【かるた】ぬ/沼

【ぬ】
沼から　ぬぅーと　ヌーがでてくる

〈子供はみんな戦隊ヒーロー沼に落ちると思っていた話〉

5歳の小さい人は、戦隊ヒーローのテレビ番組をあまり見ない。こちらがチャンネルを合わせつけてあげると見る場合もあるくらいのテンションだ。
しかし、全く興味がなかったかと言えばそうでもなく、昨日から新しい番組に切り替わったタイミングだが、その前の番組の前半あたりは見ていた気がする。

もっと遡ると確か4歳になったばかりぐらいにネットの配信で何年か前の戦隊ヒーロー「ゴーカイジャー」にハマり、突然

「母さん！マント作って！」

と言われ、家で余っていた濃い赤色の布でマントを縫ってあげた事がある。小さい人はそれをたいそう気に入って庭に行くのも近所の散歩もまるでコートを羽織るようにつけていた。

男の子と言う物は、みな戦隊ヒーローに憧れ、やれ、なんちゃらソードとか変身ベルトやらを誕生日やクリスマスのプレゼントにねだって、必殺技を駆使して悪役の父と闘う物だと思っていたので、小さい人にも遂にその日が来たのか！と覚悟して身構えていたのだが、蓋を開けてみれば「マント熱」も正味2ヶ月くらいで、あっと言う間に通り過ぎて行った。

変身ベルト的なものも、一度家電量販店で展示してあるのを見て「欲しい！」と言っていたものの誕生日もクリスマスも半年以上先で、誕生日が来た時には「欲しい熱」もすっかりカチコチに冷めていた。（そもそもそのグッズはゴーカイジャーではなかったからかも知れないが）

こうしていろいろ思い返してみると、ものすごく短かったが小さい人なりに戦隊ヒーローに憧れ、ハマっていた時期もあったのだと思えてきた。

ただ、沼の上を全力ダッシュで駆け抜けていたから沈まなかったのかも知れない。

〈一般的にはそれを飽き性と言う話〉