ピアノのはなし
母と一緒にピアノの発表会へ行ってきた。
産まれた時から知っている近所の姉妹の発表会だ。
それぞれ高校3年生と中学3年生で受験生なので、今回が最後の発表会だという。
この前オムツはめてたのに…時の流れが早すぎてめっちゃ怖いんですけど。
幼児から高校生まで綺麗なドレスを着て、一生懸命に弾いていて、知らない子なのに(頑張れ…頑張れ…)と思いながら聴いてしまった。
姉妹もとても上手に弾けていて、おばちゃんウルっとウルルン滞在記(懐かしいよね…ウルが出てくるとウルルン滞在記までセットで言わなきゃ気が済まない病気なので許してください)
実は私も3歳から14年間ピアノを習っていた。
勉強や運動は全くダメだったけれど、ピアノだけは他の子に負けたくなくて必死に練習していた。
しかし、どんなに上手に、どんなに完璧に弾けても母は褒めてくれたことがなかった。
発表会の演奏を最後まで聞いたところで、
「私もあの時はまぁまぁ上手だったよね〜」
とヘラヘラしながら言ったところ、
母は
「今日聴いた子たちよりも上手やった。あんたが一番上手やったよ。」
と言ったので腰を抜かすぐらい驚いた。
と同時に、褒められたくて仕方がなかった子どもの頃の私が現れて、すごくすごく嬉しくって泣いた。
思わぬご褒美が降ってきた36歳の夏の日。
(おわり)
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