいの息子は、人一倍かんしゃくがひどかった。周りの同

「可愛くて笑っちゃう」息子

 幼い息子が可愛くて、むっふっふと笑っちゃう。  「なんで笑うの!」  かんしゃくの強い息子が、また絡んできて怒っている。  「えっ。可愛いからだよ」 と言うと、「可愛いから笑うの? 僕はそんなので笑わない!」と突っかかってきた。  「息子クンよ。息子クンが笑わなくても、可愛いと笑っちゃうこともあるんだよ。息子クンは違っても、笑う時にはそういう気持ちがあることだってあるんだよ」  発達のゆっくりな息子だったので、ちゃんと教えなくちゃわからないかもしれない。  こんな冷静に

「何かが、いつできるか」なんて問題じゃなくて、一人ひとり違う

 夜、制服のジャケットをハンガーにかけながら、「制服をハンガーにかける僕、エラくない?」と息子が鼻を膨らませて言う。  高校三年生なんだから。当たり前だ。でも。  「エライ!」  間髪入れずに言う。息子が褒めるのを求めている時はためらいなく! 息子が自分から言っているから、笑いも生まれる。  「でもエライって言われたいだけじゃないんだよ。中学生の頃に、お母さんが毎日、制服かけてくれて、寝る前には床にない状態にしてくれてたでしょ? それから少しずつ“制服かけて”って言うよう

その子しか持っていないものは宝物~しつけが後回しになっても~

 noteを読んでいると、幼少期のお子さんを持つ親御さんの文章に度々出会う。  まず高校生の息子一人を持つ親として、偉そうなことは何一つ言えない。目の前の子供は一人。自身の子として1パターンしか知らないわけで。それに今も子供は発展途上であり、何より私など30過ぎてから母親に反抗的な態度をし続けてしまった。7年程かけてようやくそこを抜けたのだ。子育ての結果みたいなものは、一生わからないものかもしれない。子供自身がどう思うか、なわけだし。  とりあえず目先のことだけで言えば、