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最高のロック歌手・反町隆史全曲レビューPart2

さて、昨日に引き続き歌手・反町隆史さん(以下リスペクトをこめて敬称略)の全曲レビューをしたいと思う。

Twitterで「反町隆史さん大好き!」とプロフに書いている方に若干見つかってしまい冷や冷やしたが、今のところクレームは見当たらない。

ちょっといじるような語調になってしまっているのは申し訳ないが、全てプラスの意味なのだ。そして、筆者ほど反町サウンドを研究しているファンもなかなかいないだろうという自負もある。もし「俺もくわしいです」という方がいたらまじですぐ連絡ください。飲みに行ってください。

では、名盤『メッセージ』を世に放った後の動きを見て行こう。ついてこい。

EP『FOREVER DREAM』(1997)

たしかこれが筆者が一番最初に触れた反町隆史の音源だった気がする。
大学時代の友達2人とBOOK OFFに行ったとき、「おい反町の知らねえCDある!100円だし全員1枚ずつ買おうぜ!」と、今思うと全然おもんないノリで買った。
中には特典のSorimachiステッカーが入っており、自分が当時買ったばかりのギターにネタで貼った。
すべてはほんの遊び心のつもりだったのだ。それが後の人生観を変えることなど知らずに…。

燦然と輝くSorimachiステッカー。今では勇気をもらっている。

1.Forever (WINTER VERSION)
1stシングル「Forever」の冬バージョン。どう考えても最高の夏ソングだったあの曲の冬バージョンというのは中々の冒険だと思うが、冒頭ゴスペルから始まる以外はそこまで冬感はない。アコギ主体のアコースティックバージョンといった趣である。
ただ名曲はどんなアレンジでも名曲。

2.メッセージ (SILENT VERSION)
1stアルバムのタイトルナンバー「メッセージ」のサイレントバージョン。サイレントってどゆこと??無音ってこと?ジョン・ケージ??

と思ったが、こちらは鈴の音がフィーチャーされたクリスマスバージョン。サイレントナイトのサイレントね!
しかし、この鈴の音が6分30の曲中ずっと休みなく鳴り続けるので、どんどん面白くなってくる。だいぶコピペ回数が多いのだ。
もしCDをお持ちの方は一回歌を無視して鈴だけを聞いてみてほしい。瞑想に近い効果を得られるはずだ。

もちろん楽曲自体は超名曲。音数少な目なぶん、アルバムバージョンより生生しい歌を味わえる。
最後の語りも相変わらず最高だ。「おまえは何が欲しい?(シャンシャンシャン…) 愛 自由 ラシラキ…(シャンシャンシャン…)」

3.二人きりの場所
反町史上最も隠れた名曲。
新曲でもない企画盤のカップリングということでこれを聴いた人が世の中に何人いるかわからないが(いやもちろんこのCD自体めっちゃ売れたと思うけど)、歌詞も歌唱も本当に素晴らしいラブバラードだ。

ちなみに言い忘れたが、反町隆史の楽曲は全て本人が作詞している。
夢に向かってガムシャラになっていた不器用な男が、ふと支えてきてくれた恋人を振り返り、「今までないがしろにしたこともあったけど、これからは幸せにするよ」と告げる。
時系列や事実関係はわからないけれど、「きっと見つけるよ 二人きりの場所」と、仮に松嶋さんに歌っていると考えると興奮&感動である。

後述する理由から、この曲までが初期衝動で突っ走ってきた反町隆史の絶頂期となる。個人的にここから先はシーズン2のような感じでとらえている。寂しい言い方をすると、僕が本当に好きな反町はここまでとなってしまう。

~"コーヒーとチョコレートで映画を観ていたね”~


2nd『HIGH LIFE』(1998)

ここからが歌手・反町隆史シーズン2。
さて一体何がシーズン1と違うのか。である。
反町さんご本人のスキルアップなのか、レコーディング技術の発達なのか、ディレクションの変更なのか、あるいはそれら全てか、歌が格段に上手くなっているのだ。

『メッセージ』でそのリアルすぎる歌声に興奮してこの2ndを聴いた時、正直最初はがっかりした。
ちゃんとリズムにのっているし音程も合っている。
これを求めてたわけじゃないんだよな…と思ったが、それはそれとして、一流の作家陣(都志見隆さん、吉田建さん、なんと氷室京介さん!etc)が力を結集して作った、普通にいい曲ばかりのアルバムではあるのだ。アレンジもめちゃくちゃ気持ちいい。

と、思っていたがこれを書くために今聴き直していて、やっぱり見逃せないリアルポイントもいくつかあると感じた。リリースから約25年を経てもファンを楽しませてくれる名盤だ。

1.HIGH LIFE
まるでMetallicaのSt.Angerのような硬質なドラムサウンドが耳につく渋いハードロックナンバー。
ヴォーカルにはずっと歪みエフェクトがかかっている。
歌詞のテーマ的には「テンション高く生きていこうぜ!」みたいなことだろうか。途中「犯したいなら 犯せばいい」というフレーズが出てきて「だ、大丈夫ですかそれ…!」と心配になってしまう。
超一流俳優が歌うにしては危険すぎる歌詞だが、これを本人が書いているんだからすごい。

~"永遠に運は舞い降りてくるのさ"~


2.POISON~言いたい事も言えないこんな世の中は~
お待たせしました。
言わずと知れた反町隆史代表曲にして、平成日本が誇る大名曲。
ここまで読んでくれてる人がどれくらいいるか分からないが、そろそろPOISONが聴きたくなってると思うので↓に貼っておこう。

反町ファンになってからはPOISONをネタとして使う人のことを「POISON厨」と呼んでバカにしているが、自分も曲が嫌いなわけではもちろんなく、やっぱりあのイントロのギターが鳴った瞬間、条件反射で拳を突き上げてしまう。

一応、並のPOISON厨とは一味違うぞというところをアピっとくと、この曲は2番が最高なのだ。特に↓の歌詞。

さりげなく季節は変わり
無意識に視線を落とし
流される事に慣れてくのか

もうコピペしてて泣きそうである。確かGTOの最終回でも2番まで流れたことがあって、めちゃくちゃ感動してしまった。(そういう今まで流れなかった部分が最終話で流れるとか、熱いよね)

あと個人的にすきなポイント。タイトルでは「こんな世の中は」なのに実際に歌ってるのは「こんな世の中じゃ」なのだ。
どっちかに統一しなかったのはなぜなんだろうと考え続けて37歳になってしまった。まだ答えはでない。

~"素直な気持ちから目をそらしたくない"~


3.BELIEVE
このアルバム全体的にそうなんだけど、U2のサウンドをだいぶ参考にしている気がする。この曲もU2的な付点8分ディレイがかかったギターサウンドがとても心地よい。
「別れ」をテーマにした、まあ普通にいい曲なのだが、Bメロあたりでシーズン1のリアル反町歌唱に近いものが聴ける。今まで「仕事をした」と歌ってると思ってたところが、今回歌詞をちゃんと見たら「火をともした」だったと知った。

~"ほかの誰かに これからも愛をそそいであげてくれ"~


4.SINCERELY
ガットギターにのせて甘く歌われるラブバラード。作曲は氷室京介さん。
とにかく淡々としているので、なんとなく次の曲への序曲といった趣。というわけで特筆するポイントはない。

~"愛しい人 Oh 君を愛している"~


5.ONE
こちらも氷室さん作曲、反町隆史としては2ndシングルにあたる名曲だ。
「SINCERELY」ではそんなに感じないが、この曲は氷室さんが歌ってるのを容易に想像できる。
それでいてモノマネにならず、完全に反町オリジナルにしているのが凄い。
多分録音が他の収録曲よりも前なのだろう、この曲もシーズン1のリアルな歌唱に近い。
ふと我に返ったけど、反町さんの音楽遍歴をシーズンで分けてるのは世界でもこの記事だけではないだろうか。今、世界初の試みをしていることに興奮を禁じ得ない。

JALのCMソングだからか、飛行機を連想させる言葉が沢山出てくるのだが、「I just wanna fly 歩いている」という歌詞が特にいい。飛びたいって言った直後の歩行者宣言。やっぱり地に足がついた男というわけだ。

~"離れている時を刻むことで つないだ手を離すことはない"~


6.If you love me, don't forget me
ブルージーなギターが冴えわたる、かなり渋く無骨な1曲。
恐らく故郷を捨てて夢を追う男が、故郷に残した恋人に「待っていてくれ」と告げて……ごめんなさいこの曲正直そこまで言うことがない!!

~"今はまだ愛にこたえてやれない"~

7.Lookin' for my dream
段々雲行きが怪しくなってきたシーズン2だが、ここで超名曲の登場だ。
これは別に歌がどうとか歌詞にツッコミどころがとかは一切なく、マジもんの名曲。泣ける。
唯一あるとしたら、Aメロで結構低めなところから入るのに、いきなり大音量で1オクターブ上に跳ね上がるところでちょっとビックリしちゃうくらい。
反町は一貫して「夢をつかめ」というテーマを歌い続けているが、まさにこの曲はその集大成。

~"自分の気持ちさえYESならば ためらうことはもう何もない"~


8.Hold the world tight
反町隆史の歌声といえば低音が魅力だが、その低音をあますところなく堪能できるデリシャスな楽曲。
ちょっとアンビエントなサウンドの中でリバーブのかかった低音ボイスが僕らを包み込んでくれる。歌詞がほぼ聞き取れないところは、名曲「自分らしく」を思わせる。
サビでゴスペル隊が合流しての「ホーザワードタイ!」の連呼も気分が上がる。
雰囲気とタイトルから、なんとなく世界平和的な歌詞かと思ってたけど割とラブソングだった。
とはいえ一回は教会で聴いてみたいスピリチュアルな名曲である。

~"抱きしめ合っているときに 本当の人の姿がある"~


9.BREAKIN' THROUGH THE NIGHT
これはシンプルにかっこいい曲。勢いのあるロックナンバーなのでヴォーカルもなかなかにリアルだ。
世紀末近づくほど 衝動買いは増えてく
あの娘に愛の言葉を伝えられたその時は どちらに転んでもいい かまわず走れ
など、「そ…反町先生どういうことですか!!?」と問いたくなる謎のラインの数々も最高。

これも夢に向かって捨て身でやろうぜ!という鼓舞ソングなのだが、励ましてくれてたはずなのに急に「身勝手なおまえら」と糾弾されるのももはや心地よい。

~"世の中にあやつられたGRAYな人生よ"~



10.FOR TOMORROW
キレイなメロディにキレイなサウンドで聴かせてくれる爽やかなポップナンバー。
歌声もかなりいい感じだが、サビのラスト「FOR TOMORROW」を「フォートゥマウロー」と歌うところで急にリアルになるところがいい。

あとこれも歌詞が中々見逃せない。
「孤独なテーブルから2つのグラスになる」
「愛はこわれやすくて ビルはつぶれ続けて」
など、「そ…反町先生どういうことですか!!?Part2」なラインが目白押しだ。
極めつけはこちら。

他人を蹴落とし歩いてく
そんな迷信を蹴落としたい

言わんとするところはもちろんわかるが、それって「迷信」っていう言葉のチョイスで合ってるのか??と思ってしまう。
しかし一流の作詞家は歌詞の中に「あれ?」という疑問をもたせる言葉を絶対にいれるという。まさにここなんかはそのテクニックが使われているのではないだろうか。

~"いつまでも夢を追いかけたい"~


11.REAL LIFE
アルバムラストを飾るナンバー。
この曲なんかはモロにU2っぽい。
タイトルこそ「リアルライフ」だが、歌声はリアルというよりかなり安定している…と思うのもつかの間、間奏とアウトロで感情がほとばしる。
ここもU2のボノにインスパイアされているのだろうか、胸を衝く魂の絶唱である。
U2の『Joshua Tree』に入っていても違和感のない壮大な楽曲で、アルバム『HIGH LIFE』は幕を閉じる。全11曲、圧巻の名作だ。

~"果てしない夢とともにいつまでも"~


……えっと、ぶっちゃけ当初の目論見としては、思い入れのある1stの『メッセージ』だけめっちゃ沢山書いて、そのあとはもう一言だけとかで適当に済まそうとしてました。そういうボケをやろうとしてました。

しかし久々に聴いてみると色々言わなきゃいけないことがでてきてしまって、Part1より全然長くなってしまった。
しかし寂しくもホッとする情報、反町隆史のリリースしたアルバムはあと1枚で終わりである。また明日に続きます。なんなんだこれ…。

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