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しぶとく

えらく昔、近所のよくいく銭湯に宮藤官九郎さんがいらっしゃると聞いた事がありました。

そんな話もあったなとのぼせかけていたら


クドカンさんが隣に浸ってきました。

そんなバカな、、、

バカではあるのだけども、、

バカな、、

あったまった身体がとんでもなく更に熱くなりました。

湯気が真っ白で姿がふさがれようとも
どうみてもなにしてもなんにしても


宮藤さんでした。

その表情は銭湯の醍醐味すぎて

とても声をかけることが出来ませんでした。

大好きな作品達が頭にぐわんぐわん浮かんでドキドキして 
のぼせてきました。

あと1分で浴槽から出よう。

痩せ型2人の身体が浴槽から飛び立とうするタイミングが嘘みたい噛み合いました。

「あっ、」

あの、僕最高にいつも元気もらってます、、
ありがとうございます。

言ってしまった。
風呂屋で既に発汗してるのに別の汗をかいてしまいました。

宮藤さんは、がちゃっとしたくしゃくしゃの笑顔で
ありがとうございますと返してくれました。

僕は名前も役者をしている事も何にも伝えませんでしたが一番伝えたい事を言えました。

裸のまんまで

そしてふわーと家に帰りました。

冷たい布団にあったまった身体をすりこんでたくさん寝ました。



そこから3年ばかし、意味も分からずしぶとく続けています。

僕は現場で二言の台詞の

一言めのセリフをありえない角度で間違えてしまいました。

なんてことだ。

消え飛ばしてくれ、やってしまってる。、、、

楽屋で阿部サダヲさんが僕の芸名で笑ってくださいました。

たくさん見てきた優しくて真剣な世界がしっかりありました。

見事に微かな出番でも僕は本当に永遠に思えました。

熱くなった気持ちや思いや反省は死ぬ前で噛み締めればいいと思いましたが

とにかく人生不意打ちの連続です。

この前も自転車のタイヤとコンクリートが擦り合い
究極の角度で傾いて、何とか立ち戻りました。

更にこの前は北海道でもののけじみたエゾジカと正面衝突して、負債を抱え身体だけは健康でなんとか東京に戻ってきました。

もっと更にはビルから落下して全てが終わりかけてきましたが、お家にしばらくして帰ってこれました。

全部自分で招いています。
これを笑ってくれてふざけてくれて密かに励ましてくれて。

本当にお陰様で何故か生きてます。

まだまだここからどうしようもなく頑張れる気がしたので何ともしるしました。

これからも会える時に色んなたくさんを大切に出会っていきたいです。荒


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