見出し画像

現実を見るな、「サバイバー:宿命の大統領」を観ろ。

「24」「プリズン・ブレイク」以降、海外の連ドラが日本でも普通に観られるようになって久しい。

みんな色々観てますよね。「ウォーキング・デッド」なり「ストレンジャーシングス」なり。あのキャラがどうしたこうした、誰が死んだ、死んで泣いた、と熱く語り合っていますね。


僕はずっと思っていた。そして憤っていた。

なんで誰も「サバイバー:宿命の大統領」を観てないんだ!!!!!!!!!!!!!!

「サバイバー:宿命の大統領」、人気なさすぎ!!!!!!!!!!!!!!!ワロタ!!!!!

と。


これを読んでる人で「サバイバー」(と以下略します)のコアファンがいたらこの先は読まなくていい。今すぐ僕に電話してください。語り合いましょう。番号は090-...
と個人情報を明かしてしまいたいほど「サバイバー」を観ている人に会ったことがないのだ。あんなに面白いのに。まったくこの世の中はどうかしてる。

そこで僕は立ち上がることにした。すでに評価が確定しているものにしか手を出さず、能動的に面白いものを探そうとしない、君たち無知な一般大衆に「サバイバー」のことを教えてあげようと思う。(言葉が荒いですが憤っているのでお許しを)今夜は長くなるぞ~。


「サバイバー」は大体こんなドラマ

「24」のジャック・バウワーでおなじみすぎて、もはや役者の名前より「ジャック・バウワー」で認知されている大物俳優キーファー・サザーランド主演の政治ドラマ。舞台はホワイトハウス。

アメリカには政治家が集まる場所でテロが起こることを想定して、数名の議員や閣僚を別の場所に隔離しておく「指定生存者(Designated Survivor)」という制度がある。

もちろん政治家全員が一気に死んじゃうテロなんて現実にはほぼあり得ないわけで、指定生存者は"一応置いてある"程度の存在。だったんだけど、そんな最悪のテロが実際に起こってしまう、というのがドラマの始まり。

ワシントンの国会議事堂で起こった爆破テロにより、キーファーさん演じる住宅都市開発長官トム・カークマン以外のほぼ全ての政治家が死去・行方不明に。

元大学教授の温厚なおじさんで、政治家としての野心0だったカークマンがいきなりアメリカ合衆国大統領になり、様々な事件に対処する中で大統領として目覚めていく…。というお話。

シーズン3まであって、打ち切りが決定してる(怒)らしいので、割とサクッと見れます。

ちなみに僕は今シーズン3を観るためにシーズン2までをすべて見返して、「やっぱおもしれ~」という熱でこれを書いています。なので3は未見です。


「サバイバー」こんな人にオススメ

〇政治ドラマが好き(「ハウスオブカード」とかね)

〇政治わかんないけど大人だし知っとかなきゃな~と思ってる

〇頑張るおじさんが好き

〇「24」観てた

〇「インデペンデンス・デイ」みたいなアメリカがすべてを仕切り解決する単純な話が好き

〇現実に絶望している


逆にこんな人にはオススメしない

〇政治なんか1ミリも興味がない

〇なんかアメリカが嫌い

〇ほかの作業しながら適当に観たい

〇漢字が多い本を読むと眠くなる

〇誰かとドラマの感想を共有したい(不人気だからね)

〇余命が決まってる女子と男子の純愛を観たい


ここが最高!「サバイバー」の魅力とは

①ストーリー、ハラハラさせすぎ

シーズン1は議事堂爆破事件を解明するために新米大統領が奮闘する。政治ドラマというよりはサスペンス的な要素が大きい。
もちろん単純に犯人誰?どんな手口?というところにフォーカスが当たりつつも、ホワイトハウスメンバーや周りの政治家の思惑が明らかになってきたり、やっぱりあった「内部に裏切者が??」的展開にハラハラ。割と人も死にます。

シーズン2では議事堂爆破事件自体は一区切り。毎回のように起きる国内外のトラブルが見どころ。
疫病が流行ってNASAハッキングされて他国に戦争仕掛けられて内部情報リークされて家庭では夫婦喧嘩して…みたいなことが毎回立て続けに、しかも同時に起こるので、マジで合衆国大統領なりたくね~と思う。
トランプこんなことやってるの?だとしたらちょっと尊敬しようかなとも思えてくる。

大体1話の中で事が起こって、その話の中か次の話では解決することが多いので、ハラハラしつつもちゃ~んとスッキリさせてくれる。
ただ通して架空の国(多分イラクとか北朝鮮とかがモデル)との国際情勢や政治的な用語なんかも多く出てくるので、さっき書いたように「ながら観」には向いていない。しっかり向き合って話を理解していく必要があるドラマだ。
あと字幕だけだと難しい時があるので、英語が不得意な方は日本語吹き替え版と日本語字幕で見るのがオススメだ。カークマン役の声優はもちろん、ジャック・バウアーでおなじみ小山力也さんだ。


②ホワイトハウスの奴ら、キャラ立ちすぎ

後に述べるが、カークマン大統領がいい人すぎる、というのがこのドラマ最大の魅力。だが大統領を支える側近たちもそれぞれ人間味があって良い。
カークマンがいい人すぎて、基本的にみんなそばで働くうちに「大統領と働けて幸せ!」といった具合にカークマン信者になっていく。

数名紹介しよう。ついでに僕の最近の趣味「海外ドラマの日本版を作った場合のキャスティングを考える」の結果も発表していきたい。

画像2

大統領就任前からのカークマンの右腕であり最大のカークマン信者、首席補佐官のエミリーさん。馴染みのある名前。
とにかくカークマン愛が強く、大統領を守りたいが故に法的にグレーな行動にも出てしまう、情熱の女。ホワイトハウス内の男たち(2人だけど)とくっついたり離れたりする、隠れ小悪魔。ていうかエミリーをはじめ全体的にホワイトハウス職場恋愛しすぎ!近場で済ませすぎ!って思ったけど、忙しすぎて他で出会う機会ないってことなのかも。

※ちなみに日本版を作るとしたら…国仲涼子さん


画像3

マスコミ対応担当、報道官のセス。便所でカークマンの悪口を言っていたら本人に聞かれちゃうという気まずい登場だったが、人当たりと頭の良さでマスコミともうまく付き合う有能な報道官に。
とにかくセスはいつもコーヒー飲んでる。必ず片手に持ってる。
仕事終わった後はウィスキーかビール。1話に最低1ドリンクは持ってるので、観てるこちらの喉が渇いてセスと一緒に飲みたくなる、そんな男。

※ちなみに日本版を作るとしたら…ムロツヨシさん


画像4

色々役職を経て、なんか安全保障的な役割の仕事をしてる(筆者もよくわかっていない)男、アーロン。カークマン政権唯一のイケメン。失礼。
最初は割と生意気で、同じ側近のエミリーと対立もしてたけど、しばらくしたらやっぱりカークマン信者に。でもそうなってからがちょっと影が薄い。でもイケメンだからOK。

※ちなみに日本版を作るとしたら…斎藤工さん


画像5

シーズン2でいきなり出てきてチームに入り、「なんだこいつ!折角みんなで仲良くやってたのに!新キャラいらねえよ!」とファンをムカつかせた政務官リオ。(連続ドラマではよくありますよね)
しかしシーズン2の終わりごろ、ファンは皆こう思っていたはずだ。

「リオ最高!!!!!!!!リオ主役のスピンオフ作って!!!!!」

理屈っぽい変人としてコメディ要員的に登場するも、次第に揺るがない信念と正義感をもつことが明らかになってくる。特に、ある災害に巻き込まれた時に仲間を思って見せる表情は、もうそれ一発で泣ける。

※ちなみに日本版を作るとしたら…生瀬勝久さん


画像6

ワオ、美人ですね。美しく強く戦う「サバイバー」のアクション要員、FBI捜査官のハンナ。
……なんだけどこのハンナがカークマン政権最大の問題児でもある。わりと私情と自分の判断で動く動く、しかも明らかに危険なとこに一人でいったりするから何回も死にかける。
「サバイバー」の応援上映があったら「ハンナ、ちゃんと相棒連れてけ~!ってか行く前に連絡くらい入れとけ~!アッ、ハンナ後ろ!!」
といった声が上がることだろう。
シーズン2も後半になると、トラブルが起こるたび「またハンナか…」と視聴者をウンザリさせる気高き戦士、それが彼女だ。

※ちなみに日本版を作るとしたら…篠原涼子さん


その他チョイ役・敵役に至るまで、みんなキャラが立っていて愛せるってわけだ。これでもまだ見る気になっていないあなたに最後のオススメポイント。


③カークマン、マジでいい奴すぎ

画像1

実際の大統領の写真と言われても信じちゃいそうですね。こちらがキーファーさん演じるトム・カークマン。(日本版作るとしたらやっぱ唐沢さん)

就任当初は、大統領職についてなにも分かっていない素人のため、当然周囲の目は冷たく、世間からは「重大なテロが起こったってのになんだこのシャバ僧は!頼りねえぞ!」と叩かれる。
カークマン本人も戸惑いまくり。「俺っちなんでここにいるんだよ~」と奥さんに泣きついたりする。
しかし、テロに対処し、国内外の様々な問題に直面する中で次第に成長していく。

カークマンは政治家ではない(無所属だし)ため、とにかく議会やホワイトハウス内の力関係やしがらみには左右されない。彼のブレない芯はただ一つ、「国民のために奉仕する」という大統領としての理念だけなのだ。

最初は情けないし、温和な性格なんだけど、国民のためならやる時はやるカークマン。
それでも自分は人間だから完璧ではない、もしミスしたら教えて欲しいと国民に語り掛けるカークマン。
私利私欲で動く政治家を冷酷にこらしめ、一喝するカークマン。
実は演説上手で、どんなピンチでも大体演説一発で逆転させちゃうカークマン(水戸黄門の印籠みたいなもんです)。

ああ、カークマン。
多分どの国にも一人はこんな指導者がいてほしいと、観てる人は思うだろう。僕は思った。次の内閣総理大臣はトム・カークマンがいいと。もしくは政治家になる人の必修課題として「サバイバー」をみせて欲しいと。


色々ある昨今、政治に対して文句を言いたくなったりする機会も多いだろう。現実に絶望してしまうこともあるだろう。
そんな時、みんながこんなだったらいいな~と「サバイバー」を観て理想の政治家・理想のリーダーに思いをはせるのもいいんじゃないだろうか。

以上、「サバイバー:宿命の大統領」についてでした。


一応言っとくが「見たけどつまんなかった」というクレームは受け付けない。もう打ち切りになってるんだから許してやってくれ。「ハマった。川口さんのおかげでお家ライフが豊かになりました」という方はご一報ください。一緒にハンナの無謀な行動を笑いましょう。

さて、そういえば僕は米TVドラマの最高峰「ブレイキング・バッド」の大ファンでもあるが、なぜか「ブレイキング・バッド」を誰かと語り合った記憶もない。

こりゃ問題は「サバイバー」の人気というより、川口に人気がなく友達がいないというだけなのかもしれないね。それじゃあおやすみなさい。

カワグチへのサポートはフォークデュオHONEBONEの活動費に使わせていただきます。