見出し画像

大学サッカー(バイト編)

フロンターレのチームメイトにこの話をすると、かなり驚かれることが多いのだが、僕は大学1年生から4年生まで、地元の駅前にある居酒屋でバイトをしていた。
プロになった選手たちにバイトの話を聞くと、日雇いのバイトをしたことがあるという選手は何人かいたけど、大学時代の丸々4年間、バイトをしていたという選手は、僕がフロンターレに在籍した11年間で多分1人もいない。

もともと拓殖大学サッカー部は朝練だったこともあり、午後の余った時間で自分の小遣いを稼いでいた。
今ではこうやってプロとしてお金を稼いでいるけど、時給900円だったころを経験しているからか、お金を稼ぐことの大変さもわかっているし、一般的に見ても金銭感覚は全然ズレていないと思っている。

ただ、バイトをはじめた大学1年生の時に、お金を稼ぐ喜びを知ってしまい、時給の高くなる夜勤にバイトを入れまくって体調を崩し、盲腸になって入院したことは、僕のバイト経験における1番の失敗談だったかなと思う。

居酒屋でのバイト仲間は明るい性格の人が多く、店長たちもみんな優しかった。
自分がサッカーを本気で頑張っていることを知ってくれていたので、居酒屋では人手が必要な金曜日と土曜日も、試合の前日のことが多かったことから、ほとんど出勤できなかったけど、そこは自分の意見を尊重してくれた。
居酒屋だったから、酔っ払った人の面倒を見たり、トイレからはみ出した嘔吐物の処理をバイト仲間でジャンケンして、片付けていたことが懐かしい。

このnoteを始めてから、つくづく思うのは本当に自分は、普通の人と何ら変わらないということ。
だって、子どもの頃の僕は、Jリーガーになれる人というのは、才能があってエリートで、ずっとキラキラした人生を送っている人だと思っていたから。

ところが実際の僕はというと、小学生まではよかったものの、中学生になるとたいした成績も残せず、Jリーグのユースでプレーすることができなかった。
高校卒業時には自衛隊のチームでサッカーをやる可能性すらあったわけだ。
大学でも、フロンターレでプロになった誰もが経験していないようなバイトを4年間も経験して、それでも今こうしてプロサッカー選手としてプレーしている。

そうした過去を振り返ってみて、自分が改めてこのnoteを通して伝えたいことは、「誰にだって可能性はある」ということ。

もちろん、死ぬほど頑張ったって、努力したって、夢を叶えられる保証なんてどこにもない。

それでも、人生に訪れるであろう何度かのチャンスを、しっかりと物にできた人だけが、夢を叶えられるんだと思う。
そして、それはいつでもその目標に対して、しっかりと準備のできている人だけがつかめるもの、勝ち取れるものだと、僕は思っている。

特異な経験をしているからこそ、僕はそう思うのだ。

最後に、僕の大好きな言葉を綴りたい。

『成功は、やみくもに追いもとめる物じゃない。それに向かってたゆまない努力を重ねるものだ。そうすれば、成功は思いがけない時にやって来る。それがわかってない人が多いんだ』

これはあのマイケル・ジョーダンの言葉だ。

自分がなかなかうまくいかないときに、僕はいつもこの言葉を思い出す。

僕もこの言葉に励まされてきたように、悩んだり、諦めそうになっている人がいたら、この言葉を噛みしめて前を向いてくれたらうれしいなと思う。