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背中のボルトが抜けるまであと2日


先週入院にあたり

PCR検査とレントゲンを撮ってきました。


PCR検査には妊婦さんやお爺ちゃんお婆ちゃんが


黒い待合いプレハブボックスに座って待ってました。

そこから一人づつ名前が呼ばれ検査室に

一人のおばあちゃんが鼻水を垂らされ

涙目で検査室から出てきました。

何をいったいされたんだよ、、

大先輩の涙はそう見れるものではありません。


驚き満ち溢れた表情のさなか、名前が呼ばれました


「川崎さん」(僕の本名です)


「はあい!!!」


ひとけのない田舎の農村地で育った為

どんな遠くの村人にも届く伸びやかな声で発します。


「川崎さんですね」

「はい川崎です」

伸びやかな背丈の看護師さん

見た事のない伸びやか綿棒を持っておりました。


「こちらを鼻の奥に15秒いれますので上を向いてください」


その長棒、どこまでを鼻の穴にいれるんだ?いったい泣


大先輩のおばあちゃんの顔が浮かびます


鼻水と涙目を垂らされただけでよくすんだな

流石だ


看護師「いきますよ」

「はい、、、」



ヌリン!!!!!!!



「ひいいいいいいい」

目ん玉の裏側に長棒が届くんではないかという

勢いで長棒がくり込んできます


「大丈夫ですか?あともう少しです」

「へぇあひあいはぃ」

軍隊なら一撃で除隊命令が下される最弱の返事を返しました。


「抜きますよ!」

「へあああはぃ」


ヌキン!!!!!


鼻の中に入れていい長さとは思えない棒がヌキンと引き抜かれました。


ここまでの泣きっ面は久しぶりでしょう、、

ボルトを引き抜かれるよりハードな気配を感じました。


そして無事陰性でした。

このような最善かつ安全な体制で検査をしてくださる医療従事者の方々には本当に感謝ありません。


なんか腹減ったな。

出術がうまくいきますようにと帰りは


荻窪にあります老舗中の老舗「丸長中華そば店」にいきました

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ここは注意書に「調理にお時間がかかりますお急ぎの方は注意下さい」と


時間しかないその日、いつまでも待ちますよと異常なまでのアルカイックスマイルで着席します。


店主のおじさんがすり鉢に、無数のスパイスを独特なテンポでふりかけていきます。


厨房に覆いたつ湯気により、おじさんの動きがより幻想的なものへと昇華されていきます。


かっこいい、これがプロフェッショナルか


夢でもみてるのかと思わされるドラッキーな香りが先程刺激された鼻奥に届いてきます。


「はいお待ち」

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いっきに我に返ります

 

なんなんだこの混沌黒スープは

何を練り込んだらこのネギ黒スープになるんだよ


だめだ食べよう


「ん・・・・勘弁してくれよ」

「・・・うますぎる」


考えられません

これが美味しさの始まりなんではないかと

ガチんとした黒胡椒、決して甘くない道を歩んだであろうコクのある甘さ


一本一本に柔らかな、しかし頑固たる芯が通っているおやっさんの様な麺


「ありがとう」

こんなに素直にこぼれたありがとうはいつぶりでしょう

「ありがとう」


また元気な身体で帰ってきますとお店を後にしました。


タテオ








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